【評価B】アフラックの就業不能保険「給与サポート保険」デメリットと評価

※アフラック「給与サポート保険」は2023年4月に販売停止となりました。後継商品として「休職保険」が販売されています。

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入院・在宅療養・障害等級2等級以上が保障対象になる点は平均的ですが、メンタル疾患が保障対象外である点はちょっと残念。

また、保険料は他社と比較して高めですが、

  • 短期間で仕事に復帰できても最低6ヶ月は保障が継続。復帰直後の慣らし勤務で収入が減ってもまあ安心。
  • 保障期間中を無事に過ごせた場合は長期給付無事故支払金を受け取れる。

という保障の手厚さがあります。

保険料を重視するのなら選択肢には入りにくいのですが、多少保険料が高くなったとしても良い保障を求める(それとアフラックのブランド力も)のなら、候補に入る就業不能保険です。

アフラック「給与サポート保険」ここがポイント
  • 働けなくなるリスクをカバーする就業不能保険です。
  • 保険料は掛け捨てですが、他社と比較して安いとは言えません。
  • メンタル疾患は保障対象ではありません。
  • 最低6ヶ月は保険金の支払いが継続します。

就業不能保険の選び方のポイントは↓のリンク先に書いています。

就業不能保険の選び方

リンク先の内容を要約すると、選び方で大切なのは以下の4点です。

  1. メンタル疾患が保障対象になっているか。最も可能性の高い働けなくなるリスクはうつ病を含むメンタル疾患です。メンタル疾患を保障対象としているかは重要なポイントです。
  2. 障害等級が保障対象になっているか。働けない期間は病気やケガの治療を受けている期間だけとは限りません。後遺障害を負ってしまった場合に、長期間の保障を受けられるかという点が重要です。
  3. がん・脳血管疾患の保障内容。長期間働けなく可能性のある疾病は主にがんと脳血管疾患です。再発・転移を繰り返すがん、そして後遺障害が起こりやすい脳血管疾患をどこまで保障してくれるかは要チェックです。
  4. 月々の保険料。似たような保障内容でも、生命保険会社によって保険料は大きく異なります。決して横一線ではありません。また、会社員の方にはハーフタイプのある就業不能保険がおすすめです。

まずはざっと概要を書いておきます。上の4点について、アフラック「給与サポート保険」の概要と評価は以下のとおりです。

項目 内容 評価
メンタル疾患の保障 なし C
障害等級 あり
障害等級2級以上
A
がん・脳血管疾患の保障内容 あり
条件:①入院②医師の指示による在宅療養
A
30歳の月額保険料
(保険金額短期毎月5万円・長期10万円、保障期間60歳まで)
男性:2,370円
女性:2,355円
C
40歳の月額保険料
(保険金額短期毎月5万円・長期10万円、保障期間60歳まで)
男性:2,725円
女性:2,640円

メンタル疾患は保障対象外です。鬱病や統合失調症で入院することになっても保障はされません。アフラックには「休職保険」という短期の働けないリスクに備えられる就業不能保険があるのですが、こちらはメンタル疾患での入院・在宅療養が保障対象です。棲み分けがあるのでしょう。

障害等級は業界標準の2等級まで保障対象です。この点は他社同等。

がん・脳血管疾患も医師の「働けない」という診断があれば基本的には保障対象です。がんの再発・転移で入退院を繰り返すような状況でも、医師の診断書に「働けない」とあれば保障されるかと。脳血管疾患で後遺障害を負ったとしても、障害等級が保障対象になっているので見捨てられるようなことはありません。この点も安心ですね。

ただ、保険料は決して安くはありません。このあと比較していきますが、他社の就業不能保険の方が安くなることが多いと感じます。ここらへんは

「元気になって働ける状況になったとしても、最低6ヶ月は保障します!」

という保障の手厚さが影響しているのでしょう。

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アフラック「給与サポート保険」の基本情報

まずは基本情報を一覧にしました。他の就業不能保険と比較する際の手掛かりにどうぞ。

保険の種類 【就業不能保険】
・働けなくなるリスクに備える保険です。
・貯蓄性はありません。支払った保険料は掛け捨てです。
・保険料が値上がりすることはありません。
選択できる保険金額
(働けないときに受け取れる金額)
短期回復支援給付金:5万円~20万円
長期療養支援給付金:5万円~40万円
※1万円単位で設定可能
保険料を支払う期間 60歳まで、65歳まで、の2つから選択可能。
保険料を支払う回数 月払・半年払・年払
保険料を支払う方法 ・口座振替
・クレジットカード払
保障される期間 保険料を支払っている期間のみ
加入方法 対面のみ
健康相談サービス ・メンタルヘルスサービス
・社会保険労務士紹介サービス

