【実名入り】子供が独立した夫婦の生命保険選び方

子どもが独立した夫婦の保険について書いてみます。

ここで想定しているのは、子どもに関するお金の心配がなくなり、そろそろ自分たちの老後が気になりだすような50代の夫婦を想定しています。そして、夫が家庭の生計を支えていて、妻は専業主婦、もしくはパートで多少の稼ぎがあるような夫婦です。

保険の種類は大きく

  1. 亡くなった場合に備える保険(定期保険・収入保障保険・終身保険)
  2. ケガや病気に備える保険(医療保険・がん保険)
  3. 働けなくなった場合に備える保険(就業不能保険)
  4. お金をためる保険(学資保険・個人年金保険)
  5. 老後に備える保険(介護保険・認知症保険)

の5つに分類できますが、それぞれについて、その必要性を書いてみたいと思います。

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【必要性 中】亡くなった場合に備える保険(定期保険・収入保障保険・終身保険)

被保険者(家族)が亡くなった場合に、まとまった金額が遺族に支払われる死亡保険。遺された家族が経済的に困らないのであれば、死亡保障の必要性は低いです。

妻(専業主婦)の死亡保障は原則的には不要でよいでしょう。いまさら死亡保険に入る必要性は低いですし、既に掛け捨ての生命保険に加入しているのであれば、中途解約もアリです。

一方で、夫が亡くなった場合に備えるには、まずは遺族年金をどれくらいもらえそうか確認してみた方がよいです。

年金というと老後の生活費をカバーするためのもの(老齢年金)と思ってしまいがちですが、その他にも

  • 障害年金
  • 遺族年金

があります。

障害年金は病気やケガで身体に障害を負ってしまい、満足に仕事や生活ができなくなった場合に給付される年金。もちろん現役世代でも条件を満たせば給付されます。

遺族年金は主たる生計者が亡くなった場合に、遺された家族に給付される年金です。子ども全員が18歳到達年度を超えている(高校を卒業している)世帯の専業主婦(40~64歳)なら、会社員・公務員世帯であれば遺族厚生年金+中高齢寡婦加算が給付されます。

しかし、遺族厚生年金+中高齢寡婦加算でも月10万円給付されれば御の字。遺された妻が遺族年金だけで生活するのは難しいでしょうし、あとは貯蓄の切り崩しや妻のパート給与で生活費をカバーできるかどうか。できそうになければ、掛け捨てだけど保険料が安い定期保険に加入しておいたほうが安心でしょう。

新たに定期保険に入る場合、タバコを吸わない方であれば

メットライフ生命「スーパー割引定期保険」

あたりが最安値ですし、タバコを吸う方なら

SBI生命「クリック定期!NEO」

メディケア生命「メディフィット定期保険」

が候補に入ります。

定期保険の保険料比較

また、既に掛け捨ての生命保険に加入している方でも、一度は見直しを。子どもが独立していれば保障額を減額することも可能ですし、

「あれ?保険料見積りしてもらったら入り直した方が安くなったぞ?」

ということも多々あります。

ちなみにですが、亡くなった後のお葬式代やお墓代として生命保険に加入される方もいらっしゃいます。

お葬式代は地域や規模によってピンキリですが平均150万円程度。お墓代もピンキリですが、平均は170万円程度。合計すると平均300万円ちょっと。

これくらいの金額なら自分で貯めることも不可能ではないと思いますが、貯め込み過ぎて現在の生活を犠牲にするのも、もったいないと感じます。

「生命保険に入ってるからお葬式代やお墓代の心配は無用。いまの生活を楽しもう」

といったきっかけとなるのも生命保険。将来の不安は保険にぶん投げて、残りの人生を楽しむために生命保険を使うというのもアリかと。

この場合は一生涯保障する終身保険が候補に入ります。現状の終身保険(円建て)はオリックス生命「ライズ(RISE)」、及びアフラック「未来の自分が決める保険WAYS」が2強。ひとまずはこの2社で比較してみるとよいかと。

