持病がある方や、過去に大病を経験した方でも加入できる緩和型医療保険のメディケア生命「メディフィットRe(リリーフ)」。
加入できる条件は以下のとおり。下記3点が全て「いいえ」であれば加入できます。
①最近3か月以内に、「医師に入院・手術・先進医療をすすめられたこと」がありますか。
②過去5年以内に、がん・肝硬変・統合失調症・認知症で、「医師の診察(検査・治療・投薬を含む)をうけたこと」がありますか。
③過去2年以内に、「入院をしたこと」または「手術をうけたこと」がありますか。
条件は平均的です。他社の緩和型医療保険と比較しても悪くはありません。
このあと書いていきますが、必要最低限の保障は揃ってますし、保険料は業界最安値クラスにはとどかないものの、高くはありません。全体の2位グループといったところです。
親会社が大手の住友生命というところも安心感があります。
健康に問題のない方であれば、医療保険を見直して他社に乗り換えるといったことも比較的かんたんにできますが、持病がある方だと他社への乗り換えが難しくなることも多々あります(不幸にも持病が悪化してしまったときとか)。
なので、緩和型医療保険は一生涯のおつきあいになること多く、生命保険会社の安定感はけっこう大切です。メディケア生命のバックに大手の住友生命がいる点はメリットでしょう。
まあ全般的には至って普通の緩和型医療保険です。
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メディケア生命「メディフィットRe」の保障内容を評価します。
保障内容はシンプルです。
主契約で入院・手術・放射線治療を保障し、オプションで先進医療の保障有無を選ぶことができます。
【主契約】入院給付金・手術給付金・放射線治療給付金・骨髄移植給付金
主契約で入院・手術・放射線治療・骨髄移植が保障されます。
まずは入院から。
名称 | 給付額 | 給付条件 |
入院給付金 | 入院1日につき3,000円~10,000円から選択可能。 ※1,000円単位で選択可能。 |
入院1日につき給付 |
入院保障はオーソドックスに「入院給付金×入院日数」が保障されるのですが、入院1回に対する入院日数の保障上限を60日間・120日間から選べます。
ちなみにですが、入院日数の平均は以下のとおり。
全体平均:32.3日
35歳~64歳の平均:24.4日
(参考:生命保険文化センター)
上記のリンク先を参照頂けるとわかるのですが、入院日数は意外と短いです。脳血管疾患は長引くこともありますが、がんとか心疾患は意外と入院期間は短め。
これだけ見ると
「保障上限60日で十分じゃん!」
と思ってしまいますが、あくまでこれは平均。持病がある方だとか、過去に3大疾病を経験(今回が再発)した方は入院が長引きがちです。
ということで、メディケア生命「メディフィットRe」は3大入院無制限タイプを選択すれば、
- 3大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)の入院が無制限保障
- 7大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患・糖尿病・高血圧性疾患・腎疾患・肝疾患)の給付限度日数が60日加算
といったように入院保障が延長されます。
3大入院無制限タイプを選択したとしても、月々の保険料は数百円程度上がるだけ。医療保険の役割が万が一の壊滅的な状況を救うことにあると考えれば、3大入院無制限タイプを選択した方が良いでしょう。
「どれだけ入院が長引いても、お金のことはなんとかなる」
という安心感は重要です。
続いて手術・放射線治療・骨髄移植。
こちらは「Ⅰ型」「Ⅱ型」「なし」の3タイプから選択できます。
タイプ | 給付額 |
Ⅰ型 | 入院中:入院給付金の10倍 外来:入院給付金の5倍 放射線治療:入院給付金の10倍 骨髄移植術:入院給付金の10倍 |
Ⅱ型 | 入院中:手術の種類に応じて入院給付金の10倍or20倍or40倍 外来:入院給付金の5倍 放射線治療:入院給付金の10倍 骨髄移植術:入院給付金の10倍 |
なし | 保障なし |
Ⅱ型は手術の種類によって保障額が変わります。例えば、開腹・開頭・開胸といったきつい手術は入院給付金の40倍を保障。Ⅰ型は手術の種類に関わらず定額保障です。
もちろん保険料が高いのは保障が厚いⅡ型。余裕があればⅡ型ですが、高額療養費制度を利用すれば月の医療費上限はある程度決まるので、定額保障のⅠ型でも十分かなとは思います。
【重要です】限定告知型先進医療特約
特約名 | 給付額 | 給付条件 |
限定告知型先進医療特約 | ・保障期間通算で2,000万円までの技術料。 ・1回につき一時金5万円給付。 |
先進医療を受けた場合。 |
