がんが進行してステージⅢ・Ⅳとなった場合の保障が手厚くなったり、非喫煙者なら保険料が割引されるといった特徴のあるがん保険ですが、全体として見れば他社のがん保険と比較しておいて損はないでしょう。
保障内容には注意点がありますし、保険料も安くはないかなと。
がん保険は大きく3つのタイプに分けることができます。
①入院ベースで保障するがん保険。よくある「入院1日1万円!」といった保障内容のがん保険です。入院日数×入院給付金(5千円とか1万円)を受け取ることができます。
②一時金ベースで保障するがん保険。がんと診断されたらまとまった金額(100万円とか)がドンっと給付されるがん保険です。
③治療ベースで保障するがん保険。手術・抗がん剤・放射線といったがんの治療を受けた月に定額(10万円とか)が給付されるがん保険です。
マニュライフ生命「こだわりガン保険」は「②一時金ベースで保障するがん保険」です。最近のがん治療は入院が短期化しているので、①は時代遅れになりつつあります。現在の主流は②と③。マニュライフ生命「こだわりガン保険」は時代の流れに沿ったがん保険です。
がん保険の選び方のポイントは↓のリンク先に書いています。
リンク先の内容を要約すると、選び方で大切なのは以下の3点です。
まずはざっと概要を書いておきます。上記3点について、マニュライフ生命「こだわりガン保険」の概要と評価は以下のとおりです。
項目 | 内容 | 評価 |
先進医療特約の保障内容 | タイプ:10年更新型 保障額上限:2,000万円 一時金:5万円 |
B |
がん診断一時金の給付条件 | 給付回数:無制限 給付間隔:2年 1回目の給付条件:がんと診断確定 2回目以降の給付条件:がんで入院 |
C |
抗がん剤治療の保障範囲 | 給付回数:60回 健康保険適用範囲内のみ保障対象。 |
B |
30歳の月額保険料 (一時金100万円・非喫煙者割引あり) |
男性:2,507円 女性:2,075円 |
C |
40歳の月額保険料 (一時金100万円・非喫煙者割引あり) |
男性:3,493円 女性:2,608円 |
先進医療特約は10年更新型です。10年ごとに保険料が更新されます(上がることが多いかと)。他社は一生涯保険料が変わらない終身型が標準です。この点はデメリットでしょう。
また、がん診断一時金の給付条件も微妙です。給付間隔が2年に1回で、2回目以降の給付条件が「入院」に限定されています。ステージⅢ・Ⅳのがんと診断された際に別途一時金を給付するというメリットはありますが、その点を考慮してもデメリットが多いかなと。最近のがん保険は「1年に1回、2回目以降は入院でも通院でも治療を受けていれば一時金お支払い!」が標準です。
抗がん剤治療の保障も公的健康保険が適用される範囲内に限定されています。最近のがん保険は全額自己負担となる自由診療の抗がん剤治療も保障することがあります。保障回数が60回限度というのも他社より少なめ。
保険料も決して安いとは言えないでしょう。過去1年間タバコを吸っていない場合は保険料が割引されますが、割引されたとしても他社と比較して「すごい安い!」ということにはなりません。
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マニュライフ生命「こだわりガン保険」の基本情報
まずは基本情報を一覧にしました。他のがん保険と比較する際の手掛かりにどうぞ。
保険の種類 | 【がん保険】 ・がんに備える保険です。 ・貯蓄性はありません。支払った保険料は掛け捨てです。 ・保険料が値上がりすることはありません。 |
主契約 |
■ガン診断給付金 【悪性新生物診断給付金】 がんと診断されたとき、または入院したときに一時金給付。 【悪性新生物診断給付金(重度ステージ診断確定時)】 ステージⅢまたはⅣ(かなり末期)と診断されたとき、または白血病等の特定のがんと診断されたときに一時金給付。 【上皮内新生物診断給付金】 初めて上皮内がんと診断されたとき、一時金給付。 |
■その他の保障 【ガン克服サポート給付金】 ステージⅢまたはⅣと診断、または白血病等の特定のがんと診断されてから5年後に生存していた場合に一時金給付。 |
|
特約(オプション) |