若い頃に入った生命保険

「新社会人になったときに入った生命保険」

「子供の頃から親が掛けてくれていた生命保険」

は、いわゆる”お宝保険”の可能性があります。

1980年代から1990年代中盤に発売されていた貯蓄性のある生命保険(終身保険・養老保険・個人年金保険等)は予定利率は4%~5%が当たり前。いま生命保険に加入しても、予定利率は1%を下回ります。お宝保険はそのままキープが鉄則です。

お宝保険は生命保険会社にしてみれば損をする保険です。なので

「いまの保険を解約して、こっちに入り直した方がお得ですよ!」

と、生命保険会社の営業が近寄ってくることもありますが、完全スルーでいいでしょう(既に寄ってきてると思います)。

以下、補足です。

生命保険の利率は複雑です。生命保険で用いられる利率に以下の2つがあります。

予定利率…保険料を決める際のキーになる利率。契約者が支払った保険料から経費、死亡保険金を差し引いた金額に対してかかる利率。予定利率が高いほど、保険料は安くなる。

積立利率…貯蓄性のある保険において、契約者が支払った保険料のうち、経費と死亡保険金を差し引いた積み立て部分にかかる利率。積立利率が高いほど、リターンが大きくなる。

どちらも似たようなものですが、要点は

「支払った保険料全額にたいして利率が適用されるわけではない!」

です。

銀行預金の利率は貯蓄した金額全てに対して適用されます。100万円貯金して年利1%なら、1年間の利息は1万円。

一方で、生命保険の予定利率・積立利率は支払った保険料から生命保険会社の経費や、亡くなった人に支払う保険金を差し引いた金額に対して適用されます。

100万円の保険料を支払って、経費やら死亡保険金に60万円かかったとしたら、予定利率が適用されるのは40万円。予定利率・積立利率が1%なら1年間の利息は4千円です。

なので、予定利率4%~5%といっても年利4%~5%ではありません。生命保険会社によって経費率が異なるので一概には言えませんが、予定利率5%であっても実質的な年利は2~3%程度かと。

こう書くと非常にがっかりしてしまうのですが、それでも元本割れがなくて死亡保障があって、それでいて年利2~3%は悪くありません。お宝保険はそのままキープです。

【必要性 高】ケガや病気に備える保険(医療保険・がん保険)

ケガや病気に備えられる保険には医療保険・がん保険があります。

幅広くケガや病気に備えられるのが医療保険。

「入院1日1万円!手術1回10万円!」

といったやつです。入院や通院での治療全般に備えられる保険です。

がん保険はその名の通りがんに保障を特化した保険です。日本人の死因ランキングは長らくがんがNo.1ですが、保障をがんに限定して、その代わりに保険料を安く抑えられるのががん保険。

実際に大きなケガや病気を経験したことがない方だと、

「医療費っていくらくらいかかるんだろう…」

と、なんとなく不安になってしまいますが、日本の公的な健康保険制度は意外としっかりしています。

詳細は後述しますが、日本には高額療養費制度があるので、医療費の月額上限はある程度決まります。月額上限+αを夫の収入や貯蓄の切り崩しで支払えるのであれば、妻の医療保険・がん保険は無くてもよいかと。必要だとしても、

「安心を買う」

といった目的で、最低限の保障額で十分でしょう。

一方で、怖いのは夫の長期闘病です。

会社員の方であれば、ケガや病気で働けなくなったとしても即座に収入が途絶えるということはありませんが、それでも収入は減少することが多いでしょう。長期闘病となれば、貯蓄が底をついて生活レベルを落とさざるを得ないような状況にもなりかねません。

夫の医療保険は優先度高めです。既に医療保険に加入している方でも、保障内容が現代の医療に追いついていない可能性もあるので、一度は見直しておいたほうがよいかと。

高額療養費制度がすごい。

先ほどちょっと触れましたが、日本の高額療養費制度はすごいです。

日本は国民皆保険の国なので、原則的には全ての方が健康保険に加入しています。よく知られていることですが、現役世代であれば医療費の自己負担額は3割。例えばケガで入院して治療費10万円かかった場合でも、自腹で支払う金額は3万円です。

