第一生命「ジャスト認知症保険」。
認知症を保障する認知症保険ですが、MCI(軽度認知障害)は保障されません。最近の認知症保険はMCIまで保障することが多いのですが、第一生命「ジャスト認知症保険」は保障対象外。また、契約から2年以内に認知症を発症しても支払った保険料が戻ってくるだけという制約もあります。保険料も安くはないかと。
介護保険・認知症保険の必要性と選び方は↓の書いています。
まずはざっと概要を書いておきます。第一生命「ジャスト認知症保険」の概要と評価は以下のとおりです。
項目 | 内容 | 評価 |
保障タイプ | 認知症保険 | B |
給付タイプ | 一時金 | B |
給付条件 | 認知症と診断かつ要介護1以上 | B |
認知症保険なので保障対象は認知症のみ。
「頭はしっかりしてるけど、身体が衰えて介護が必要!」
といったケースは保障されません。認知症は要介護全体の7割程度(推測)なので、介護全般に備えるのなら、認知症保険ではなく介護保険を選んだ方が無難です。
また、給付タイプは一時金です。認知症と診断されれば、まとまった金額が1回だけ給付されます。終わりが見えない介護は条件を満たす限り毎月定額を受け取れる年金タイプが理想的なのですが、第一生命「ジャスト認知症保険」は一時金しか選ぶことができません。この点は惜しい。
給付条件は
認知症と診断かつ要介護1
なので悪くはありません。以前は見当識障害(時間・場所・人がわからない)が条件に含まれていたのですが、2022年7月に改定されて平均的な条件になりました。他社同等です。
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第一生命「ジャスト認知症保険」の基本情報
まずは基本情報を一覧にしました。他の認知症保険と比較する際の手掛かりにどうぞ。
保険の種類 | 【認知症保険】 ・認知症に備える保険です。 ・貯蓄性はありません。支払った保険料は掛け捨てです。 ・保険料が値上がりすることはありません。 |
主契約 | 【認知症保険金】 認知症と診断された かつ 要介護1以上に認定された場合に一時金が給付されます。 |
保険料を支払う期間 | 定期・終身(一生涯)から選択可能。 |
契約できる年齢 | 終身:40歳~85歳 定期:40歳~70歳 |
保険料を支払う方法 | 口座振替 |
保障される期間 | 定期・終身(一生涯) |
第一生命「ジャスト認知症保険」のデメリット
契約から2年間以内に認知症が発生した場合は、支払った保険料が戻ってくるだけ。
第一生命「ジャスト認知症保険」は持病がある方や大病を経験された方でも加入しやすい緩和型の保険です。
持病がある方や大病を経験された方は早期に認知症となるリスクも高め。なので、契約から2年以内に認知症が発生した場合の保障額は
月払保険料×経過月数
といったように支払った保険料を戻すだけにしておいて、保険会社のリスクを減らすというのが狙いです。
緩和型なので仕方ないとも言えますが、通常の認知症保険にも入れるような健康な方にとってはデメリットでしょう。
軽度認知障害(MCI)が保障対象外。
軽度認知障害(MCI)とは認知症の前段階です。
「ちょっと最近物忘れが増えてきたかな…」
というのが軽度認知障害。日常生活に支障はないものの、記憶力が衰えてきたような状態を指します(詳細はこちら)。MCIの段階で適切な処置をすることで、認知症の発症を遅らせることができると言われています。
第一生命「ジャスト認知症保険」は軽度認知障害を保障対象にしていません。最近は軽度認知障害と診断された場合に一時金を給付する認知症保険が増えてきているので、この点はデメリットでしょう。
ちなみに、軽度認知障害の検査と治療にはもちろんお金がかかります。
特にMCIスクリーニング検査。MCIスクリーニング検査とは、アルツハイマー病の原因物質となる「アミノロイドβ」に対して、排除機能などをもつ血液中のたんぱく質を調べる検査です。MCIスクリーニング検査を受けることによって、認知症を早期発見できると言われています。
MCIスクリーニング検査は健康保険が適用されません。検査費用は全額自己負担ですが、その額が3万円程度。他社の認知症保険はこの費用をカバーするためのオプションを付加できることが多いです。
緩和型なので保険料は安くない。
繰り返しますが、第一生命「ジャスト認知症保険」は緩和型の認知症保険です。持病がある方や大病を経験された方でも加入しやすいのですが、その代わりに健康な方が入れる通常の認知症保険よりも保険料は高め。
ここで通常の認知症保険と月々の保険料を比較してみます。比較対象は朝日生命「あんしん介護認知症保険」。保障内容を全く同じにすることは不可能なので、ここはご参考程度に。
第一生命 「ジャスト認知症保険」 |
朝日生命 「あんしん介護認知症保険」 |
|
保障内容 | 認知症一時金:200万円 | 認知症一時金:300万円 |
55歳男性保険料 | 2,606円/月 | 2,643円/月 |
55歳女性保険料 | 3,136円/月 | 3,159円/月 |
第一生命が保障額200万円なのに対し、朝日生命は300万円で試算してみましたが、保険料はほぼ同じ。
ということで、まずは他社の通常の認知症保険に加入できるかチャレンジした方がよいでしょう。加入できない場合に選択肢になり得るのが第一生命「ジャスト認知症保険」です。