【ガン入院特約】 がんの入院1日あたり定額給付。 【ガン通院特約】 がんの通院1日あたり定額給付。 【ガン手術・放射線治療特約】 がんの手術・放射線治療を受けたときに定額給付。 【抗ガン剤治療特約】 抗がん剤治療を受けた月に定額給付。 【ガン緩和療養特約】 緩和治療を受けた月に定額給付。 【ガン先進医療特約】 健康保険が適用されない先進医療の技術料と交通費・宿泊費の実費給付。 【悪性新生物保険料払込免除特約】 がんと診断されたときに、以降の保険料支払い免除(保障は継続)。 |
保険料を支払う期間 | 10年間、60歳まで、65歳まで、70歳まで、終身(一生涯)から選択可能。 |
保険料を支払う回数 | 月払・半年払・年払から選択可能。 |
保険料を支払う方法 | 口座振替、クレジットカード払から選択可能。 |
保障される期間 | 終身(一生涯) |
加入方法 | 対面 |
マニュライフ生命「こだわりガン保険」の保障内容を評価します。
冒頭のところで先進医療特約・がん一時金・抗がん剤治療保障について書きましたが、その他の特約(オプション)を含め、もう少し詳しく見ていきます。
【主契約】がん診断給付金
名称 | 給付額 | 給付条件 | 給付間隔 |
悪性新生物診断給付金 | 50万円から300万円の範囲で選択可能 | 【1回目】がんと診断された場合。 【2回目以降】がんで入院した場合。 |
2年 (給付回数無制限) |
悪性新生物診断給付金 (重度ステージ診断確定時) |
上記と同額 | ・ステージⅢまたはⅣと診断されたとき。 ・特定ガン(白血病や脳の悪性新生物など)と診断されたとき。 |
1回のみ |
上皮内新生物診断給付金 | 上記の半額 | 【1回目】上皮内がんと診断された場合。 【2回目以降】上皮内がんで入院した場合。 |
2年 (給付回数無制限) |
主契約は一時金です。治療の早い段階で大金(100万円とか)が手に入るので、
「がん保険、入っておいて良かった…」
とわかりやすく実感できます。
保障内容はやや複雑です。がんと診断されたら初回分が給付され、その後は入院を条件に2年に1回の間隔で給付。それとは別に、がんがステージⅢ・Ⅳへ進行した場合や、白血病といった特定がんと診断された場合に一時金が1回だけ給付されます。
以下、ポイントです。
- 【BAD】給付間隔が2年に1回。
- 【BAD】2回目以降の給付は入院が条件。
- 【BAD】上皮内がんだと一時金が減額される。
- 【GOOD】ステージⅢ・Ⅳまたは特定のがんの場合に別途一時金給付あり。
2回目以降の給付条件が他社と比較して厳しいです。
給付間隔は2年に1回。がんなんて2年以内に再発することは珍しくありません。がんが再発して凹んでいるのに、
「前回から2年経過してないので一時金お支払いできませんよ」
と言われたらさらに凹みます。最近のがん保険は1年に1回給付が当たり前になってきているので、この点はデメリットでしょう。
また、2回目以降の給付条件は入院に限定されます。通院治療のみの場合は一時金給付されません。
がんの3大治療は手術・薬物療法(抗がん剤)・放射線治療と言われていますが、手術を除けば通院で受けることが増えてきています。最近のがん保険は入院でも通院でも治療を受けていれば一時金給付されることが多いです。この点もデメリット。
上皮内がんだと一時金が半額となる点も注意です。
上皮内がんとは、がん細胞が血管やリンパ管に到達していない初期のがんを指します。がん細胞は血管やリンパ管で運ばれて転移していくので、上皮内がんの段階でサッと手術で切り取れば再発や転移する可能性は低いと言われてます。
「早めに見つかって良かったですね」
と言われるのが上皮内がん。大腸がんだと2割、子宮頸がんだと半数以上が上皮内がんで発見されたというデータもあり、上皮内がんは珍しくもなんともありません。乳がんは上皮内がんであっても、通常のがんと同程度の治療が必要となることもあります。
他社は上皮内がんも通常のがんと同様に扱うことが多いです(満額給付される)。この点もデメリットです。
一方で、他社には見られない珍しい保障が「悪性新生物診断給付金(重度ステージ診断確定時)」。ステージⅢ・Ⅳにがんが進行した場合や、白血病といった特定のがんと診断された場合に1回だけ一時金が給付されます。