さらに、日本には高額療養費制度があります。

高額療養費制度とは、収入によって医療費の月額上限が定まる仕組みです。具体的には下表のとおり(69歳以下のケース)。

収入 医療費月額上限
月給81万円以上
(自営業等は所得901万円超)
252,600円+(医療費-842,000)×1%
月給51.5万円以上81万円未満
(同所得600万円超901万円以下)
167,400円+(医療費-558,000)×1%
月給27万円以上51.5万円未満
(同所得210万円超600万円以下)
80,100円+(医療費-267,000)×1%
月給27万円未満
(同所得210万円以下)
57,600円
住民税非課税者 35,400円

例えば、月給30万円の方が入院して月の医療費60万円かかった場合、退院時に病院の窓口で支払うのは60万円の3割である18万円。

その後に高額療養費制度の申請をすれば

80,100円+(600,000円‐267,000円)×1%=83,430円

が実際の医療費上限なので、病院で支払った18万円から上記の83,430円を差し引いた96,570円がキャッシュバックされます。

さらに、過去12か月以内に3回以上、上限額に達した場合は4回目から上限額が下がります。

収入 医療費月額上限
月給81万円以上
(自営業等は所得901万円超)
140,100円
月給51.5万円以上81万円未満
(同所得600万円超901万円以下)
93,000円
月給27万円以上51.5万円未満
(同所得210万円超600万円以下)
44,400円
月給27万円未満
(同所得210万円以下)
44,400円
住民税非課税者 24,600円

先ほどの例と同じく月給30万円の方なら月の医療費上限は44,400円です。

メディアで不安を煽られることが多い日本の健康保険制度ですが、実情は意外としっかりしてます。まずはこの点を抑えておきましょう。

入院すると医療費以外にもいろいろとお金はかかる。

ただし、入院した場合には健康保険が適用されない様々な費用が発生します。

例えば、

  • 差額ベッド代(個室代)
  • 食事代
  • 交通費
  • 入院中の生活雑貨

といった費用。

差額ベッド代は個室や少人数部屋を利用する場合にかかる費用です(大部屋の入院であれば不要)。金額はホテル代と同じでピンキリ。芸能人や政治家が使うような豪華な個室であれば1泊数万円となることもありますし、地方の良心的な病院であればビジネスホテル並みの金額で利用することもできます。

厚生労働省が公表している1日あたりの平均差額ベッド代は以下のとおり。

1人室:8,322円
2人室:3,101円
3人室:2,826円
4人室:2,705円
全平均:6,620円
※中央社会保険医療協議会(第548回、令和5年7月5日)「主な選定療養に係る報告状況」参照

1人部屋が突出してますよね。優雅な1人部屋でなくても良い場合は、差額ベッド代をかなり抑えられます(差額ベッド代の調べ方はこちらに書いています)。

食事代は固定で1食490円(1日1,470円)。住民税非課税世帯等の場合はもう少し安くなります(参考 全国健康保険協会)。

あとは交通費と入院中の生活雑貨、シーツや枕カバーのクリーニング代といったところ。生命保険文化センターの調査によると、入院1日の自己負担額平均は20,700円だそうです(高額療養費制度利用後の平均)。

民間の医療保険・がん保険は発生したら壊滅的なダメージになるリスクに備える

疾病別の入院日数平均も生命保険文化センターのサイトにまとめられています。

あたりまえですが、入院日数は疾病によって大きく変わります。最近の医療は入院から通院にシフトしていますが、脳血管疾患やメンタル・神経系疾患はまだまだ退院までに時間がかかります。がんの入院日数平均は20日程度ですが、部位や進行度によっては長期の入院になることも珍しくありません。

医療保険・がん保険は

「発生したら本格的やばいリスクに備える」

がベター。ちょっとした入院でも手厚く保障してくれるのがベストですが、それだと月々の保険料がめちゃくちゃ高くなります。

先ほど入院1日の自己負担額平均は20,700円と書きましたが、1ヶ月前後の短期入院であれば貯蓄の切り崩しでやり過ごせる方も多いでしょう。会社員の方なら、有給休暇を消化すれば収入減もないはずです。

