就業不能保険といえばアクサダイレクト生命「働けないときの安心」みたいな風潮が長らく続いていましたが、そこに風穴を開けたのがこちらのSBI生命「働く人のたより」です。
メンタル疾患が保障対象になっており、それでいて保険料はかなり安め。後発組だけあってアクサダイレクト生命「働けないときの安心」を意識して商品開発されていて、
アクサダイレクト生命「働けないときの安心」と同じような保障内容(ただし障害等級は条件に含まれない)だけど、ちょっとだけ安い
といった就業不能保険になってます。就業不能保険を検討されている方は、両社の比較は絶対に外せないです。SBI生命「働く人のたより」は保険ショップでも相談可能。間違いなく検討する価値のある就業不能保険です。
就業不能保険の選び方のポイントは↓のリンク先に書いています。
リンク先の内容を要約すると、選び方で大切なのは以下の3点です。
まずはざっと概要を書いておきます。上の3点について、SBI生命「働く人のたより」の概要と評価は以下のとおりです。
30歳の月額保険料 (保険金額毎月10万円、保障期間60歳まで) |
男性:1,850円 女性:1,770円 |
評価S |
40歳の月額保険料 (保険金額毎月10万円、保障期間60歳まで) |
男性:2,270円 女性:1,980円 |
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働けないと認定される条件 | 【全疾病型】 ■精神疾患以外 ①治療を目的とした入院 ②医師の指示による在宅療養 ■精神疾患 ①治療を目的とした入院 ②入院を経て退院した後の医師の指示による在宅療養。 【3疾病型】 ①がん・急性心筋梗塞・脳卒中の治療を目的とした入院 ②がん・急性心筋梗塞・脳卒中を原因とした医師の指示による在宅療養 【がん保障型】 ①がんの治療を目的とした入院 ②がんを原因とした医師の指示による在宅療養 |
評価A |
メンタル疾患の保障 | あり | 評価A |
全疾病型はメンタル疾患が保障対象となっています。幅広く働けないリスクに対応できる割に、保険料は安めなので、働く世代に対しては現時点かなりコスパの良い就業不能保険です。
ただし、3疾病型とがん保障型は保障範囲を絞り込み過ぎな感があります。なんといってもケガは保障対象外。ちょっと不安が残ります。保障範囲が絞り込まれているので、保険料も激安ではありますが、スポーツをされるような方だと選ぶのには勇気がいるかもしれません…。
就業不能保険は下記のリンク先で比較をしています。こちらもご参考に。
就業不能保険の相談は保険ショップで。保険ショップの予約は↓をクリック!
SBI生命「働く人のたより」の基本情報
まずは基本情報を一覧にしました。他の就業不能保険と比較する際の手掛かりにどうぞ。
保険の種類 | 【就業不能保険】 ・働けなくなるリスクに備える保険です。 ・貯蓄性はありません。支払った保険料は掛け捨てです。 ・保険料が値上がりすることはありません。 |
選択できる保険金額 (働けないときに受け取れる金額) |
毎月5万円~50万円 ※5万円単位で選択可能。 |
保険料を支払う期間 | 55歳まで、60歳まで、65歳まで、70歳までの4つから選択可能。 |
保険料を支払う回数 | 月払 |
保険料を支払う方法 | ・口座振替 ・クレジットカード払 |
保障される期間 | 保険料を支払っている期間のみ |
加入方法 | ネット・保険ショップ |
健康相談サービス | メンタル相談サービスを無料で利用可能。 |
【SBI生命「働く人のたより」】働けないと認定される条件について。
死亡保障は亡くなったら保険金が支払われます。わかりやすいですよね。それに対し、就業不能保険は「働けない」と認定される条件が各社でマチマチなんです。
就業不能保険で何よりも重要な「働けないと認定される条件」について最初に書いておきます。ちなみに、SBI生命「働く人のたより」は保障が
- 全疾病型
- 3疾病型
- がん保障型
の3タイプに分かれてます。3タイプそれぞれ見ていきます。
全疾病型
分類 | 働けないと認定される条件 |
精神疾患以外 | 以下のいずれかを満たす場合。 ①治療を目的とした入院 ②医師の指示による在宅療養 |
精神疾患 | 以下のいずれかを満たす場合。 ①治療を目的とした入院 ②入院を経て退院した後の医師の指示による在宅療養。 |