第一生命「ジャスト認知症保険」のメリット
無料サービスが充実
無料サービスがかなり充実してます。
- (業界初)認知症予防アプリの提供
- (業界初)緊急時にALSOKが家族に代わって訪問
- 保険金請求サポート
特に、1人暮らしの親と遠く離れて暮らすご家族には「緊急時にALSOKが家族に代わって訪問」が嬉しいサービスではないでしょうか。
例えば、何回電話しても親が電話に出ないとき、何かが起こったのではないかと心配になりますが、そんなときにはALSOKの警備員が1人暮らしの親の自宅に無料で駆け付けてくれます。このサービスは他社の認知症保険にはないメリットです。
ただし、このALSOK無料訪問サービスは制限があります。
認知症保険契約2年経過後より、1年に1回の利用権利が付与され契約保険期間を通じて最大5回まで利用できます。
引用:https://www.dai-ichi-life.co.jp/company/news/pdf/2018_046.pdf
- 契約から2年経過しないと利用できない。
- 1年に1回しか利用できない。
- 保険期間中最大5回しか利用できない。
こういった制限です。無料で使い放題ではありません。この点は要注意です。
その他の「認知症予防アプリの提供」「保険金請求サポート」は他社にも似たようなのがあります。認知症予防の取り組みは他社もやってますし、保険金請求サポートだって他社にもあります。この2点は第一生命「ジャスト認知症保険」特有のメリットとは言えないでしょう。
第一生命「ジャスト認知症保険」の評価。
評価:C(S、A~Cで判定)
緩和型なので保険料は高めです。
ALSOK駆けつけサービスといった無料サービスは充実していますが、まずは他社の通常の認知症保険を検討した方がよいでしょう。持病や大病の経験が理由で他社の認知症保険に加入できない場合に、選択肢になり得るのが第一生命「ジャスト認知症保険」です。
また、認知症に対する保障条件は悪くありませんが、そもそもが認知症保険なので保障されるのは認知症のみ。冒頭書いたとおり、認知症は要介護全体の7割程度(推測)なので、介護全般に備えるのなら、認知症保険ではなく介護保険を選んだ方が無難です。
よって評価は「C」としました。
比較対象として以下を挙げておきます。
●保障条件はそこそこで、保険料は安く収まる朝日生命「あんしん介護認知症保険」。年金タイプも選択可能ですし、軽度認知障害(MCI)を保障対象にすることもできます。
●介護全般に備えるのなら朝日生命「あんしん介護保険」。保障条件も保険料も頭ひとつ抜けてます。
第一生命「ジャスト認知症保険」の相談をするなら。
第一生命「ジャスト認知症保険」は全国の保険ショップで取り扱ってます。ただし、第一生命を取り扱っている保険ショップは多くありません。最寄りの保険ショップに行ってみて、
「あー、すいません、うち第一生命やってないんですよー」
と言われることは割とあり得ます。
手堅いのは保険クリニックです。保険クリニックなら第一生命はもちろんのこと、本記事で比較対象とした朝日生命とも提携しています。比較もかんたんにやってくれますよ。
サイト上の予約フォームに相談したい内容をざっくり入力し、予約してから訪問した方が効率的に最適なプランへたどり着けます。
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わかりやすく実績を確認できるのが第三者機関による顧客満足度調査。オリコン社が実施した保険ショップの顧客満足度調査にて2021年から2023年までの3年連続No.1、2023年10月に実施した株式会社DRCによるインターネット調査にて総合1位を獲得しています。
保険クリニックは契約手続きとアフターフォローにも定評があります。
保険金の不払い率をこちらにまとめていますが、不払いとなる理由の多くは
- 契約時の告知事項に不備があった。
- 契約上、保険会社に支払う責任がない。
の2点。
1点目は保険を契約する際に生命保険会社へ知らせた告知事項(過去の病歴とか現在の健康状況とか職業等)に誤りがあったケースで、保険ショップのスタッフが契約時にしっかり説明すれば回避できます。保険クリニックでしっかり説明を受けて契約すれば、まず該当することはないかと。
また、2点目はそもそも保険会社に保険金を支払う責任がないケースですが、医療保険やがん保険や独自基準のある介護保険・認知症保険には責任分界点が微妙なグレーゾーンが存在します。微妙なグレーゾーンでキーになるのが医師が書く診断書。診断書の表現ひとつで保障されないこともあります。
そんなときに、
「こういうふうに診断書を書いてもらうと保障されやすいですよ」
といったアドバイスをできるのは保険ショップのスタッフだけです。生命保険会社のコールセンターに問い合わせても、わざわざ自分たちの不利になるアドバイスはしてくれません。
保険クリニックはアフターフォローの評価も高めです。契約後のコミュニケーションを密にしておくことで、万が一の場合には腹を割った相談がしやすくなります。こういう裏情報的なアドバイスは信頼関係がないとできないことなので。
実際に利用した方の口コミは以下のとおり。
「たまたま優秀な人が担当になっただけじゃないの?」