アフラック「給与サポート保険」の働けないと認定される条件について。

死亡保障は亡くなったら保険金が支払われます。白黒ハッキリしていてわかりやすいですよね。それに対し、就業不能保険は「働けない」と認定される条件が生命保険各社バラバラです。

まずは就業不能保険で何よりも重要な「働けないと認定される条件」について書いておきます。

働けないと認定される条件
入院 【短期回復支援給付金・長期療養支援給付金】
医師による治療が必要であり、かつ自宅などでの治療が困難なため、病院または診療所に入り、常に医師の管理下において治療に専念すること。
在宅治療 【短期回復支援給付金・長期療養支援給付金】
医師による治療が継続しており、かつ日本国内にある自宅など(障害者支援施設などを含みます)で、医師の管理下において計画的な治療に専念し、自宅などからの外出が困難な状態。
【長期療養支援給付金】
国民年金法で定める障害等級1級または2級に認定された状態。
【短期回復支援給付金】
所定の特定障害状態に該当した状態

アフラック「給与サポート保険」は

  • 短期回復支援給付金
  • 長期療養支援給付金

という2段階の保障になってます。保障スタートから17回目(17か月)までは短期回復支援給付金が給付され、18回目以降は長期療養支援給付金が給付されます(なんでこんな面倒なことをしているかは後述)。

入院が保障されるのは短期回復支援給付金も長期療養支援給付金も同じ。まあ他社の就業不能保険は入院保障は当たり前です。ここは他社同等。

在宅療養の条件は比較的ゆるいです。原則的には医師の「働けません」という診断があれば認められるでしょう。他社だと医師の診断の他にもごちゃごちゃと条件が追加されることもあるので、この点はメリット。

また、障害を負ってしまった場合も障害等級2級以上で保障です。この点も他社同等。

障害等級2級は

「日常生活が極めて困難で、 一般的に活動の範囲が、病院では病棟内、家庭では家屋内に限られる」

といった状態を指します。日常生活もままならず、働くことは到底無理といった状態なので、この状況から保障されればまあ安心でしょう。

ちなみにですが、長期療養支援給付金は障害等級2級以上を保障対象としているのに対し、短期回復支援給付金は「所定の特定障害状態」というアフラック独自基準が条件です(両者の違いはここだけ)。

所定の特定障害状態は、ほぼほぼ障害等級2級以上と同レベルです。だったら障害等級2級以上を条件とすればいいじゃん!と思ってしまいますが、国の障害等級認定は時間がかかります。短期回復支援給付金が給付される17ヶ月の間に認められないこともあるでしょう。

なので、アフラック独自基準を設けて、国の認定に時間がかかっても早め早めに保障をスタートしていきますよというのが条件を分けている意味合いです。良心的な仕組みです。

ちょっと残念なのが、休職の原因No.1のメンタル疾患が保障対象外である点。

まあ他社の就業不能保険も

「ちょっと会社を休んでゆっくりしましょうか」

と医師に診断され、会社を休んで自宅でゆっくりしながら通院治療を受ける程度の軽いメンタル疾患は保障対象外で、保障されるのは入院が必要だったり障害等級認定されるような重症に限定されることが多いのですが、この点はやや注意でしょう。

冒頭書きましたが、メンタル疾患の保障を重視する方は同じアフラックから発売されている「休職保険」が選択肢になり得ます。休職保険は入院はもちろんのこと、入院のない在宅療養のメンタル疾患も保障対象。ちょっと仕事に疲れて3ヶ月程度自宅で休むといった軽症でも、医師から