本当に怖いのは長期闘病です。保険料とのバランスで考えれば、

  • がん
  • 脳血管疾患
  • メンタル・神経系疾患

といった3つの長期闘病に備えれれば十分かと。個人的な経験としても、経済的なピンチに陥るのは、ほぼこの3パターンです(特にがんと脳血管疾患)。

がんも入院して手術して、きれいにがん細胞を切り取ることができれば怖くありません。退院後は再発予防のために副作用の軽い抗がん剤か放射線を2~3ヶ月程度受ければ治療終了。働きながら抗がん剤・放射線治療を受けることも不可能ではないので、経済的なピンチに陥ることもないでしょう。

しかし、実際は手術でがん細胞を切り取ることができず、副作用のきつい抗がん剤を数ヶ月打ち続け、そして一旦治療が終わっても再発・転移を繰り返すことが少なくありません。こんなケースは満足に働くこともできず、徐々に減っていく銀行口座の残高を眺めながら

「あ、これ、やばいかも」

と、本格的なピンチを迎えることになります。

また、脳血管疾患は平均からしても入院が長引きます(77.4日)。歌手の星野源さんやglobeのKEIKOさんがくも膜下出血を発症されてますが、30代から40代の若い方でも発症してしまうのが脳血管疾患。50代であればその可能性も上がります。星野源さんのように完全復活できれば良いのですが、完治しても後遺障害を負うようなケースも少なくありません。

メンタル・神経系疾患の入院もびっくりするほど長くなります。統合失調症なんてかかるわけないだろ!と思ってしまいがちですが、日本人の100人に1人程度が統合失調症に悩んでいるというデータもあります。交通事故より可能性が高いのが統合失調症。入院日数平均も570.6日と超長期です…。

また、高齢者になると増えるアルツハイマー病もやっかいです。その入院日数平均は273日。入院したらそのまま亡くなるまで病院で暮らすことも少なくありません。

以上の3つのケースに備えるには、

  • 3大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)の入院を無制限保障。
  • 抗がん剤治療を受けた月に定額保障。
  • メンタル・神経系疾患の長期入院を保障。
  • 3大疾病で所定の条件を満たせば1年に1回一時金給付(余裕があれば)

の4つの条件を満たす医療保険がおすすめ。

具体的には、

チューリッヒ生命「終身医療保険プレミアムZ」

メディケア生命「新メディフィットA」

あたりが保険料も安くて保障内容も悪くありません。特にチューリッヒ生命はメンタル・神経系疾患の長期入院も保障されるので、おすすめ度は高めです(メンタル・神経系疾患の長期入院を保障する医療保険は貴重です)。

また、タバコを吸わない方であれば、保険料が割引される

ネオファースト生命「ネオdeいりょう」

FWD生命「FWD医療」

あたりも候補に入ります(喫煙習慣以外にも割引条件があります)。

ひとまずはこの4つで比較して、無理なく月々の保険料を支払える程度に保障額を調整するのが良いかと感じます。

健康保険が適用されない治療もある。

先述したちょっと古い医療保険だと追いついていないのが特にこの部分。

がんの治療で手の施しようがなくなってくると、医師から

日本では承認が遅れているけど、欧米では効果が認められて使用が進んでいる抗がん剤

を提案されるケースがあります。

もちろん未承認の抗がん剤治療には健康保険が適用されません。

こんな抗がん剤治療を受けることになると、

  1. 製薬会社の治験
  2. 先進医療
  3. 患者申出療養
  4. 自由診療

のどれかを選択することになります。

運良く治験を受けられれば薬剤費は無料。その他の医療費も健康保険が適用されるので、医療費はググっと抑えられます。

2の先進医療とは、公的医療保険の対象にするかを評価する段階にある治療・手術を指します。ある程度実績が蓄積された医療技術は厚生労働省に認められて先進医療となるのですが、先進医療には健康保険が適用されません。診察料・入院料といった技術料以外の医療費は健康保険が適用されるものの、先進医療の技術料は全額自己負担。

3の患者申出療養は患者が国に

「未承認薬の抗がん剤だけど、他に手段がないので受けさせてください!」

と申請する制度です。

申請が認められれば先進医療と同じく診察料・入院料といった技術料以外の医療費は健康保険が適用されますが、こちらも技術料は全額自己負担。

この2と3のケースは最近の医療保険なら救うことができます。先述したチューリッヒ生命「終身医療保険プレミアムZ」、及びメディケア生命「新メディフィットA」であれば、先進医療・患者申出療養特約というオプションを付加すると、先進医療と患者申出療養の医療費実費が保障されます(2,000万円上限)。

