【生命保険会社別】保険金不払い率まとめ

生命保険会社のサイトやパンフレットに

「保険金お支払総件数xx件!お支払総額xx億円!」

といった記載を見かけることがありますが、絶対数で書かれている場合は割合を確認するのが鉄則です。ということで、生命保険会社別に保険金不払い率をまとめてみました。

生命保険会社は契約者からの保険金請求に対して

  • 保険金を支払った件数
  • 保険金の支払いを拒否して不払いとした件数

を定期的に公表しているのですが、「不払い件数÷(支払った件数+不払い件数)」を保険金不払い率として表にまとめています。

保険金が不払いとなる理由は以下に分類されます。

詐欺取消 保険契約の締結・復活に際して、詐欺の行為があった場合、契約は取消される。
不法取得目的無効 保険金・給付金を不法に取得する目的で保険契約が締結・復活された場合、契約は無効となる。
告知義務違反解除 保険契約の締結・復活に際して、告知内容が事実と異なる場合、契約を解除することがある。
重大事由解除 保険金・給付金を詐取する目的で事故を起こすなどの事由があった場合、保険契約を解除することがある。
免責事由該当 免責期間中の自殺、契約者・被保険者・受取人の故意など、約款に規定する免責事由に該当。
支払事由非該当 責任開始日前発病、がん保険における対象外疾病など、約款に規定するお支払い要件に該当しないケース。

詐欺取消・不法取得目的無効・重大事由解除は契約者に悪意があるケース。親族による保険金目当ての殺人事件!といったニュースを稀に見ることがありますが、まさにあれです。正直に生きていれば該当しない不払い理由です(実際不払い件数は少ない)。

告知義務違反解除とは、保険を契約する際に生命保険会社へ知らせた告知事項(過去の病歴とか現在の健康状況とか職業等)にウソがあったケースです。これも正直に生きていれば該当しないはずですが、悪意はないけど勘違いで結果的にウソになってしまうこともあります。実際に、告知義務違反解除で不払いになるケースはけっこうあります。

ちなみにですが、告知義務違反を理由に生命保険会社が契約解除できるのは契約から2年以内。2年を超えれば時効となって生命保険会社は契約解除できません。ただし、違反内容が重大な場合は2年を超えても契約解除されることがあるので要注意です。

免責事由該当と支払事由非該当は契約上、生命保険会社に保険金を支払う責任が発生しないケースです。

ここらへんは契約時に生命保険会社から渡される「ご契約のしおり(約款)」に保険金が支払われるケースと不払いになるケースが例示されていることが多いのですが、保険は複雑なので読んでもよくわからないことが多いです。

また、現実的には支払われるのか不払いになるのか判別が難しいグレーゾーンに該当することもあるので、契約者からすれば

「(契約がどうなってるかは知らないが)とりあえず保険金請求してみる」

という姿勢で良いと思います。

ちなみにですが、不払い率が低くて気前のよい生命保険会社が良くて、不払い率が高いケチな生命保険会社が悪いとは言い切れません。

不払い率が低いということは、本来支払う必要のない保険金まで支払っている可能性があります(職務怠慢)。必要のない保険金まで支払っていれば生命保険会社の損であり、生命保険会社の損は契約者が支払う保険料に跳ね返ります(保険料が高くなる)。不払い率が高い生命保険会社は保険金請求をきっちり審査して、誠実に仕事をしているとも考えられます。

とはいえ、著しく不払い率が高い生命保険会社は何かしら問題があるのかなと。例えば、

  • 保険の仕組みが複雑過ぎる(販売する人も説明するのが難しい)
  • グレーゾーンにめちゃくちゃ厳しい(基本的には保険金を支払わないという姿勢)

