三井住友海上あいおい生命は「&LIFEガン保険S(スマート)」というがん保険を発売していたのですが、2022年11月にリニューアルされて新発売されたのがこちらの「&LIFEガン保険S(スマート)セレクト」。
大きく変わったのが主契約に一時金タイプを選べるようになった点ですが、全体的にはふつうのがん保険かなという印象です。
がん保険は大きく3つのタイプに分けることができます。
①入院ベースで保障するがん保険。よくある「入院1日1万円!」といった保障内容のがん保険です。入院日数×入院給付金(5千円とか1万円)を受け取ることができます。
②一時金ベースで保障するがん保険。がんと診断されたらまとまった金額(100万円とか)がドンっと給付されるがん保険です。
③治療ベースで保障するがん保険。手術・抗がん剤・放射線といったがんの治療を受けた月に定額(10万円とか)が給付されるがん保険です。
三井住友海上あいおい生命「&LIFEガン保険Sセレクト」は主契約を「①入院ベースで保障」と「②一時金ベースで保障」から選ぶことができます。
最近のがん治療は入院が短期化しているので、①は時代遅れになりつつあります。現在のがん保険の主流は②と③。リニューアル前の「&LIFE ガン保険S」は①だけだったのですが、「&LIFEガン保険Sセレクト」は最近の医療事情に合わせて②も選べるようになってます。
がん保険の選び方のポイントは↓のリンク先に書いています。
リンク先の内容を要約すると、選び方で大切なのは以下の3点です。
まずはざっと概要を書いておきます。上記の3点について、三井住友海上あいおい生命「&LIFEガン保険Sセレクト」の概要と評価は以下のとおりです。
項目 | 内容 | 評価 |
先進医療特約の保障内容 |
タイプ:終身型 保障額上限:2,000万円 一時金:宿泊費、交通費の実費 |
A |
がん診断一時金の給付条件 | 給付回数:無制限 給付間隔:1年 1回目の給付条件:がんと診断確定 2回目以降の給付条件:がんで入院 |
B |
抗がん剤治療の保障範囲 | 給付回数:120回 自由診療の抗がん剤治療は含まない。 |
B |
40歳の月額保険料 | 【ガン診断給付型(一時金100万円)】 男性:2,041円 女性:1,852円 【ガン入院給付型(入院1日1万円)】 男性:1,580円 女性:-- |
A |
先進医療特約は問題ありません。一生涯保険料が変わらない終身型ですし、限度額も他社同等の通算2,000万円。宿泊費と交通費も実費を保障してくれます。
一時金の給付条件はちょっと惜しいです。1年に1回間隔で回数無制限給付は良いのですが、2回目以降は入院が条件です。がんの治療が続いていても、通院治療だけでは一時金を受け取れません。一時金タイプのがん保険で2回目の給付条件が入院に限定されるのはちょっとつらい…。
また、抗がん剤治療の保障範囲に自由診療が含まれません。自由診療には日本では承認が遅れているものの、欧米では承認されて使用が進んでいる抗がん剤なんかが含まれますが、こんな治療は保障対象外。最近発売されたがん保険は自由診療の抗がん剤治療も保障することが多いです。この点も惜しい。
保険料は安いです。上述のとおり保障内容は最先端ではないものの、その代わりに保険料面では競争力のあるがん保険です。詳細は後述しますが、特に女性の喫煙者は安いです。
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三井住友海上あいおい生命「&LIFEガン保険Sセレクト」の保障内容を評価します。
冒頭触れましたが、三井住友海上あいおい生命「&LIFEガン保険Sセレクト」は主契約を
- ガン入院給付型
- ガン診断給付型
の2パターンから選ぶことができます。
主契約の保障内容と、選べるオプションについて説明してきます。
【主契約】ガン入院給付型
まずはガン入院給付型。
ガン入院給付型の主契約は入院・手術保障です。
給付額 | 給付条件 | 支払回数 |
入院1日5,000円~40,000円の範囲で選択可能(1,000円単位) | がんで入院した場合 | 無制限 |