2と3のケースであれば

「保険に入っておいてよかった…」

と心の底から実感できるでしょう。お金を気にせず治療を受けられます。

ただし、先進医療と患者申出療養はまだまだ黎明期です。令和3年に先進医療を受けた方は5,843人(がん以外も含む)ですし、患者申出療養は令和2年7月1日から令和3年6月30日までの1年間で208人(参考:厚生労働省)。

実際は4の自由診療で受けるケースが多いでしょう。とある保険会社の調査では、がん罹患者・がん罹患経験者の19.8%が自由診療を提案されたという結果が出ています(実際に受けたのは11.7%)。

自由診療は先進医療・患者申出療養とは異なり、治療費全額が自己負担です。本来であれば健康保険が適用されて3割負担となる診察料・入院料といった費用も10割負担。もちろん高額療養費制度も利用できないので、治療費は青天井に膨らみます。国立がん研究センターが2021年10月時点の未承認・適応外の医薬品を下記リンク先にまとめてますが、月100万円かかる抗がん剤なんてざらにあります。

国内で薬機法上未承認・適応外となる医薬品・適応のリスト(2021年10月31日改訂版)(PDF)

経済アナリストの森永卓郎さんがステージ4のすい臓がんであることを2023年12月に公表されましたが、原発不明がんと診断されたため抗がん剤を打つことができず、自由診療のオプジーボを投与したというニュースが報じられました。この治療費が1ヶ月半で400万円。2024年現在では、すい臓がんへのオプジーボは健康保険が適用されません。これが全額自己負担はかなり厳しい…。

しかし、最近のがん保険はここまで保障しています。例えば、メットライフ生命「ガードネクスト」は自由診療の実費を1億円上限で保障。自由診療以外の保障も悪くないので、

「いざとなったら自由診療に頼ることも辞さない。なんとしても助かりたい」

のであれば、メットライフ生命が有力な候補になります。

【必要性 低】働けなくなった場合に備える保険(就業不能保険)

ケガや病気で働けなくなった場合に備えるのが就業不能保険です。

上述した医療保険と似通っているのですが、就業不能保険は

  • 就業不能保険は現役時代に保障が限定される(65歳くらいまで保障)。医療保険は一生涯(亡くなるまで)保障されることが多い。
  • 就業不能保険は治療終了して障害が残った状態も保障される(保障してくれないダメな就業不能保険もあり)。医療保険が保障するのは原則治療中のみ。

といった違いがあります。

現役時代が残り少ない方であれば、就業不能保険の必要性は低め。一生涯保障の医療保険を優先した方がいいでしょう。

ちなみにですが、働けなくなった場合にも意外としっかりした公的なサポートがあります。

傷病手当金と障害年金が強力。

会社員の方であれば健康保険に加入していると思いますが、健康保険法等を根拠に疾病または負傷により働けなくなった場合に給付されるのが傷病手当金です。会社員の方であれば、働けなくなったとしても1年6ヶ月の期間、月給の約2/3が健康保険から傷病手当金として給付されます。

受給するには以下の4つの条件を全て満たすことが必要です。

受給条件

(1)業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
(2)仕事に就くことができないこと
(3)連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
(4)休業した期間について給与の支払いがないこと

業務中の病気やケガは労災の休業補償でカバーされます。業務外の病気やケガで働けなくなったケースをカバーするのが傷病手当金ですね。

働けなくなったらまずは残っている有給休暇を消化して、それでも働けない場合は傷病手当金が1年6ヶ月間給付されるということを覚えておきましょう。会社員の方であれば、働けなくなっても即座に収入がストップすることはありません。

ただし、傷病手当金が給付されるのは健康保険に加入している会社員の方のみです。国民健康保険に加入している自営業・フリーランスの方は給付されないことに注意です。

また、後遺障害を負うような状況になった場合は上述した障害年金が給付されます。

障害年金は非常に複雑です。受給条件も給付額も細かく決められています。詳細は日本年金機構のサイトに掲載されていますが、まずは障害を負うような状況となったら障害年金を受け取れることを覚えておきましょう。