まずは精神疾患以外の条件から。気になる点は障がい等級が条件になっていない点です。
ライバルとなるアクサダイレクト生命「働けないときの安心」と比較してみるとわかりやすいんですけど、アクサダイレクト生命の条件は以下のとおり。
①治療を目的とした入院
②医師の指示による在宅療養
③障がい等級2級以上
障がい等級2級以上が条件になってます。じゃあこの障害等級2等級は何かというと、
「身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、 日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの。」
なんですね。SBI生命「働く人のたより」は障がい等級2級に認定されたとしても、医師からの在宅療養指示がなければ保障対象になりません。治療が終われば保障も終わり。後遺障害があったとしても終わりです。障がい等級2級レベルであれば、職場復帰できたとしても収入が元のようには戻らないケースもあり得ますよね。そう考えると、SBI生命「働く人のたより」が障がい等級を条件に含めていない点はデメリットと言っていいでしょう。
続いて、精神疾患。こちらは一長一短あります。ここでもアクサダイレクト生命「働けないときの安心」と比較してみるとわかりやすいです。アクサダイレクト生命の精神疾患の条件は下記のとおり。
①治療を目的とした入院
②障がい等級2級以上
入院が条件となっているのは同じですが、SBI生命は退院後の在宅療養が保障対象となっているのに対し、アクサダイレクト生命は退院したらスパッと保障対象外です(障がい等級に認定されれば継続して保障されます)。
逆に、SBI生命は障がい等級が条件に含まれてません。
じゃあどちらがいいかということですけど、職場でうつ病で休職された方を思い出してみてください。障がい等級認定されるほどハードな状態になる方が同じ職場にいたのかを。
そもそもメンタル疾患で入院するほどひどい状態になる方も少ないと思いますが、大半は障がい等級に認定されることもなく自宅でゆっくり療養してから復帰されるのでは。そう考えると、SBI生命の方が会社員の実情に近い保障内容になってますよね。
まとめると、
- 精神疾患以外は障がい等級が条件に含まれているアクサダイレクト生命が良さげ。
- 精神疾患は在宅療養が含まれているSBI生命が良さげ。
でしょうか。どちらの就業不能保険を選ぶかは、どちらの保障を優先するかによります。
3疾病型
分類 | 働けないと認定される条件 |
就業不能保障 | ①がん・急性心筋梗塞・脳卒中の治療を目的とした入院 ②がん・急性心筋梗塞・脳卒中を原因とした医師の指示による在宅療養 |
保障対象をバッサリと3疾病に限定しています。もちろんケガは保障対象外。趣味のスポーツやアウトドアでケガして入院となっても保障されません。
気になる点は以下の2点です。
- 保障対象が範囲の狭い急性心筋梗塞・脳卒中に限定されている。幅広い心疾患・脳血管疾患ではない。
- 軽い労働ができる状態だと在宅療養とは見なされない。
急性心筋梗塞は心疾患の3%というデータもあります。保障範囲が幅広い心疾患・脳血管疾患ではなく、急性心筋梗塞・脳卒中に限定されるという点は気になります。
また、軽い労働(検品や梱包、座りながらの事務等)ができると見なされれば、職場復帰していなくても「働けるよね」ということになり、保険金の支給はストップになります。この「軽い労働」条件は就業不能保険にはよくあるんですけど、曖昧で後々モメる可能性が残ります。
しかし、保障対象をバッサリ限定している代わりに保険料はかなり安くなってます。30歳・40歳の方が保険金額10万円/月、60歳まで保障(ハーフタイプ)される場合の保険料は下記のとおりです。
30歳男性:970円/月
30歳女性:920円/月
40歳男性:1,100円/月
40歳女性:1,010円/月
あり得ない安さです。この点は魅力でしょう。
がん保障型
分類 | 働けないと認定される条件 |
就業不能保障 | ①がんの治療を目的とした入院 ②がんを原因とした医師の指示による在宅療養 |
さらに保障対象を狭くして、がんだけに限定したのが「がん保障型」です。上皮内がんという初期のがん(サッと切り取ってしまえば完治される可能性が高い)も保障対象に含まれています。この点は安心ですね。