「まあちょっとお仕事休んで自宅でゆっくりしましょうか」

といった診断があれば保障されます。この点は他社の就業不能保険と比較しても圧倒的に緩い(契約者に有利)です。

アフラック「給与サポート保険」のメリット

アフラック「給与サポート保険」ここがポイント!
  • 【check】保障額が長期・短期に分かれている。保障額を別々に設定することで、保険料の節約が可能。
  • 【check】長期給付無事故支払金あり。
  • 【check】症状が改善しても最初の6回は必ず保障される。

保障額が長期・短期に分かれている。保障額を別々に設定することで、保険料の節約が可能。

アフラック「給与サポート保険」は保険金の支払いが「短期回復支援給付金」と「長期回復支援給付金」の2段階に分けられます。

保険金を受け取れる期間 保障額の設定範囲
短期回復支援給付金 初回~17回目 5万円~20万円
長期回復支援給付金 18回目以降 5万円~40万円

ひとつにまとめてくれればシンプルですっきりしますが、わざわざ分けている理由は会社員には傷病手当金が給付されるから。会社員は働けなくなると即座に収入が途絶えるわけではありません。健康保険から傷病手当金が概ね1年6ヶ月間給付されます。

傷病手当金の給付額は月給の概ね2/3です。傷病手当金を受け取れる1年6ヶ月の期間中は保障額を多少抑えても、生活は破綻しないという方が大半でしょう。この期間の保障(短期回復支援給付金)を低額にすることで、月々の保険料を安く抑えられます。保障額を必要十分にして、ムダな保険料を省くというのが2段階保障の狙いです。

他社でもハーフタイプといった名称で同じようなことをやってます。ハーフタイプは傷病手当金が給付される期間の保障を半額に抑えることで、保険料を安くしてます。

ハーフタイプを選べる就業不能保険にアクサダイレクト生命「働けないときの安心」と、ライフネット生命「働く人への保険3」があるのですが、アフラックのちょっとしたメリットは短期回復支援給付金の保障額を自由に選べる点(長期回復支援給付金以下という制約はあります)。アクサダイレクト生命とライフネット生命は半額固定です。

人によっては傷病手当金が給付される期間の保障は超低額でもサバイブできて、傷病手当金が給付される期間を超えても働けない場合の保障を厚くしたいこともあるでしょう。こういった要望に応えられるのはアフラックです。

長期給付無事故支払金あり。

大きなケガや病気もなく定年退職を迎えた場合、就業不能保険からは何も受け取れずに保障が終了します。

そんなとき、

「就業不能保険なんてムダだったじゃん!」

と、きっと後悔します(しかし、それは幸福なこと)。

そんな後悔を慰めてくれるのが長期給付無事故支払金。保障期間を通じて長期回復支援給付金が一度も支払われなかった場合に、長期回復支援給付金の1ヶ月分と同額を受け取れます。

他社にはなかなか見られない珍しい仕組みですが、長期給付無事故支払金の原資は契約者が支払った保険料です。メリットに挙げてますが、アフラック「給与サポート保険」は月々の保険料が他社と比較して高めなので、冷静に考えると大してお得とはならないでしょう。

症状が改善しても最初の6回は必ず保障される。

一般的な就業不能保険は症状が改善して働けるようになれば保障もストップです。

働けるようになったんだからもう保障は不要でしょう?というのは理にかなっていますが、現実は退院してすぐに元のようにバリバリ働けることなんて稀です。時短勤務や休暇取得を交えながら、ゆっくりと元の状態に戻していくことが多いでしょう。

慣らし期間中は収入も元には戻りません。収入が元に戻っていないのに、就業不能保険の保障がストップしたら少し困ってしまいますよね。

アフラック「給与サポート保険」は生きている限り最低でも6回分(6ヶ月分)の短期回復支援給付金を支払います。例えば、がんで入院して手術を受けて、2ヶ月後に職場復帰できたとしてもフルタイムで働けるほど体力が回復しないこともありますし、通院で仕事を休むこともあるでしょう。こんなケースだと最低6ヶ月保障は安心です。

この点も他社にはなかなか見られないメリットです。

アフラック「給与サポート保険」のデメリット

アフラック「給与サポート保険」 ここにご注意!
  • check】メンタル疾患が保障対象外。
  • check】保険料は安くない。
  • 【check】年収150万円未満の人は加入不可(主夫・主婦も加入不可)