就業不能保険は傷病手当金と障害年金の補完。

上述のとおり、会社員の方であれば働けなくなったとしても収入が即座に途絶えることはありませんが、それでも減収となることが多いでしょう。傷病手当金は月給の2/3ですし、障害を負った状態で社会復帰できたとしても、満足に働くことができないこともあるでしょう。

そこを補完するのが就業不能保険です。

例えば、アクサ生命「アクサのネット完結働けないときの安心」

①治療を目的とした入院
②医師の指示による在宅療養
③障害等級2級以上

といった場合、年金と同じように毎月定額給付(10万円とか)。

精神疾患の場合にも

①治療を目的とした入院
②障がい等級2級以上

といった条件を満たせば毎月定額給付です(10万円とか)。

先ほど医療保険で備えるべきは、

  • がん
  • 脳血管疾患
  • メンタル・神経系疾患

の長期闘病と書きましたが、就業不能保険でも長期入院にも備えられるし、医療保険では保障されにくい脳血管疾患で半身麻痺といった後遺障害も保障されます(障害等級認定されれば)。

また、副作用の強い抗がん剤を打ち続け、自宅で寝てるしかないような状態(働くことなんて無理!)も「医師の指示による在宅療養」に該当するので、しっかり保障。割とオールマイティに保障してくれるのが就業不能保険です。

さらに、就業不能保険は条件を満たす限り保障期間終了まで定額給付されます。上述のとおり現役時代を保障期間とすることが多いので、例えば40歳のときに脳卒中で半身麻痺が残り、障害等級2級に認定された場合は65歳までの25年間毎月10万円給付とかです。

現状であれば、就業不能保険はアクサ生命「アクサのネット完結働けないときの安心」と、ライフネット生命「働く人への保険3」の2強。何らかの理由で就業不能保険が必要となった場合は、ひとまずはこの2つを比較しておけばよいかと。

【必要性 低】お金をためる保険(学資保険・個人年金保険)

お金を貯める保険に学資保険・個人年金保険がありますが、学資保険は子供の教育費を貯めるための保険。子供が独立した後はもちろん不要です。

また、老後の生活資金を貯める個人年金保険もありますが、低金利下の現状では資産運用として考えても妙味はありません。

「元本割れは絶対に避けたい!リスクは取りたくない!」

と言った方であれば、銀行預金の代わりに税制上のメリットがある個人年金保険に加入するのもアリですが、多くの方にとっては、個人型確定拠出年金(iDeCoまたは企業型DC)を利用した方がよいでしょう。

ただし、1980年代から1990年代中盤に発売されていた個人年金保険はお宝保険の可能性があります。繰り返しますが、現状では実現不可能な積立利率が約束されているので、もしも加入しているのであればそのままキープが鉄則。余裕があれば月々の保険料を増額して、受け取れる年金をドンっと増やすことも考えた方がよいかと(そんなことできない個人年金保険もありますが…)。

ちなみにですが、年金に関する不安を煽りまくるメディアを鵜吞みにしない方がいいです。同様に、年金不安を煽って

「個人年金保険で備えておいたほうがよいですよ!」

と、よってくる保険の営業、銀行員も相手にする必要はありません。

多少の減額はあるかもしれませんが、年金が破綻する可能性は限りなくゼロに近いです。詳しくは大江英樹著「知らないと損する年金の真実」に分かりやすく書かれているので、ご一読を。

資産運用について

資産運用を検討されているのであれば、下記リンク先に必要なことが全て書かれています。

普通の人が資産運用で 99 点をとる方法とその考え方

難しい数式もありますが、結論編だけでも読めばざっくり考え方がわかります。本屋へ行くと資産運用に関する本が山積みされてますが、普通の会社員の方であれば↑のリンクを読んでおけば十分でしょう。

「老後のお金が心配で…」

といった方が証券会社とか銀行に赴いて、勧められるがままに資産運用を始めたり、退職金をドンっと突っ込んだりもしてますが、これは絶対にやめたほうがいいです(断言できます)。