手術1回につき入院給付金の20倍 | がんで手術した場合 | 無制限 |
どんなに入院が長引いても無制限で入院日数×入院給付金が保障されます。例えば、入院給付金1日5,000円で契約して、がんで100日入院して手術を1回受けた場合は
5,000円×100日+5,000円×20倍=60万円
が保障されます。
ただし、最近のがん治療は入院が短期化しています。生命保険文化センターによると、がん系の入院は下記のとおり平均20日程度で退院できます。
胃の悪性新生物:22.3日
結腸及び直腸の悪性新生物:16.4日
肝及び肝内胆管の悪性新生物:20.8日
気管、気管支及び肺の悪性新生物:21.1日
なので、がんの入院保障は保障額が膨らみにくいのが現状。
最近のがん保険は入院保障を重視しなくなっているのですが、もちろん長期入院となる可能性はゼロではありません。致命的な状況を救うのが保険の大切な役割とすれば、三井住友海上あいおい生命「&LIFEガン保険Sセレクト」の入院無制限保障は安心感があります。
また、三井住友海上あいおい生命「&LIFEガン保険Sセレクト」は短期入院にも対応してます。日帰りから5日間までの入院は一律5日分の入院給付金が給付です。短期入院から長期入院まできっちり保障されます。
【主契約】ガン診断給付型(ガン診断給付特約)
続いてガン診断給付型。
上述のとおりがんの入院が短期化している現状では、ガン入院給付型の保障額は大きくなりにくいです。先ほど100日入院(がんにしては長い入院)して、手術1回受けたケースを例にしましたが、それでも保障額は60万円。
一方で、ガン診断給付型は
「あなたはがんです」
と診断されただけで一時金100万円をゲットです。まとまった金額を治療の早い段階で受け取ることができるので、
「がん保険、入っておいてよかった…」
とわかりやすく実感できるのがこちらのタイプです。
特に一時金保障が役立つのは、がんが失業につながりやすい非正規雇用の方やブラック企業に勤務されている方。
東京女子医大の調査ではがんと診断されてから、フルタイムで復職できるまでの期間平均が205日(時短勤務を含めると80日)だそうですが、時短勤務制度もないし、205日も勤務先が待ってくれないという場合は、がんと失業のWパンチを食らうこともあるでしょう(実際多いです)。
そんなときに100万円を銀行口座に振り込んでくれるのが一時金保障です。生活を破綻させないために必要な保障です。
給付額 | 給付条件 | 給付間隔 |
100万円等 | 【1回目】がんと診断された場合。 【2回目以降】がんで入院した場合。 |
1年に1回(給付回数無制限) |
以下、ポイントです。
- 【GOOD!】給付間隔が1年に1回で給付回数無制限。
- 【GOOD!】上皮内がんも給付対象。一時金が減額されることもない。
- 【BAD】2回目以降の給付は入院が条件。通院治療だけでは給付されない。
ちょっと古いがん保険だと給付間隔が2年に1回となることもありますが、がんなんて2年以内に再発することも珍しくありません。がんが再発して絶望的な状況なのに、
「あ!前回から2年経過していないので一時金お支払いできません!」
って言われたらイラっときます。その点、三井住友海上あいおい生命「&LIFEガン保険Sセレクト」は1年に1回間隔、回数無制限で一時金給付です。この点は安心です。
また、上皮内がんが保障される点もメリットでしょう。他社だと上皮内がんが保障対象外だったり、一時金を減額することもあります。
上皮内がんとは、がん細胞が血管やリンパ管に到達していない初期のがんを指します。がん細胞は血管やリンパ管で運ばれて転移していくので、上皮内がんの段階でサッと手術で切り取れば再発や転移する可能性は低いと言われてます。
「早めに見つかって良かったですね」
と言われるのが上皮内がん。大腸がんだと2割、子宮頸がんだと半数以上が上皮内がんで発見されたというデータもあり、珍しいがんではありません。
上皮内がんを気にする必要があるのは、特に女性です。乳がんは上皮内がんであっても通常のがんと同程度の治療が必要になるケースがあります。この点は女性にとってうれしいメリットですね。