ということもあるのでしょう。

前置きが長くなりましたが、以下、2022年度下半期の生命保険会社の保険金不払い率です。

※住友生命・ソニー生命・第一生命・はなさく生命・みどり生命・メットライフ生命・メディケア生命は2022年度通年の数字です。

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保険金(主に死亡保険)の不払い率

まずは保険金の不払い率(主に定期保険・収入保障保険・終身保険等の死亡保険)についてまとめます。

表は生命保険会社のあいうえお順でソートしています。不払い率平均が2.637%なので、これをひとつの目安に。

不払い件数 支払い件数 総件数 不払い率
アクサ生命保険株式会社 235 8631 8866 2.651%
アクサダイレクト生命保険株式会社 6 43 49 12.245%
朝日生命保険相互会社 173 19434 19607 0.882%
アフラック 170 39149 39319 0.432%
イオン・アリアンツ生命 不明 不明 不明 不明
SBI生命 33 373 406 8.128%
エヌエヌ生命 35 669 704 4.972%
FWD生命 72 699 771 9.339%
オリックス生命 146 5918 6064 2.408%
カーディフ生命 54 529 583 9.262%
かんぽ生命 29033 966595 995628 2.916%
クレディ・アグリコル生命 58 498 556 10.432%
ジブラルタ生命 19 4215 4234 0.449%
住友生命 3125 113499 116624 2.680%
ソニー生命 156 14326 14482 1.077%
SOMPOひまわり生命 128 4437 4565 2.804%
第一生命 3320 115424 118744 2.796%
第一フロンティア生命 9 10040 10049 0.090%
大樹生命 277 16015 16292 1.700%
大同生命 158 4766 4924 3.209%
太陽生命 325 11815 12140 2.677%
チューリッヒ生命 3 200 203 1.478%
T&Dフィナンシャル生命 2 4543 4545 0.044%
東京海上日動あんしん生命 234 4316 4550 5.143%
なないろ生命 0 0 0
ニッセイ・ウェルス生命 14 1733 1747 0.801%
日本生命 1523 72642 74165 2.054%
ネオファースト生命 9 174 183 4.918%
はなさく生命 23 236 259 8.880%
富国生命 235 6185 6420 3.660%
フコクしんらい生命 12 1326 1338 0.897%
プルデンシャル生命 126 3425 3551 3.548%
PGF生命 19 4215 4234 0.449%
マニュライフ生命 77 2680 2757 2.793%
三井住友海上あいおい生命 61 3518 3579 1.704%
三井住友海上プライマリー生命 16 9738 9754 0.164%
みどり生命 0 3791 3791 0.000%
明治安田生命 1907 60823 62730 3.040%
メットライフ生命 372 40894 41266 0.901%
メディケア生命 24 555 579 4.145%
ライフネット生命 18 172 190 9.474%
楽天生命 7 481 488 1.434%

ネットから申し込みができる定期保険を発売している生命保険会社は、不払い率が高くなる傾向にあるのかなという印象です。

不払い理由のなかでは告知義務違反解除の割合が高いので、契約時に誰にも相談できず自分の判断だけで告知してしまい、保険金支払い事由が発生した後に厳しく審査されて告知に誤りが見つかることが多いのでしょう。手軽さで言えばネットでの申し込みが楽ではありますが、対面でしっかり説明を聞いて、専門家の支援を受けながら正確に告知するというのが保険金不払いを防ぐ上では大切です。

ちなみに、かんぽ生命の保険金支払いが100万件弱と突出していますが、これは養老保険等の満期保険金(生存保険金)が含まれているからでしょう。100万人弱の方が亡くなっているわけではありません。

給付金(医療保険・がん保険等)の不払い率

次に保障を受け取っても契約が続く給付金(医療保険・がん保険等)の不払い率を表にします。

こちらの不払い率平均は1.446%です。ひとつの目安に。

不払い件数 支払い件数 総件数 不払い率
アクサ生命保険株式会社 21449 501208 522657 4.104%
アクサダイレクト生命保険株式会社 487 13985 14472 3.365%
朝日生命保険相互会社 8319 446376 454695 1.830%
アフラック 13742 1604933 1618675 0.849%
イオン・アリアンツ生命 不明 不明 不明 不明
SBI生命 339 5126 5465 6.203%
エヌエヌ生命 93 2523 2616 3.555%
FWD生命 1395 66441 67836 2.056%
オリックス生命 5371 498593 503964 1.066%
カーディフ生命 130 1124 1254 10.367%
かんぽ生命 13159 861848 875007 1.504%
クレディ・アグリコル生命 69 2334 2403 2.871%
ジブラルタ生命 71 1050 1121 6.334%
住友生命 28584 2394958 2423542 1.179%
ソニー生命 10489 727869 738358 1.421%
SOMPOひまわり生命 8729 388744 397473 2.196%
第一生命 23362 2388693 2412055 0.969%
第一フロンティア生命 14 2162 2176 0.643%
大樹生命 5085 319043 324128 1.569%
大同生命 4090 63843 67933 6.021%
太陽生命 4644 367158 371802 1.249%
チューリッヒ生命 413 73496 73909 0.559%
T&Dフィナンシャル生命 160 5931 6091 2.627%
東京海上日動あんしん生命 6044 289857 295901 2.043%
なないろ生命 263 21759 22022 1.194%
ニッセイ・ウェルス生命 198 10691 10889 1.818%
日本生命 23206 1515127 1538333 1.509%
ネオファースト生命 1417 117278 118695 1.194%
はなさく生命 2573 89784 92357 2.786%
富国生命 4248 279421 283669 1.498%
フコクしんらい生命 142 4657 4799 2.959%
プルデンシャル生命 1027 150259 151286 0.679%
PGF生命 71 1050 1121 6.334%
マニュライフ生命 4679 161045 165724 2.823%
三井住友海上あいおい生命 4128 263746 267874 1.541%
三井住友海上プライマリー生命 3 7 10 30.000%
みどり生命 10 1603 1613 0.620%
明治安田生命 9651 905674 915325 1.054%
メットライフ生命 35682 1903490 1939172 1.840%
メディケア生命 4154 461193 465347 0.893%
ライフネット生命 610 17137 17747 3.437%
楽天生命 1321 81867 83188 1.588%