重いがんだと治療が長引いて医療費が膨らむこともありますし、働けなくなって収入減となることもあるでしょう。がんの状態に従って一時金給付する点は他社にはあまり見られないメリットです。
それでも、総合的にみると他社の
「1年に1回間隔で、入院でも通院でも治療が続いていれば一時金お支払い!」
の方がわかりやすく、ステージに関わらず治療が続く限りは短い間隔で一時金給付されるので、長期闘病に備えられると感じます。再発を繰り返すような状況を想定すれば、他社の方が安心感があるかなと。
【主契約】ガン克服サポート給付金
ステージⅢまたはⅣと診断、または白血病等の特定のがんと診断されてから5年後に生存していた場合に、がん診断給付金の半額が給付されます。
給付は1回のみ。思うように働くことができなくなり、収入減となった場合の生活費補填としても大きな意味はありません。お小遣いといったところです。
そもそもがん保険の本質的な役割は、がんの治療費をサポートすることにあります。
「生存してますね!おめでとうございます!お祝いとして現金を差し上げます!」
と、1回きりのお小遣いをあげるのはがん保険の役割ではありません。
ガン克服サポート給付金は加入者が支払う保険料が原資です。ガン克服サポート給付金が主契約に含まれることで、月々の保険料は確実に上がっています。オプションにして、加入者が選択できるようにすれば良かったのにと感じます。
ちなみにですが、ステージⅢ・Ⅳの5年後生存率を国立がん研究センターが公表しています。部位にもよりますが、全体的にはステージⅢだとおよそ44%、ステージⅣだと16%。残念ながら、ガン克服サポート給付金を受け取れる可能性はそんなに高くありません。
【重要です】ガン先進医療特約
給付額 | 給付条件 |
・先進医療の技術料実費(保障期間通算で2,000万円まで保障) ・一時金5万円給付。 |
先進医療を受けた場合。 |
先進医療とは、厚生労働省が指定した公的医療保険の対象にするかを評価する段階にある治療・手術を指します。健康保険が適用されないので技術料は全額自己負担(入院費や診察費等は健康保険が適用されて3割負担)。なので、先進医療を受けると高額な医療費を請求されることもありますが、その技術料実費を2,000万円上限で保障してくれるのが先進医療特約です。
例えば、先進医療のひとつである重粒子線治療は放射線治療の進化版。がん細胞に対する効果が通常の放射線治療の2~3倍ほど高く、治療期間も短くすることができると言われています。
重粒子線治療はその効果が認められ、保険適用となる疾患が順次拡大されています。2016年には小児がん、2018年には前立腺がんと頭頚部がん、そして2022年4月には肝細胞がん(長径4㎝以上)・肝内胆管がん・膵がん・大腸がんの骨盤内再発・子宮がんに保険が適用されるようになりました。
しかし、それ以外のがん治療に用いる場合はまだ先進医療扱い。治療費は約300万円かかるのですが、この300万円を保障するのが先進医療特約です。
先進医療には重粒子線治療以外にも様々な治療があります。先進医療特約を付加しておけば、保険適用を待つこともなく(お金を気にせず)治療を受けることができます。保険適用を待ってる間に手遅れになってしまった!なんていう最悪の事態を避けられます。
以下、ポイントです。
- 【GOOD!】保障期間通算で2,000万円まで保障。
- 【GOOD!】一時金5万円の給付あり。
- 【BAD】終身型ではなく、10年更新型。
ちょっと古いがん保険だと先進医療特約の保障額は500万円上限とか1,000万円上限となることもあります。2,000万円上限は最近の標準です。悪くありません。
また、先進医療を対応できる病院は限られているため、遠方に移動することもあり得ます(上述した重粒子線治療を受けられる病院は2023年10月時点で全国7ヶ所のみ)。交通費や宿泊費をカバーするために一時金5万円を給付してくれるのは助かりますよね(給付されないがん保険もあります)。
注意が必要なのは終身型ではなく、10年更新型という点です。
終身型…一生涯保険料が変わらない。
10年更新型…10年後に保険料が更新される。