ちょっと残念なのは2回目以降の給付条件が入院に限定される点です。がんの3大治療は手術・薬物療法(抗がん剤)・放射線治療と言われていますが、手術を除けば通院で受けることが増えてきています。通院治療だけだと一時金が給付されません。
最近のがん保険は入院でも通院でも治療を受けていれば一時期給付されることが多いです。給付条件が入院に限定されてしまうと、がんの治療が続いているのに一時金給付されないこともあるでしょう。この点は三井住友海上あいおい生命「&LIFEガン保険Sセレクト」のデメリットです。
まとめると、1年に1回間隔で回数無制限給付と上皮内がんを保障対象とする点は他社同等、しかし2回目の給付条件が入院に限定される点は他社より劣るかなと。一時金タイプのがん保険なのに、2回目を入院に限定してしまうのはちょっとなあと感じます。
ちなみにですが、全く同じ保障内容のオプションをガン入院給付型に付加することも可能です(ガン診断給付特約)。
「一時金保障も入院保障もどっちも大切!」
という方なら、ガン入院給付型にガン診断給付特約を付加することになります。
【重要です】ガン先進医療特約
給付額 | 給付条件 |
・先進医療の技術料実費(保障期間通算で2,000万円まで保障) ・宿泊費、交通費の実費 |
先進医療を受けた場合。 |
先進医療とは、厚生労働省が指定した公的医療保険の対象にするかを評価する段階にある治療・手術を指します。健康保険が適用されないので技術料は全額自己負担(入院費や診察費等は健康保険が適用されて3割負担)。なので、先進医療を受けると高額な医療費を請求されることもありますが、その医療費実費を保障してくれる特約です(2,000万円まで保障)。
例えば、先進医療のひとつである重粒子線治療は放射線治療の進化版。がん細胞に対する効果が通常の放射線治療の2~3倍ほど高く、治療期間も短くすることができると言われています。
重粒子線治療はその効果が認められ、保険適用となる疾患が順次拡大されています。2016年には小児がん、2018年には前立腺がんと頭頚部がん、そして2022年4月には肝細胞がん(長径4㎝以上)・肝内胆管がん・膵がん・大腸がんの骨盤内再発・子宮がんに保険が適用されるようになりました。
しかし、それ以外のがん治療に用いる場合はまだ先進医療扱い。治療費は約300万円かかるのですが、この300万円を保障するのが先進医療特約です。
先進医療には重粒子線治療以外にも様々な治療があります。先進医療特約を付加しておけば、保険適用を待つこともなく(お金を気にせず)治療を受けることができます。保険適用を待ってる間に手遅れになってしまった!なんていう最悪の事態を避けられます。
以下、ポイントです。
- 【GOOD!】保障期間通算で2,000万円まで保障。
- 【GOOD!】宿泊費・交通費の実費を保障。
- 【BAD】宿泊費・交通費の実費保障はいろいろ面倒。
ちょっと古いがん保険だと保障限度額が500万円とか1,000万円とかの場合もあります。2,000万円上限は他社同等です。悪くありません。
また、先進医療を対応できる病院は限られているため、遠方に移動することもあり得ます(上述した重粒子線治療を受けられる病院は2023年10月時点で全国7ヶ所のみ)。その場合の宿泊費・交通費の実費を保障してくれるのは助かりますよね。
ただし、実費保障はいろいろ面倒です。領収書の提出といった手続きがありますし、
- 宿泊費の上限が1泊1万円
- 保障されるのは被保険者の交通費・宿泊費のみ(付添いは保障されない)
というちょっとセコい制限もあります。
他社は定額保障(15万円とか)することが多く、実費保障はちょっとめんどくさいかもしれないですね。
まあでも保障内容に大きな問題はありません。特約保険料も安いですし(月100円くらい)、人生一発レッドカードを避けるためにも優先度高めの特約です。
【重要です】抗ガン剤治療給付特約
給付額 | 給付条件 |
月10万円等 | 抗がん剤治療を受けた場合(120回まで給付)。 |
抗がん剤治療・ホルモン剤治療を受けた月に定額給付される特約です。
抗がん剤治療が必要になるケースは大きく2パターンあります。