そして、保障対象をがんに絞っている分、保険料はかなり安くなってます。30歳・40歳の方が保険金額10万円/月、60歳まで保障(ハーフタイプ)される場合の保険料は下記のとおりです。
30歳男性:850円/月
30歳女性:840円/月
40歳男性:960円/月
40歳女性:920円/月
こちらもあり得ない安さ。
しかし、最近だとがんの入院期間が短くなっていて、その代わりに長くなっているのが自宅から通院で治療するケースです。がんの進行を抑えるためのヘビーな抗がん剤を打ちながらとなれば働くことは困難ですが、周囲にがんと闘病しながら働き続けている方もいらっしゃるのでは。働き続けてしまうと、就業不能保険からは1円も支給されません。
なので、SBI生命「働く人のたより」のがん保障型を検討されているのなら、朝日生命「スマイルセブンSuper」も選択肢に入れてみて下さい。こちらはがんを含む7大疾病と診断されれば、働くことができても即座に大きな額(100万円等)の一時金が支給されます。一時金は治療費にも使えますし、生活費の補填にも使えます。保険料はSBI生命「働く人のたより」よりも保険料は高めですが、比較する価値は十分あります。
SBI生命「働く人のたより」のメリット
SBI生命「働く人のたより」はハーフタイプを選べば保険料が割安に。
会社員の方にはハーフタイプがおすすめです。
健康保険に加入されている会社員の方は、働けなくなっても即座に収入が途絶えることはありません。傷病手当金が支給されます。
傷病手当金は概ね月給の2/3を1年6ヶ月間受け取れます。傷病手当金が支給される1年6ヶ月の間に受け取れる就業不能保険の保険金を半額に抑えることで、毎月支払う保険料を安くすることができます。
保険料がどれくらい安くなるかは下の表のとおりです。
ハーフタイプ | 満額タイプ | |
男性 | 1,650円 | 2,270円 |
女性 | 1,510円 | 1,980円 |
※40歳・保障額毎月10万円・保障期間60歳までで比較。
一方で、傷病手当金が支給されない国民健康保険加入者(自営業やフリーランスの方)はハーフタイプを選ぶ際には慎重になってください。1年6ヶ月の間、無収入でも生きていける蓄えが無い限りは、満額タイプがよいでしょう。
(満額タイプは免責期間が過ぎれば即保険金満額を受け取れます)
ちなみに、ハーフタイプは他社の就業不能保険でも取り入れてることが多いです。ライバルのアクサダイレクト生命「働けないときの安心」にもあります。
SBI生命「働く人のたより」はメンタル疾患が保障対象になっている。
これは先ほど書きましたね。SBI生命「働く人のたより」が他社のメンタル疾患保障と違うのは、退院後の在宅療養まで保障対象となっている点です。一般的な就業不能保険はメンタル疾患の保障があったとしても、入院、もしくは障がい等級認定された場合のみ。在宅療養が保障対象となる点はSBI生命「働く人のたより」の大きなメリットです。
ちなみに、うつ病に備えられる保険は下記リンク先にまとめています。こちらもご参考に。
SBI生命「働く人のたより」は主婦(主夫)の方も加入できます。
SBI生命「働く人のたより」は主婦・主夫の方も加入できます。他社は加入に年収制限があり、主婦・主夫だと加入できないことがあるのですが、SBI生命「働く人のたより」は問題ありません(ただし、年収によって保障額の上限が決まります)。
選択できる保障額は15万円までと少額ですが、万が一家事や育児ができない状態になった場合、家事代行や育児代行サービスを依頼する費用にはなりますよね。
SBI生命「働く人のたより」のデメリット
デメリットではありませんが、SBI生命「働く人のたより」を検討されている方は、アクサダイレクト生命「働けないときの安心」との比較は必ずしてほいた方がいいです。冒頭書きましたが、SBI生命「働く人のたより」はアクサダイレクト生命をかなり意識して開発されています。
アクサダイレクト生命「働けないときの安心」に3疾病型・がん保障型はありません。あるのはオールラウンド(全疾病型)のみ。なのでここでは全疾病型の保険料を比較してみます。
SBI生命 | アクサダイレクト生命 | |
30歳男性 | 1,440円/月 | 1,670円/月 |
30歳女性 | 1,400円/月 | 1,380円/月 |
40歳男性 | 1,650円/月 | 2,000円/月 |
40歳女性 | 1,510円/月 | 1,710円/月 |