先進医療とは、厚生労働省が指定した公的医療保険の対象にするかを評価する段階にある治療・手術を指します。健康保険が適用されないので技術料は全額自己負担(入院費や診察費等は健康保険が適用されて3割負担)。なので、先進医療を受けると高額な医療費を請求されることもありますが、その医療費実費を2,000万円上限で保障してくれる特約です。
例えば、先進医療のひとつである重粒子線治療は放射線治療の一種。がん細胞に対する効果が通常の放射線治療の2~3倍ほど高く、治療期間も短くすることができると言われています。
重粒子線治療はその効果が認められ、保険適用となる疾患が順次拡大されています。2016年には小児がん、2018年には前立腺がんと頭頚部がん、そして2022年4月には肝細胞がん(長径4㎝以上)・肝内胆管がん・膵がん・大腸がんの骨盤内再発・子宮がんに保険が適用されるようになりました。
しかし、それ以外のがん治療に用いる場合はまだ先進医療扱い。治療費は約300万円かかるのですが、この300万円を保障するのが先進医療特約です。
先進医療には重粒子線治療以外にも様々な治療があります。先進医療特約を付加しておけば、保険適用を待つこともなく(お金を気にせず)治療を受けることができます。保険適用を待ってる間に手遅れになってしまった!なんていう最悪の事態を避けられます。
また、一時金5万円は交通費・宿泊費が用途となるお金です。先進医療を受けられる病院は限られているため、遠方に移動することもあります(上述した重粒子線治療を受けられる病院は2023年10月時点で全国7ヶ所のみ)。一時金がない医療保険もあるので、この点はメリットでしょう。
一方で、残念なのが契約してから1年間は保障額が半額となる点。契約から1年以内に先進医療を受けた場合、例えば治療費に300万円かかったとしても、保障額は150万円で、一時金は2.5万円です。
古い緩和型医療保険は契約から1年間は半額保障といった制限がよくありましたが、最近は撤廃されつつあります。この点はデメリットでしょう。
【重要ではありません】限定告知型入院一時給付特約
特約名 | 給付額 | 給付条件 |
限定告知型入院一時給付特約 | 1万円から20万円の範囲内で選択可能(1万円単位)。 | 入院したとき。 |
入院すれば必ず一時金が給付される特約です(日帰り入院でも保障対象)。手持ちの現金がやや少なめ…といった方に役立つ特約です。
例えば、2泊3日の入院だと
・基本保障だけだと3日分の入院給付金しかもらえない。入院給付金日額5,000円だと。15,000円。これだけだと、赤字入院になる可能性あり…。
・入院一時給付特約をつけておくと追加で一時金が給付される。例えば入院一時給付特約5万円で契約しておけば、2泊3日の入院で入院給付金と合わせて65,000円。これだと割と豪華な入院ができそう。
といった感じですね。短期の入院でも、日用品や交通費がそれなりにかかります。入院で赤字になりたくない方や、手持ちの現金が少なくて医療費破産の可能性がある方にとっては有効な特約です。そうでないなら不要でしょう。
ちなみにですが、40歳男性が限定告知型入院一時給付特約を保障額5万円で付加すると、月々の保険料が1,080円上がります。4年間払い続けたときの保険料総額が51,840円なので、4年間に1回入院すれば元が取れるといった計算。他社の緩和型医療保険と比較すれば、保険料は安く収まってます。
【重要ではありません】限定告知型終身保険特約
特約名 | 給付額 | 給付条件 |
限定告知型終身保険特約 | 30万円~150万円の範囲で選択可能。 ※10万円単位 |
亡くなった時 |
亡くなった場合に備える特約です。
選択できる保障額は最大150万円と大きくありません。遺族の生活費というよりも、亡くなった場合のお葬式代・お墓代に備えるのが本特約の目的でしょう。
保障は一生涯続くのですが、終身払を選んだ場合は保険料も生きている限り払い続けます。例えば、40歳男性が保障額100万円で本特約を付加すると、月々の保険料は2,450円上がります。
2,450円×409ヶ月(34年1ヶ月)=1,002,050円
なので、34年1ヶ月以上生きてしまうと、支払った保険料総額が死亡保険金100万円を超えてしまい、契約者が損をするという計算です。そして長生きすればするほど損失は膨らみます。
これでも他社と比較して悪くはありませんが、持病と上手におつきあいができていて、
「もしかしたら、思ったより(75歳くらいまで)長生きしちゃうかも…」
という方なら、自分で貯めるということも検討した方が良いかと。
「そんなに長生きできそうにないなあ…」
という方であれば、本特約を付加してもよいでしょう(難しい判断だと思います…)。
ちなみに、保険料を支払う期間を「60歳まで」とした場合、40歳男性が保障額100万円で本特約を付加すると、月々の保険料は4,560円上がります。60歳までに支払う保険料総額は1,094,400円なので、最大でも損失は94,400円。そして