- 手術でがん細胞を切除できて、再発予防するための抗がん剤治療。
- 手術でがん細胞を切除できず、進行を遅らせるための抗がん剤治療。
1のケースはあっさりと抗がん剤治療は終了します。働きながらの治療も不可能ではないので、経済的なピンチに陥ることもそんなにありません。
本当に怖いのは2のケースです。この場合は副作用が辛くて満足に働くことも難しく、収入減もあり得ます。治療の終わりも見えなくなり、銀行口座の残高が徐々に減っていく抗がん剤ドロ沼にハマります。
ベッドの上で虚空を見上げながら
「あ、これ、やばいかも…」
と、メンタルが削られまくるなかで、毎月定額を銀行口座に振り込んでくれるのが抗ガン剤治療給付特約です。優先度高めのオプションです。
しかし、保障内容は他社のがん保険と比較してやや遅れてるかなと。三井住友海上あいおい生命「&LIFE ガン保険Sセレクト」が主に保障するのは健康保険が適用される抗がん剤治療であり、
日本では承認が遅れているけど、欧米では承認されて使用が進んでいる最新の抗がん剤
が保障されるかは微妙です。
こんな抗がん剤治療を受けることになると、
- 製薬会社の治験
- 先進医療
- 患者申出療養
- 自由診療
のどれかを選択することになります。
運良く治験を受けられれば薬剤費は無料。その他の医療費も健康保険が適用されるので、医療費はググっと抑えられます。
2の先進医療は上記の先進医療特約で説明したとおり、健康保険の対象にするかを評価する段階にある治療・手術を指します。
先進医療には健康保険が適用されません。診察料・入院料といった技術料以外の医療費は健康保険が適用されるものの、先進医療の技術料は全額自己負担です。
3の患者申出療養は患者が国に
「未承認薬の抗がん剤だけど、他に手段がないので受けさせてください!」
と申請する制度です。
申請が認められれば先進医療と同じく診察料・入院料といった技術料以外の医療費は健康保険が適用されますが、こちらも技術料は全額自己負担。
この2と3のケースは民間のがん保険で救うことができます。三井住友海上あいおい生命「&LIFEガン保険Sセレクト」ならガン先進医療特約が2のケースを保障対象にしてますし、抗ガン剤治療給付特約は2と3のケースも保障対象としています。
ただし、先進医療と患者申出療養はまだまだ黎明期です。令和3年に先進医療を受けた方は5,843人(がん以外も含む)ですし、患者申出療養は令和2年7月1日から令和3年6月30日までの1年間で208人(参考:厚生労働省)。
実際は4の自由診療で受けるケースが多いでしょう。
自由診療は先進医療・患者申出療養とは異なり、治療費全額が自己負担です。本来であれば健康保険が適用されて3割負担となる診察料・入院料といった費用も10割負担。もちろん高額療養費制度も利用できないので、治療費は青天井に膨らみます。
国立がん研究センターが2021年10月時点の未承認・適応外の医薬品を下記リンク先にまとめてますが、月100万円かかる抗がん剤なんてざらにあります。これが全額自己負担はかなりつらい…。
→国内で薬機法上未承認・適応外となる医薬品・適応のリスト(2021年10月31日改訂版)(PDF)
なかなか一般庶民に手が届く治療ではありませんが、最近のがん保険はここまで保障しています。
例えば、メットライフ生命「ガードネクスト」は自由診療の抗がん剤治療を通算1億円まで保障。SOMPOひまわり生命「勇気のお守り」も自由診療の抗がん剤を打った月に定額給付するオプションがあります。
健康保険が適用されない治療を望まないのであればデメリットとは言えませんが、切羽詰まった状況になればあらゆる選択肢を考えたくなるもの。他社のアンケート調査では、がん罹患者・がん罹患経験者の19.8%が医師から自由診療を提案されたという結果が出ています(実際に受けた方は11.7%)。
ちょっと前までなら自由診療を保障しないがん保険が標準的でしたが、最近のがん保険は進化しています。新しいがん保険なのにこれは「う~ん…」と感じます。
【重要ではありません】ガン治療通院給付特約
給付額 | 給付条件 |