他社の先進医療特約は終身型が多く、一生涯保険料は変わらないのですが、マニュライフ生命「こだわりガン保険」の先進医療特約は10年更新型です。10年ごとに保険料が更新されます。
現在はそれほどメジャーではない先進医療ですが、将来的に普及が進んで保険会社の保険金支払いが膨らめば、月々の保険料が上がっていくことも想定されます。10年後の保険料が読み切れない10年更新型である点はデメリットでしょう。一生涯保険料が変わらない終身型の方が安心感はあります。
【重要です】抗ガン剤治療特約
給付額 | 給付条件 | 上皮内がん |
5万円~30万円/月の範囲で選択可能。 | 抗がん剤治療を受けた場合。 (60回まで給付) |
給付対象 |
抗がん剤治療を受けた月に定額が給付される特約です。
抗がん剤治療が必要になるケースは大きく2パターンあります。
- 手術でがんを切除できて、再発予防するための抗がん剤治療。
- 手術でがんを切除できず、進行を遅らせるための抗がん剤治療。
1のケースはあっさりと抗がん剤治療は終了します。働きながら抗がん剤治療を受けることも不可能ではありません。本当に怖いのは2のケースです。
2のケースは、
短期入院or通院で抗がん剤を打つ→3週間程度自宅でじっと副作用に耐える
を繰り返す「抗がん剤ドロ沼」にハマります。こうなると治療に終わりが見えなくなりますし、副作用が辛くて満足に働くことも難しい…。
こういった悲惨な状況で毎月定額(10万円とか)を給付してくれるのが抗ガン剤治療特約です。優先度は高めです。
注意が必要なのは給付限度が60回(60ヶ月)である点。一生涯で抗がん剤を60回も打つことは極稀ですが、乳がん再発予防のためのホルモン剤治療は5年から10年の長期に渡ることもあります。
他社は120回もしくは回数無制限保障であることが多く、マニュライフ生命の60回はやや不安が残ります。女性は要注意です。
また、保障範囲は健康保険が適用される抗がん剤治療に限定される点も注意です。日本では承認が遅れているものの、欧米では承認されて使用が進んでいる自由診療の抗がん剤は保障対象外です。
自由診療の抗がん剤は月100万円程度かかることもあります(全額自己負担)。また、がん罹患者・がん罹患経験者の19.8%が自由診療を提案されたというデータもあり、自由診療が極々マイナーな治療とは言えなくなってきています(実際に受けた方は11.7%)。
「お金があれば助かるかもしれない!」
という状況を救うことができる保障内容ではありません。
最近発売されたがん保険は自由診療の抗がん剤治療を保障対象とすることが多いです。例えば、メットライフ生命「ガードネクスト」は健康保険が適用されない自由診療の抗がん剤治療実費を通算1億円まで保障。SOMPOひまわり生命「勇気のお守り」は自由診療の抗がん剤治療を受けた月に定額保障です(それでいて保険料は安い)。
この点もマニュライフ生命「こだわりガン保険」のデメリットでしょう。
【重要です】ガン手術・放射線治療特約
給付額 | 給付条件 | 保障期間 | 上皮内がん |
1回5万円~30万円の範囲で選択可能。 (5万円単位) |
所定の手術・放射線治療を受けたとき。 | 回数無制限。ただし、放射線治療は60日間に1回。 | 給付対象 |
がんの3大治療は手術・薬物療法(抗がん剤)・放射線治療と言われてますが、上述した抗ガン剤治療特約は抗がん剤治療を保障し、残りの手術と放射線治療を保障するのがこちらのガン手術・放射線治療特約です。
主契約のがん診断給付金が1年に1回給付であれば無くてもいいかなと感じますが、上述のとおりマニュライフ生命「こだわりガン保険」のがん診断給付金は2年に1回しか給付されません。2年間は長いです。がんで闘病しているのに、2年間なにも給付されないのは心情的にも辛いものがあります。
その空白の2年を埋める目的なら、ガン手術・放射線治療特約を付加してもよいでしょう。保障内容も悪くはありませんし、保険料も他社と比較して高くはありません。
【重要ではありませんが…】ガン入院特約
給付額 | 給付条件 | 支払回数 | 上皮内がん |
入院1日あたり5,000円~20,000円の範囲で選択可能。 | がんで入院した場合 | 無制限 | 給付対象 |
がんで入院した場合に、入院1日あたりで定額を受け取れる特約です。
がんの入院は短期化しています。入院日数の平均は以下のとおりです。