証券会社や銀行が勧めるのは手数料の高い金融商品。手数料は証券会社・銀行の取り分です。手数料が高ければ私たち契約者の取り分が減ることになります。

「いや、プロが運用してるんだから、それなりに手数料がかかるのは当たり前でしょう」

と考えてしまいますが、プロがやるような複雑な運用も機械的にやるようなシンプルな運用も結果はそんなに変わりません。むしろ手数料が高い分だけプロは負けることが多いです。

また、

「年利10%!元本割れするリスクはありません!」

なんていう金融商品は詐欺を疑うべきです。

日本で最も安全な金融商品は日本国債です。個人が購入できる国債が個人向け国債ですが、その年利は固定3年で0.05%(2023年12月現在)。この利率を超えるような金融商品は元本割れのリスクが少なからずあると考えておいた方がよいでしょう。

まずはネット証券(SBI証券や楽天証券やマネックス証券)に口座を開設し、個人型確定拠出年金もしくはNISAを利用して、こつこつと手数料の安いインデックスファンドに積み立てること。投資のプロでない普通の人はこれで十分です。

【必要性 低】老後に備える保険(介護保険・認知症保険)

老後が迫ってきたり、親が介護になったりすると、自分の介護が心配になってきたりもしますが、要介護となっても民間の介護保険・認知症保険から保障を受けられる可能性は高くありません。ここは独身の方と同じ。下記リンク先をご参照ください。

子供なし独身の生命保険の選び方

介護保険・認知症保険に加入したとしても払い損になることが多く、介護費用は老後を迎えるまでに自分で貯めるのが合理的です。

実名で明かす僕が子どもが独立した夫婦だったら選びたい保険。

僕が子どもが独立した夫婦だったら、以下の保険に加入します(現在無保険の前提)。

【夫】
定期保険:メディケア生命「メディフィット定期保険」
医療保険:メディケア生命「新メディフィットA」

【妻】
医療保険:メディケア生命「新メディフィットA」

保障内容はこんな感じです。

【夫】
●メディフィット定期保険
保障額500万円(65歳満了)
●新メディフィットA
主契約:入院1日5,000円(60日保障)、入院中手術1回5万円、外来手術1回2.5万円
特約:特定3疾病入院無制限給付特則、先進医療・患者申出療養特約、薬剤治療特約(抗がん剤型・月10万円)

【妻】
●新メディフィットA
主契約:入院1日5,000円(60日保障)、入院中手術1回5万円、外来手術1回2.5万円
特約:特定3疾病入院無制限給付特則、先進医療・患者申出療養特約、薬剤治療特約(抗がん剤型・月10万円)

夫婦ともに50歳の世帯を例にすると月々の保険料は

【夫】
メディフィット定期保険:2,575円
新メディフィットA:3,195円

【妻】
新メディフィットA:3,325円

これで夫婦の月額保険料合計が9,095円。

公的な社会保障(遺族年金や障害年金)を前提とすれば、もう少し低い保障額でもサバイブできると思います。保障額は現在と今後の生活費を鑑みながら、必要十分に設定して保険料を少しでも安くしましょう。

また、メディフィット定期保険の保障期間を65歳までとしていますが、こちらも前倒しできれば保険料は安くなります。少なくとも妻が老齢年金を受け取れるまでを保障期間とすればよいかと。

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保険クリニック

保険を検討されているのなら、まずは近所に保険クリニックがあるかを確認してみてください。 生命保険は世の中にたくさんありますが、生命保険を相談する窓口は保険クリニック一択でよいと感じます。

わかりやすく実績を確認できるのが第三者機関による顧客満足度調査。オリコン社が実施した保険ショップの顧客満足度調査にて2021年から2023年までの3年連続No.1、2023年10月に実施した株式会社DRCによるインターネット調査にて総合1位を獲得しています。

保険クリニックは契約手続きとアフターフォローにも定評があります。

保険金の不払い率をこちらにまとめていますが、不払いとなる理由の多くは

  1. 契約時の告知事項に不備があった。
  2. 契約上、保険会社に支払う責任がない。

の2点。

1点目は保険を契約する際に生命保険会社へ知らせた告知事項(過去の病歴とか現在の健康状況とか職業等)に誤りがあったケースで、これは保険ショップのスタッフが契約時にしっかり説明すれば回避できます。保険クリニックでしっかり説明を受けて契約すれば、まず該当することはないかと。