通院1日あたり5,000円等。 | 診断・再発・転移・入院から5年以内の治療を目的とした通院(入院のない通院でも保障される)。 |
がんでの通院1日あたりに定額が給付される特約です。
以下、ポイントです。
- 【GOOD!】5年以内の通院が無制限に保障される。
- 【GOOD!】入院のない通院も保障対象。
- 【GOOD!】上皮内がんも給付対象。通院給付金が減額されることもない。
他社だと「退院後180日間以内の通院のみ保障」というように退院から半年以内の通院に限定して保障することが多いのですが、再発と転移を繰り返すがんが半年しか保障されないのは不安です。また、入院前の通院も保障されないことが多いです。
一方で、三井住友海上あいおい生命「&LIFEガン保険Sセレクト」の診断・再発・転移・入院から5年間の通院は無制限保障です。がんは5年間何もなければ寛解と言われているので、実質的には無制限保障かと。入院前の通院も保障される点も安心です。
ただし、通院治療なら働けることもけっこうあります。通院保障は通院1日5,000円程度なので、社会復帰して収入も戻りつつある状況なら
「いや、5,000円のために請求手続きってちょっと面倒だな…」
ということもあるでしょう。
上述のとおり本当に怖いのは副作用のきつい抗がん剤治療を受けて働くこともできず、じっと耐えるしかない抗がん剤ドロ沼です。優先度が高いのは抗ガン剤治療給付特約と感じます。抗ガン剤治療給付特約の保障額は月10万円。これなら手続きする気力も沸いてきます。
【重要ではありません】ガン退院療養給付特約
給付額 | 給付条件 | 上皮内がん |
入金給付金の20倍。 | 20日以上入院してから退院した場合。 (給付回数無制限) |
給付対象 |
退院時に一時金が給付される特約です。
ただし給付条件は20日以上の入院。繰り返しますが、がんの入院期間平均は以下のとおり。
胃の悪性新生物:22.3日
結腸及び直腸の悪性新生物:16.4日
肝及び肝内胆管の悪性新生物:20.8日
気管、気管支及び肺の悪性新生物:21.1日
(参考:生命保険文化センター)
平均からすると、ちょうど20日程度です。20日以上の入院という給付条件は低いハードルではありません。がんで入院したのに一時金を受け取れないケースもあり得ます。
繰り返しますが、退院したあとで辛いのは副作用のきつい抗がん剤を打ち続けるケースです。抗ガン剤治療給付特約を付加しておけば、まあ不要かなと感じます。
【重要ではありません】ガン死亡保障特約
給付額 | 給付条件 | 上皮内がん |
50万円等 | がんで亡くなった場合。 | 給付対象 |
がんで亡くなった場合を保障する特約です。
がん以外の原因で亡くなった場合は保障対象外です。事故や脳卒中や心筋梗塞で亡くなった場合は保障されません。
必要性は薄いでしょう。亡くなった原因を限定しない死亡保険で備えていたほうが安心です。
【重要ではありません】ガン保険料払込免除特約
給付額 | 給付条件 |
保険料の支払いが免除される(保障は継続)。 | がんと診断されたとき。 |
よくCMで見る「以降の保険料は頂きません!」という特約です。がんと診断されれば、以降の保険料支払いが免除されます。
保険料の支払いが免除されると確かに嬉しいのですが、保険料払込免除特約は有料です。付加すると毎月支払う保険料がググっとあがります。保険料を上げてまで保険料払込免除特約を付加するかは微妙なところ。
そもそもがん保険の保険料はそこまで高くないので、不要かなと。
【シミュレーション】僕が「&LIFEガン保険Sセレクト」に入るなら。
僕が三井住友海上あいおい生命「&LIFEガン保険Sセレクト」に入るなら、以下の保障内容にします。
- 主契約:ガン診断給付型100万円
- 特約:ガン先進医療特約、抗ガン剤治療給付特約(10万円)
がんの入院が短期化している現状では、ガン入院給付型の保障額は大きくなりにくいですし、通院治療が長引いた場合に不安が残ります。軽微ながんでもドンっと一時金給付されるガン診断給付型は過剰保障とも言えますが、過剰であっても安心なのはガン診断給付型。どちらか選べと言われれば、僕はガン診断給付型を選択します。