胃の悪性新生物:22.3日
結腸及び直腸の悪性新生物:16.4日
肝及び肝内胆管の悪性新生物:20.8日
気管、気管支及び肺の悪性新生物:21.1日
(参考:生命保険文化センター)
がん系の入院は平均20日程度で退院できます。意外と短いですよね。
なので最近はがんの入院保障が重要視されなくなってきていますが、入院が長期化する可能性はゼロではありません。発生する確率は低いものの、発生したら致命的なリスクに備えることが保険の役割だとすれば、余裕があれば付加しても良い特約です。
【重要ではありません】ガン通院特約
給付額 | 給付条件 | 保障期間 | 上皮内がん |
通院1日あたり2,500円から10,000円の範囲で選択可能。 | がんによる通院をした場合。 | 退院から365日以内の通院(60日間限度)。 | 給付対象 |
退院後の通院1日あたりに定額が給付される特約です(入院のない通院は保障対象外)。
保障されるの退院から1年以内の通院です。他社は退院から5年間保障なんていうのもあるので、それと比較すると保障は弱め。
まあでも上述した抗がん剤ドロ沼にハマらなければ、通院治療だと働けることも多いんですよね。
通院保障は通院1回5,000円程度。保障額もたいしたことはないので、
「保険金請求の手続きするほうがめんどくさい!」
ということがけっこうあります。そこまで重要ではないかと。
優先すべきは抗ガン剤治療特約でしょう。抗ガン剤治療特約は月10万保障とかなので、手続きする気力も沸いてきます。
【重要です】ガン緩和療養特約
給付額 | 給付条件 | 上皮内がん |
5万円~30万円/月の範囲から選択可能。 | 所定の緩和ケアを受けたとき。(月1回を限度に保障期間通算12回まで給付) | 給付対象 |
緩和ケアとは、がんの痛みを和らげる治療です。
最近はがん治療の初期から使われることもあるようですが、末期で助かる見込みがなくなり、痛みだけでも和らげていくような場面で使われることが多いのが緩和ケア。モルヒネを打つとかそういう状況です。
助かる見込みのない末期となれば三大治療を受けることもなくなるので、がん保険の保障が途切れることもあります。その最期の数ヶ月を保障するのが本特約。特約保険料も高くはないので、遺された家族のためにも余裕があれば付加しておいた方がよいと感じます。
【重要ではありません】悪性新生物保険料払込免除特約
よくCMでみる「以降の保険料は頂きません!」という特約です。
がんと診断された場合に、以降の保険料支払いが免除されるのですが、そもそもがん保険の保険料は安いため、保険料支払いが免除されても家計に大きな影響はないかと。
悪性新生物保険料払込免除特約はもちろん有料オプションです。付加すれば月々の保険料がググっと上がります。必要性は薄いでしょう。
【使えます】無料セカンドオピニオンサービス
がんで絶望的な状況に陥ると、主治医以外の医師の意見(セカンドオピニオン)を聞きたくなります。しかし、一般人には医師の知り合いなんていないですよね。そんなときに、無料で医師を紹介してくれるサービスはかなり役に立ちます。
マニュライフ生命「こだわりガン保険」は無料で医師との面談・電話によるセカンドオピニオンサービスを受けることができます。
【シミュレーション】僕が「こだわりガン保険」に入るなら
僕がマニュライフ生命「こだわりガン保険」に入るなら、以下の保障内容にします。
- 主契約:ガン診断給付金100万円
- 特約:ガン先進医療特約、抗ガン剤治療特約(10万円)、ガン手術・放射線治療特約(10万円)
悩みどころは特約に何を選択するかですが、ガン先進医療特約は必須、そしてガン診断給付金が2年に1回しか給付されないことを加味すれば、がんの3大治療(手術・抗がん剤治療・放射線治療)は全てカバーしておいた方が安心です。日本には高額療養費制度があるので、僕の年収であれば月10万円保障されれば医療費は十分カバーできるでしょう。
あとは余裕があればガン入院特約・ガン緩和療養特約を付加といったところでしょうか。ただし、保険料は他社と比較して安くないんですよね…。
マニュライフ生命「こだわりガン保険」のデメリット
がん診断給付金の2回目以降の条件が厳しい。