メンタル疾患が保障対象外なのはちょっと残念。繰り返しますが、メンタル疾患の保障を重視する場合は同じアフラックから発売されている「休職保険」が選択肢になり得ます。

また、保険料は他社と比較して安くはありません。同じ就業不能保険のアクサダイレクト生命「働けないときの安心」と月々の保険料を比較してみます。

アフラック アクサダイレクト生命
就業不能の保障条件 ①治療を目的とした入院
②医師の指示による在宅療養
③障害等級2級以上
①治療を目的とした入院
②医師の指示による在宅療養
③障害等級2級以上
メンタル疾患の保障条件 ①治療を目的とした入院
②障害等級2級以上
※月10万円を最大18回(18ヶ月)給付
その他の条件 ・短期回復支援給付金5万円
・長期療養支援給付金10万円
・保障期間60歳まで
・6ヶ月確定給付
・無事故給付金10万円
・月10万円保障(ハーフタイプ)
・保障期間60歳まで
・免責期間60日
月額保険料 30歳男性 2,370円 1,670円
30歳女性 2,355円 1,380円
40歳男性 2,725円 2,000円
40歳女性 2,640円 1,710円

メンタル疾患が保障されるアクサダイレクト生命の方が保障範囲は広いのですが、保険料はアフラックの方が高め。アフラックの保険料が高くなる要因は

  • 短期回復支援給付金が最低6ヶ月給付される。
  • 長期給付無事故支払金がある。

の2点にあると推測されます。短期回復支援給付金の6ヶ月確定保障は実情に見合ってると感じますが、長期給付無事故支払金は余計だったのではないかと。長期給付無事故支払金を無くして保険料を安くすれば良かったのにと感じます。

多少保険料が高くなったとしても、短期回復支援給付金の6ヶ月確定保障に魅力を感じるのであればアフラックは選択肢になるでしょう。

最後に、アフラック「給与サポート保険」は年収150万円以下の方は加入できません。無職、主婦・主夫、フリーターも加入はできません。加入条件はやや厳しめです。

アクサダイレクト生命「働けないときの安心」は比較的加入条件が緩やかです。アフラックに加入できない場合はアクサダイレクト生命が希望です。

アフラック「給与サポート保険」の評価

評価:B(S、A~C)

入院・在宅療養・障害等級2級以上が保障対象となる点は平均的ですが、メンタル疾患は保障対象外。そして保険料がやや高め。

保険料が高くなる主な理由は無事故給付金と6ヶ月確定給付でしょう。6ヶ月確定給付は実情に見合った保障かと思いますが、無事故給付金は余計だったのではと感じます。あとはアフラックのブランド力も保険料に反映されてるかもですね。

全般的に見れば悪くありません。評価は普通の「B」が妥当だと感じます。6ヶ月確定給付に心が揺らぐのなら、候補に入る就業不能保険です。

比較対象となる就業不能保険にアクサダイレクト生命「働けないときの安心」とライフネット生命「働く人への保険3」を挙げておきます。2社はメンタル疾患も保障対象ですし、保険料も業界最安値クラス。症状が改善されて条件を満たさなくなれば保障はストップですが、それも保険料の安さは魅力的です。

就業不能保険は下記リンク先で比較しています。こちらもご参考に。

就業不能保険の保険料と保障内容を比較

アフラック「給与サポート保険」の相談をするなら。

アフラック「給与サポート保険」は全国の保険ショップで取り扱ってます。ご近所の保険ショップでも取り扱っているはず。

しかし、いざ保険ショップに行ってみて、

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まとめ

公式サイト:アフラック「給与サポート保険」

オーソドックスな就業不能保険ですが、メンタル疾患は保障対象外。そして保険料も他社と比較してやや高めです。働けるようになっても6ヶ月確定給付というメリットはありますが、保険料の高さを加味すれば、他社の就業不能保険と比較しておいて損はないかと。

比較対象となる就業不能保険にアクサダイレクト生命「働けないときの安心」とライフネット生命「働く人への保険3」を挙げておきます。この2社は保障条件がトップクラスで、保険料も業界最安値水準。

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※2023年2月更新

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