※保険金額10万円/月、保障期間60歳まで、ハーフタイプで比較。
かなり拮抗していますが、全般的に安いのはSBI生命「働く人のたより」。SBI生命「働く人のたより」は後発組なので、アクサダイレクト生命よりちょっとだけ安くなるケースが多いです。
保障内容は既に比較してますので、ここでは繰り返しませんが、
- 精神疾患以外は障がい等級が条件に含まれているアクサダイレクト生命が良さげ。
- 精神疾患は在宅療養が含まれているSBI生命が良さげ。
です。メンタル弱めな方、プレッシャーがきつい職場にいる方はSBI生命「働く人のたより」、病気やケガで働けなくなることに不安を抱える方はアクサダイレクト生命「働けないときの安心」。そんな選び方がひとつの参考です。
【SBI生命「働く人のたより」の評価】最も重要なのは生命保険の相談を誰にするのかということ。
評価:A(S、A~C)
現時点、就業不能保険のなかではアクサダイレクト生命「働けないときの安心」と並ぶツートップと言ってもいいでしょう。保険料は激安で、メンタル疾患もしっかり保障対象です。
しかし、気になるのは障害等級が条件に含まれない点です。治療が終われば保障も終わり。大きなケガをして後遺障害が残って元のように働けなくなったとしても、保障はされません。この点がアクサダイレクト生命「働けないときの安心」との違いです。よって、アクサダイレクト生命の評価「S」よりも低い「A」としました。
SBI生命「働く人のたより」は数は少ないものの、保険ショップでの相談が可能です。ネットからの申し込みだけではありません。保険ショップでしっかりと説明を聞き、他社の就業不能保険と比較できる点は隠れたメリットです。
SBI生命「働く人のたより」に申し込むなら。
SBI生命「働く人のたより」はネットからでも申し込み可能です。
公式サイト:SBI生命「働く人のたより」
しかし、少数ながらもSBI生命を取り扱っている保険ショップがあります。SBI生命を取り扱っている保険ショップはニアエルというサイトで検索できます。保険ショップの予約もできるので、一度お試しを。繰り返しますが、就業不能保険は「働けないと認定される条件」で後々モメることもあるので、対面で説明を聞いておいた方が安心です。
保険ショップの検索と予約は↓をクリック!
生命保険の相談は無料でできるし、相談したからって生命保険に入る必要はない。
保険ショップにはこんな相談が山ほどきます。ネットで探す人が増えてますが、やっぱり不安なんですよね。ネットで見つけた生命保険の評価を専門家に聞いてみる方は本当に多いです。
ちなみに、ネット専業の生命保険はあまり契約が伸びていません。生命保険は長いつきあいになります。そんな生命保険をネットだけの情報で決めてしまってよいのか、みんな不安なんですよ。
生命保険の相談はもちろん無料です。保険ショップでも、保険見直しラボでも無料で相談できます。
しかも、無料で相談したからといって、生命保険に必ず入らなければならないということはありません。
おすすめされた生命保険に納得できなければ、
「うーん、また今度にします!」
と、お断りしてOKです(お断りする人はかなりいます)。
相談しているときに過度な勧誘もなければ、お断りした後にしつこい電話攻勢というのもありません。最近は過度な勧誘やしつこい電話は法律で禁止されています。そんなことしたら、保険ショップは業務停止になってしまいます。
生命保険の相談は気軽な気持ちで。重く考える必要はありません!
まとめ
公式サイト:SBI生命「働く人のたより」
メンタル疾患が保障対象となっている割に、保険料は激安。幅広い会社員の方にとって、安心して申し込みできる就業不能保険です。
しかし、似たような就業不能保険にアクサダイレクト生命「働けないときの安心」との比較は必須でしょう。後発組だけあって、ちょっとだけSBI生命「働く人のたより」の方が保険料は安くなってますが、保障内容は一長一短。よくよく比較して検討してみることをおすすめします。
とはいえ、就業不能保険の比較なんて面白くもなんとないし難しいし面倒くさいし、比較してると頭痛がしてきます。そんなときは保険ショップにいる専門家を頼りましょう。保険ショップで相談は無料でできますし、すすめられた生命保険に加入しなくても全く問題なし。身構える必要はありません。
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