繰り返しますが、がん診断給付金が2年に1回給付で、2回目以降の給付条件が入院に限定される点はちょっと厳しいです。
ステージⅢ・Ⅳや特定がんの場合だと一時金が別途給付される点はメリットですが、給付回数は1回のみ。再発・転移を繰り返すようなケースを想定すれば長期闘病の保障に不安を感じます。
最近のがん保険の主流は
「1年に1回、2回目以降は入院でも通院でも治療を受けていればお支払い!」
です。この点はデメリットでしょう。
先進医療特約が10年更新型。
先進医療特約が10年更新型という点もデメリットです。10年ごとに保険料が見直されます(上がることが多いかと)。
他社だと一生涯保険料が変わらない終身型が主流です。現在は月100円程度で先進医療特約を付加できますが、将来的に先進医療が普及して保険会社の保険金支払いが膨らめば、月々の保険料が爆上げされる可能性も否めません。終身型の方が安心感はあります。
保険料は安くない。
マニュライフ生命「こだわりガン保険」には、過去1年以内に喫煙していない方の保険料を割り引く仕組みがあります。
しかし、この非喫煙者割引が適用されたとしても保険料は安くありません。
同じく非喫煙者割引のあるSOMPOひまわり生命「勇気のお守り」と保険料を比較してみます。保障内容は極力合わせてますが、ぴったり一致とはなってないので、ここはご参考程度に。
こだわりガン保険 | 勇気のお守り(がん診断給付型) | |
保障内容 | がん診断一時金100万円 | がん診断一時金100万円 |
40歳男性 | 3,493円 | 2,100円 |
40歳女性 | 2,608円 | 1,980円 |
シンプルに一時金100万円で非喫煙者割引が適用された場合の保険料を比較してみました。保障内容の大きな違いは、
- 「勇気のお守り」は1年に1回、2回目以降は入院でも通院でも一時金給付。「こだわりガン保険」は2年に1回、2回目以降は入院した場合のみ一時金給付(通院は保障対象外)。
- 「勇気のお守り」は上皮内がんでも100万円給付。「こだわりガン保険」は半額の50万円給付。
- 「こだわりガン保険」はステージⅢ・Ⅳで一時金100万円給付。
- 「こだわりガン保険」はステージⅢ・Ⅳと診断されてから5年間生存していれば50万円給付。
といったところでしょうか。
保険料に差が生まれる大きな要因は上記3点目と4点目でしょう。保険料が高くても、3点目と4点目に魅力を感じるのであればマニュライフ生命はアリですが、一時金が1年に1回給付されて保険料も安い「勇気のお守り」の方が優勢に感じます。
行政処分を受けてしまった…。
2022年7月14日に金融庁からマニュライフ生命に対して行政処分が下されました。
端的に言うと、金融庁から注意喚起されていたにも関わらず、法人向けの節税保険を積極的に売り過ぎたという処分内容。今回問題になった点は「こだわりガン保険」と直接の関係はありませんが、
●営業優先の企業文化やコンプライアンス、リスク管理を軽視する企業風土
といった点も問題に挙げられています。
また、マニュライフ生命はカナダ資本の生命保険会社です。1999年に日本に進出しているので、それなりに歴史はありますが、将来的に日本から撤退する可能性も否定できません。まあ撤退しても既契約は他の生命保険会社に引き継がれることが多いので、契約者が不利になる可能性は低いのですが、この点もやや注意でしょう。
マニュライフ生命「こだわりガン保険」のメリット
ステージⅢ・Ⅳと診断された場合にボーナス一時金が給付される点は、他社にはないのでメリットとして挙げておきます。
まあでもデメリットをひっくり返すくらいの強烈なメリットかというと疑問です。他社との差別化という意味では評価できますが、主契約が一時金タイプのがん保険なのに「1年に1回一時金給付!」ではなくて2年に1回給付である点は厳しいなあと感じます。
マニュライフ生命「こだわりガン保険」の評価。
評価:C(S、A~Cで判定)
おすすめできる点がなかなか見つからないというのが正直なところです。非喫煙者割引が適用されたとしても保険料は安いとは言えず、保障内容にも目立って良い点は見当たらず…。
よって評価は「C」としました。
他社のがん保険との比較なら、