という疑惑も沸いてきますが、保険クリニックはデジタル化が進んでいて独自に開発した提案システムを使ってます。スタッフのクオリティに偏りができにくい点もメリットでしょう。
予約は簡単です。
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②最寄りの店舗を検索する。
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- 相談方法(来店or訪問)
- 名前
- 連絡方法(電話・メールor電話のみ)
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- メールアドレス
- 保険クリニックを知ったきっかけ(リストから選択)
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これで予約は完了。1分もあれば予約できます。
50社以上の保険会社と提携している点も評価できます。第一生命はもちろんのこと、比較対象とした朝日生命とも提携しています。両社の比較もかんたんにやってくれますよ。
もちろん相談は無料です。気軽な気持ちで相談して大丈夫です。
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といった情報も掲載されています。取り扱っている保険会社が事前にわかるので、希望していた保険を提案されなかった!といった悲劇もないですし、厳しい口コミもそのまま掲載されているので、ちゃんと選べば安心して相談ができるかなと。
また、保険相談ニアエルでは相談予約もできます。予約は簡単で
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- 生年月日
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だけ入力すれば完了。1分程度で終わる作業です。
予約した後には店舗から電話で予約確認があります。電話の際にざっくりと相談したい内容だとか、その他の要望(女性スタッフ希望等)を伝えておけば、相談もスムーズに進みます。
もちろん予約は無料です。気軽に予約して大丈夫です。
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生命保険の相談は無料でできるし、相談したからって生命保険に入る必要はない。
生命保険の相談はもちろん無料です。
しかも、無料で相談したからといって、生命保険に必ず入らなければならないということはありません。
おすすめされた生命保険に納得できなければ、
「うーん、よく考えてみます…」
と、やんわりお断りしてOKです(お断りする人はかなりいます)。
相談しているときに過度な勧誘もなければ、お断りした後にしつこい電話攻勢というのもありません。最近は過度な勧誘やしつこい電話は法律で禁止されています。そんなことしたら業務停止になってしまいます。
生命保険の相談は気軽な気持ちで。重く考える必要はありません!
まとめ
公式サイト:第一生命「ジャスト認知症保険」
緩和型なので保険料はやや高め。
ALSOKの無料駆け付けサービスといった業界初の試みもありますが、それを加味してもまずは他社の通常の認知症保険に加入できるかチャレンジした方がよいでしょう。持病や大病の経験が理由で他社の認知症保険に加入できない場合に選択肢になり得るのが第一生命「ジャスト認知症保険」です。
●認知症保険にこだわるのなら朝日生命「あんしん介護認知症保険」。
●認知症だけでなく介護全般に備えるのなら、同じ朝日生命から発売されている「あんしん介護保険」。
あたりをチャレンジしてみるのが良いかと。
第一生命「ジャスト認知症保険」と朝日生命「あんしん介護認知症保険」「あんしん介護保険」は保険クリニックで取り扱っています。各社の比較もかんたんにやってくれますよ。
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コメント
認知症は介護が必要になった原因の内の17.6%ではないでしょうか?
(厚生労働省 「令和元年 国民生活基礎調査の概況」より)
認知症が介護原因の7割とする根拠・出展にも疑問はありますが、文脈からも『介護原因の18%しかカバーされない認知症保険より、介護全体をカバーする方が介護保険の方が無難』とする方がよいと思いました。
名無し様
鋭いご指摘ありがとうございます!
ご指摘のとおり書き方が良くなかったですね。
「認知症は要介護となる原因の7割程度」
ではなく、
「認知症保険が保障するのは介護が必要な全体の7割」
といった意味合いに修正しておきます。
>認知症が介護原因の7割とする根拠・出展にも疑問はありますが、
7割の根拠は下記リンク先の「民間の介護保険・認知症保険に入るなら」に記載しております。
https://hoken40.site/post-8959/
要介護となる原因は記載頂いた割合だと思うのですが、
実際に認知症を発症する方(認知症保険の保障対象となる方)は直感的にもう少し多いと思われ…。
厚生労働省の資料を読むと
転倒して寝た切り生活になって要介護認定(厚生労働省がカウントしているのはここ)
↓
その数年後に認知症を発症
といったケースは含まれていないようですので、別の資料を探して7割程度という数字を算出しました。
ご確認頂ければ幸いです。