4,560円×219ヶ月(18年4ヶ月)=998,640円
なので、18年4ヶ月以内に亡くなれば、支払った保険料総額は100万円以内に収まるのでお得という計算。緩和型の死亡保障としては良心的な設計です。
本特約はお葬式代・お墓代が目的ですが、子どもが独立するまでの親の死亡保障であれば、合理的なのは収入保障保険です。持病のある方や大病を経験した方でも加入できる定期保険・収入保障保険・終身保険は下記リンク先で比較しているので、ご参考までに。
【緩和型】定期保険・収入保障保険・終身保険の告知事項と保険料比較
メディケア生命「メディフィットRe」のメリット
微妙な言い回しですが、保険料は比較的安いです。
40歳と50歳を例に他社の緩和型医療保険と比較してみます。比較対象は緩和型医療保険のなかでも知名度の高いオリックス生命「キュア・サポート・プラス」、及び最安値クラスのFWD生命「FWD医療引受緩和」とします。
メディケア生命 | オリックス生命 | FWD生命 | |
保障内容 | 入院1日5,000円 手術入院5万円外来2.5万円 3大入院無制限タイプ 先進医療特約あり |
入院1日5,000円 手術入院5万円外来2.5万円 七大生活習慣病入院給付特則 (三大疾病無制限型) 先進医療特約あり |
入院1日5,000円 手術入院5万円外来2.5万円 特定3大疾病入院無制限特則 先進医療特約あり |
40歳男性 | 3,540円 | 3,575円 | 2,939円 |
40歳女性 | 3,435円 | 3,225円 | 2,689円 |
50歳男性 | 4,520円 | 4,425円 | 3,820円 |
50歳女性 | 4,215円 | 3,920円 | 3,364円 |
最安値はFWD生命です。FWD生命は全ての年代において、他社より飛び抜けて安い感があります。
メディケア生命はオリックス生命と競い合ってる感じですね。女性はオリックス生命の方が安くなることが多いかと。
緩和型医療保険は下記で比較してますので、こちらもご参考に。メディケア生命はFWD生命に次ぐ2位グループといったところです。
メディケア生命「メディフィットRe」のデメリット
先進医療特約が契約から1年間は半額保障。
先述のとおり、先進医療特約の保障額は契約から1年は半額となってしまいます。むかしは多かった半額制限ですが、最近発売された緩和型医療保険ではほぼ撤廃されてます。この点はデメリットでしょう。
オプションが寂しい。
オプションの種類が他社と比較してシンプルです。上表で比較したFWD生命には、
- がん・心疾患・脳血管疾患で所定の条件を満たした場合に、一時金が給付されるオプション。
- がん・心疾患・脳血管疾患で所定の条件を満たした場合に、以降の保険料支払いが免除されるオプション。
- 抗がん剤治療を受けた月に定額給付されるオプション。
- 女性特有の疾病(子宮や卵巣の疾病や、妊娠・出産にかかわる症状)の入院・手術を手厚く保障するオプション。
がありますが、メディケア生命にはそんなものありません。必要最低限の保障は揃ってますが、選べるオプションはちょっと寂しい。
特に、抗がん剤治療特約は地獄の抗がん剤ドロ沼にもある程度耐えられる優先度高めのオプションです。また、女性には乳房切除や乳房再建の手術を特別に保障するオプションの人気が高め。ここらへんはあっても良かったかなあと感じます。
入院1回のカウント方法に注意。
デメリットというよりも注意点です。入院給付金の入院1回のカウント方法は、最近増えてきている
「180日以内の再入院は同一の原因であるかを問わず1回の入院とみなす」
方式です。
一般的な医療保険は異なる原因で180日以内に再入院した場合を、別々の入院として扱います。例えば、
1回目の入院:肺炎で20日入院した。
2回目の入院:1回目の入院を退院してから30日後に大腸がんで60日入院した。
といった場合、1回目と2回目の原因が異なるので別々の入院として扱います。入院1回の保障限度日数を60日で契約していれば、
1回目の入院:20日分の入院給付金をお支払い
2回目の入院:60日分の入院給付金をお支払い
なので、合計80日分の入院給付金を受け取れます。
一方で、メディケア生命は異なる原因でも180日以内の再入院は同じ入院とカウントします。↑と同じケースで入院1回の保障限度日数を60日で契約していれば、
1回目の入院:20日分の入院給付金をお支払い
2回目の入院:1回目に20日支払っているので、未消化の40日分の入院給付金をお支払い
ということで、合計60日分の入院給付金しか支払われません。
異なる原因で連続して入院することは稀だと思いますが、全くない話ではないです。この点はやや注意です。
メディケア生命「メディフィットRe」の評価