●SOMPOひまわり生命「勇気のお守り」。保険料が激安で、一時金の給付条件も悪くありません。自由診療となる抗がん剤治療を保障対象とすることもできます。現在発売されているがん保険のなかでは保険料・保障内容ともにトップクラスです。
●メットライフ生命「ガードネクスト」。自由診療を1億円上限で保障するオプションを付加できます。その他の保障も優秀ですし、非喫煙者は保険料が割引されます。
あたりと比較しておくと良いかと。
がん保険全般の比較は下記リンク先でやってます。こちらもご参考に。
マニュライフ生命「こだわりガン保険」の相談をするなら。
マニュライフ生命「こだわりガン保険」は幅広い保険ショップで取り扱っています。みなさんのご自宅近くの保険ショップでも取り扱ってる可能性が高いです。
けれども、フラッと保険ショップに立ち寄ってみて、
「うち、マニュライフ生命の生命保険取り扱ってないですよ」
なんて言われてら悲しいですよね。そんなことがないように事前に調べておきましょう。手堅いのは保険クリニックです。保険クリニックならマニュライフ生命はもちろんのこと、比較対象としたSOMPOひまわり生命・メットライフ生命とも提携しています。
サイト上の予約フォームに相談したい内容をざっくり入力し、予約してから訪問した方が効率的に最適なプランへたどり着けます。
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- 契約時の告知事項に不備があった。
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の2点。
1点目は保険を契約する際に生命保険会社へ知らせた告知事項(過去の病歴とか現在の健康状況とか職業等)に誤りがあったケースで、これは保険ショップのスタッフが契約時にしっかり説明すれば回避できます。保険クリニックでしっかり説明を受けて契約すれば、まず該当することはないかと。
また、2点目はそもそも保険会社に保険金を支払う責任がないケースですが、医療保険やがん保険には責任分界点が微妙なグレーゾーンが存在します。微妙なグレーゾーンでキーになるのが医師が書く診断書。診断書の表現ひとつで保障されないこともあります。
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生命保険の相談は無料でできるし、相談したからって生命保険に入る必要はない。
生命保険の相談はもちろん無料です。
しかも、無料で相談したからといって、提案された保険に必ず入らなければならないということはありません。提案内容に納得できなければ、
「うーん、よく考えてみます…」
と、やんわりお断りしてOKです(お断りする人はかなりいます)。
相談しているときに過度な勧誘もなければ、お断りした後にしつこい電話攻勢というのもありません。最近は過度な勧誘やしつこい電話は法律で禁止されています。そんなことしたら業務停止です。
生命保険の相談は気軽な気持ちで。過度に重く考える必要はありません!
まとめ
公式サイト:マニュライフ生命「こだわりガン保険」
一時金ベースのがん保険なのに、一時金の給付間隔は2年に1回。ステージⅢ・Ⅳと診断された場合には別途一時金が給付されるといった特徴はありますが、それでも他社の1年に1回一時金給付の方が長期闘病には備えられると感じます。
また、非喫煙者なら保険料が割引されますが、割引されたとしても保険料は安くありません。他社のがん保険との比較は必須でしょう。
●SOMPOひまわり生命「勇気のお守り」。保険料が激安で、一時金の給付条件も悪くありません。自由診療となる抗がん剤治療を保障対象とすることもできます。現在発売されているがん保険のなかでは保険料・保障内容ともにトップクラスです。
●メットライフ生命「ガードネクスト」。自由診療を1億円上限で保障するオプションを付加できます。その他の保障も優秀ですし、非喫煙者は保険料が割引されます。
あたりと比較しておくと良いかと。
マニュライフ生命の生命保険は保険クリニックで相談できます。SOMPOひまわり生命・メットライフ生命とも提携してるので、比較もかんたんにやってくれますよ。
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※2022年10月更新