また、2点目はそもそも保険会社に保険金を支払う責任がないケースですが、医療保険やがん保険には責任分界点が微妙なグレーゾーンが存在します。微妙なグレーゾーンでキーになるのが医師が書く診断書。診断書の表現ひとつで保障されないこともあります。

そんなときに、

「こういうふうに診断書を書いてもらうと保障されやすいですよ」

といったアドバイスをできるのは保険ショップのスタッフだけです。生命保険会社のコールセンターに問い合わせても、わざわざ自分たちの不利になるアドバイスはしてくれません。

保険クリニックはアフターフォローの評価も高めです。契約後のコミュニケーションを密にしておくことで、万が一の場合には腹を割った相談がしやすくなります。こういう裏情報的なアドバイスは信頼関係がないとできないことなので。

実際に利用した方の口コミは以下のとおり。

「たまたま優秀な人が担当になっただけじゃないの?」

という疑惑も沸いてきますが、保険クリニックはデジタル化が進んでいて独自に開発した提案システムを使ってます。スタッフのクオリティに偏りができにくい点もメリットでしょう。

予約は簡単です。

①保険クリニックのサイトにアクセスする。

保険クリニック

②最寄りの店舗を検索する。
オレンジ色のボタンから店舗検索できます。オンライン相談も可能です。

③予約日時を選択する。

④以下を入力して予約完了。

  • 相談方法(来店or訪問)
  • 名前
  • 連絡方法(電話・メールor電話のみ)
  • 電話番号
  • メールアドレス
  • 保険クリニックを知ったきっかけ(リストから選択)
  • 要望等(任意入力)

これで予約は完了。1分もあれば予約できます。

50社以上の保険会社と提携している点も評価できます。この記事で取り上げたチューリッヒ生命・メディケア生命・ネオファースト生命・FWD生命・メットライフ生命・アクサ生命とも提携しています。

もちろん相談は無料です。気軽な気持ちで相談して大丈夫ですよ。

保険クリニックの予約は↓をクリック!

保険クリニック

【保険ショップの検索・予約なら】保険相談ニアエル

保険ショップの検索・予約は↓をクリック!

保険相談ニアエル

近所に保険クリニックがない場合は、保険相談ニアエルで最寄りの保険ショップを検索してみてください。保険ショップには複数回相談に訪問することもあるので、自宅との距離のは割と重要です。

保険相談ニアエルは全国1,500店舗の保険ショップを区市町村単位で検索できます。保険ショップに関する

  • 取り扱っている保険会社
  • 実際に利用した人の口コミ
  • 営業時間、交通アクセス等の基本情報

といった情報も掲載されています。取り扱っている保険会社が事前にわかるので、希望していた保険を提案されなかった!といった悲劇もないですし、厳しい口コミもそのまま掲載されているので、ちゃんと選べば安心して相談ができるかなと。

また、保険相談ニアエルでは相談予約もできます。予約は簡単で

  • 相談希望日時
  • 氏名
  • 生年月日
  • 電話番号
  • 相談内容(保険見直しor新規加入orその他)

だけ入力すれば完了。1分程度で終わる作業です。

予約した後には店舗から電話で予約確認があります。電話の際にざっくりと相談したい内容だとか、その他の要望(女性スタッフ希望等)を伝えておけば、相談もスムーズに進みます。

もちろん予約は無料です。気軽に予約して大丈夫です。

保険ショップの検索・予約は↓をクリック!

保険相談ニアエル

生命保険の相談は無料でできるし、相談したからって生命保険に入る必要はない。

生命保険の相談はもちろん無料です。

しかも、無料で相談したからといって、生命保険に必ず入らなければならないということはありません。

おすすめされた生命保険に納得できなければ、

「うーん、よく考えてみます…」

と、やんわりお断りしてOKです(お断りする人はかなりいます)。

相談しているときに過度な勧誘もなければ、お断りした後にしつこい電話攻勢というのもありません。最近は過度な勧誘やしつこい電話は法律で禁止されています。そんなことしたら、保険ショップは業務停止になってしまいます。

生命保険の相談は気軽な気持ちで。重く考える必要はありません!

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