評価:B(S、A~Cで判定)
最低限必要な保障は揃ってますし、他社の緩和型医療保険と比較しても保険料は高くありません。バックに大手の住友生命がいる安定感もメリットでしょう。
ただし、ちょっとパンチに欠けるかなと。
保険料は最安値クラスではありませんし、選べるオプションも多くはありません。緩和型医療保険を検討されている多くの方にとって候補となるのは間違いありませんが、メディケア生命にしかない何かがあるわけでもなく、率直言うと普通です。
よって評価は「B」としました。
比較対象として以下を挙げておきます。
●FWD生命「FWD医療引受緩和」
保障内容も保険料も他社の一歩先を進んでます。気になるのは外資系でコロコロと社名が変わる点。持病のある方や、大きな病気を経験された方だと、医療保険の乗り換えは難しく、この点はちょっと不安に思うかも(僕はあまり気にしてませんが…)。
●はなさく生命「かんたん告知はなさく医療」
FWD生命に次ぐ2位グループのなかでも上位の緩和型医療保険。保障内容にも大きな欠点は見当たりません。
●オリックス生命「キュア・サポート・プラス」
全般的に並みの保障内容と保険料です。
●メディケア生命「メディフィットRe(リリーフ)」
こちらも全般的に並みの保障内容と保険料です。
●ネオファースト生命「ネオdeいりょう健康プロモート」
契約から5年間、5日以上の入院をしなければ保険料が割引されて激安になります。入院しない自信がある方は、候補に入ります。
緩和型医療保険は下記で比較してますので、こちらもご参考に。
上記の比較記事にも書いてますが、緩和型医療保険の加入条件(告知事項)を満たせなかった場合は、超緩和型のなないろ生命「なないろメディカルスーパーワイド」が最後の希望です。
メディケア生命「メディフィットRe」の相談をするなら。
メディケア生命「メディフィットRe」は全国の保険ショップで取り扱ってます。ご近所の保険ショップでも取り扱っているはず。
しかし、いざ保険ショップに行ってみて、
「あー、すいません、うち、メディケア生命やってないんですよ」
なんて言われたら立ち直れないですよね。そんなことにならないためにも、事前に最寄の保険ショップがメディケア生命を取り扱っているか確認しておきましょう。
手堅いのは保険クリニックです。保険クリニックなら、メディケア生命はもちろんのこと、比較記事で取り上げた全ての保険会社と提携しています。比較もかんたんにやってくれますよ。
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わかりやすく実績を確認できるのが第三者機関による顧客満足度調査。オリコン社が実施した保険ショップの顧客満足度調査にて2021年から2023年までの3年連続No.1、2023年10月に実施した株式会社DRCによるインターネット調査にて総合1位を獲得しています。
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1点目は保険を契約する際に生命保険会社へ知らせた告知事項(過去の病歴とか現在の健康状況とか職業等)に誤りがあったケースで、これは保険ショップのスタッフが契約時にしっかり説明すれば回避できます。保険クリニックでしっかり説明を受けて契約すれば、まず該当することはないかと。
また、2点目はそもそも保険会社に保険金を支払う責任がないケースですが、医療保険やがん保険には責任分界点が微妙なグレーゾーンが存在します。微妙なグレーゾーンでキーになるのが医師が書く診断書。診断書の表現ひとつで保障されないこともあります。
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しかも、無料で相談したからといって、提案された保険に必ず入らなければならないということはありません。提案内容に納得できなければ、
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生命保険の相談は気軽な気持ちで。過度に重く考える必要はありません!
まとめ
公式サイト:メディケア生命「メディフィットRe」
保険料は比較的安く収まります。入院・手術・先進医療といった必要最低限な保障は揃ってますし、多くの方にとって候補となる緩和型医療保険でしょう。FWD生命・オリックス生命・ネオファースト生命・はなさく生命あたりと比較して、良さそうなやつに決めるのが良いかと感じます。
一方で、加入条件(告知事項)を満たせなかった方は、なないろ生命「なないろメディカルスーパーワイド」が最後の希望です。なないろ生命は加入条件がさらに緩い超緩和型医療保険。最後の希望です。
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※2022年8月更新