こちらもネットから申し込みできる生命保険会社は不払い率が高めの傾向にあるかなと。告知義務違反解除の割合が高いのは上述した保険金と同じ。また、支払事由非該当の割合も高めです。ご契約のしおり(約款)を誰からも説明されずに契約したために、いざというときに

「思ってたのと違う!」

となることが多いのでしょう。

医療保険・がん保険も対面でしっかり説明を聞いて保険金が支払われないケースをちゃんと確認し、専門家の支援を受けながら正確に告知するというのが保険金不払いを防ぐ上では大切です。

保険金・給付金の合計

最後に、保険金と給付金を合計した不払い率を表にまとめます。

不払い率平均は1.547%です。ひとつの目安に。

不払い件数 支払い件数 総件数 不払い率
アクサ生命保険株式会社 21684 509839 531523 4.080%
アクサダイレクト生命保険株式会社 493 14028 14521 3.395%
朝日生命保険相互会社 8492 465810 474302 1.790%
アフラック 13912 1644082 1657994 0.839%
イオン・アリアンツ生命 13 252 265 4.906%
SBI生命 372 5499 5871 6.336%
エヌエヌ生命 128 3192 3320 3.855%
FWD生命 1467 67140 68607 2.138%
オリックス生命 5517 504511 510028 1.082%
カーディフ生命 184 1653 1837 10.016%
かんぽ生命 42192 1828443 1870635 2.255%
クレディ・アグリコル生命 127 2832 2959 4.292%
ジブラルタ生命 90 5265 5355 1.681%
住友生命 31709 2508457 2540166 1.248%
ソニー生命 10645 742195 752840 1.414%
SOMPOひまわり生命 8857 393181 402038 2.203%
第一生命 26682 2504117 2530799 1.054%
第一フロンティア生命 23 12202 12225 0.188%
大樹生命 5362 335058 340420 1.575%
大同生命 4248 68609 72857 5.831%
太陽生命 4969 378973 383942 1.294%
チューリッヒ生命 416 73696 74112 0.561%
T&Dフィナンシャル生命 162 10474 10636 1.523%
東京海上日動あんしん生命 6278 294173 300451 2.090%
なないろ生命 263 21759 22022 1.194%
ニッセイ・ウェルス生命 212 12424 12636 1.678%
日本生命 24729 1587769 1612498 1.534%
ネオファースト生命 1426 117452 118878 1.200%
はなさく生命 2596 90020 92616 2.803%
富国生命 4483 285606 290089 1.545%
フコクしんらい生命 154 5983 6137 2.509%
プルデンシャル生命 1153 153684 154837 0.745%
PGF生命 90 5265 5355 1.681%
マニュライフ生命 4756 163725 168481 2.823%
三井住友海上あいおい生命 4189 267264 271453 1.543%
三井住友海上プライマリー生命 19 9745 9764 0.195%
みどり生命 10 5394 5404 0.185%
明治安田生命 11558 966497 978055 1.182%
メットライフ生命 36054 1944384 1980438 1.821%
メディケア生命 4178 461748 465926 0.897%
ライフネット生命 628 17309 17937 3.501%
楽天生命 1328 82348 83676 1.587%

比較的保険料の安い保険を開発していて、それでいて不払い率も低いオリックス生命・チューリッヒ生命・なないろ生命・ネオファースト生命・メディケア生命あたりは優秀だなと感じます。

特に、なないろ生命・ネオファースト生命・メディケア生命は苦情率も安定して低いので、なかなか安心して契約できる生命保険会社かなと。

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