オプションについて。
医療費が高額になりやすい先進医療を実費保障するがん先進医療特約は必須。ガン診断給付型は2回目以降の給付条件に通院が含まれないので、抗ガン剤治療給付特約も付加しておきます。これで通院で抗がん剤治療を受けてるけど副作用がきつ過ぎて働けない!といったケースにも耐えられるかなと。
このシミュレーションだと40歳男性の保険料は月2,944円、40歳女性は月3,299円です。
ここで他社と月々の保険料比較してみます。
比較対象は業界最安値クラスのがん保険であるSOMPOひまわり生命「勇気のお守り」とします。
SOMPOひまわり生命「勇気のお守り」は非喫煙者だと保険料が割引されます。ここでは喫煙者と非喫煙者に分けて比較してみます。
三井住友海上あいおい生命 | SOMPOひまわり生命 | ||
保障内容 | ガン診断給付型100万円 ガン先進医療特約 抗ガン剤治療給付特約(10万円) |
がん診断給付型100万円 新がん先進医療特約 抗がん剤・ホルモン剤治療給付特約(10万円) |
|
保険料 | 保険料は喫煙者も非喫煙者も同じ | 非喫煙者 | 喫煙者 |
30歳男性 | 1,999円 | 2,001円 | 2,091円 |
30歳女性 | 2,367円 | 2,541円 | 3,091円 |
40歳男性 | 2,944円 | 2,901円 | 3,051円 |
40歳女性 | 3,299円 | 3,321円 | 4,131円 |
保障内容は極力合わせてますが、微妙に違いがあります。
- SOMPOひまわり生命の一時金保障は2回目以降の給付条件が入院or通院or在宅療養。なにがなんでも払ってやろうという意気込みがある。
- SOMPOひまわり生命の抗がん剤・ホルモン剤治療給付特約は自由診療の抗がん剤治療も保障対象。
上述した三井住友海上あいおい生命「&LIFEガン保険Sセレクト」の気になる点が解消されてます。
上表のケースでは40歳男性を除いて三井住友海上あいおい生命の方が安くなってますが、それは上記のとおりSOMPOひまわり生命の方が保障が厚いため。これくらいの保険料差であれば、非喫煙者なら男女ともにSOMPOひまわり生命の方が良いかなと感じます。
喫煙者の方なら、男性は保険料がほぼ互角なので保障が厚いSOMPOひまわり生命かなと。女性は微妙です。これくらい保険料に差があれば、三井住友海上あいおい生命もアリですね。
三井住友海上あいおい生命「&LIFEガン保険Sセレクト」のデメリット
ガン診断給付型(ガン診断給付特約)の2回目の給付条件が入院に限定されている。
上述のとおり、ガン診断給付型(ガン診断給付特約)の2回目の条件は入院に限定されていて、通院治療のみの場合は給付対象になりません。
がんの3大治療は手術・薬物療法(抗がん剤)・放射線治療と言われていますが、手術を除けば通院で受けることが増えてきています。最近のがん保険のトレンドは3大治療を受けていれば入院でも通院でも一時金給付。
この点はデメリットでしょう。
女性特有のがん手術を特別に保障するオプションがない。
他社は女性特有のがん手術に対して特別に一時金を給付するオプションがあったりします。
例えば、
- 乳房切除術・子宮摘出術・卵巣卵管摘出術を受けたら50万円
- 乳房再建術を受けたら100万円
といった保障内容です。
これが三井住友海上あいおい生命「&LIFEガン保険Sセレクト」にはありません。
このような女性特有の手術に対して保障額を上乗せさせても意味がない(かかる医療費は通常のがん手術と同じ)という意見もあります。確かに平均からすると、女性特有のがんが他のがんより治療費が高くなるということはありませんし、高額療養費制度を利用すれば月々の医療費上限はある程度決まります。
しかし、↑のがん手術は他の手術よりも精神的ダメージが大きいです。手術を受けて凹んでいるところに、がん保険から100万円が給付されれば、
「退院したら海外旅行へ行こう」
「美味しいものを食べにいこう」
「欲しかったバッグを買ってみよう」
といったように、ほんの少しだけ前向きな気持ちになれる方も多いです。
また、乳房再建術には大きく
- インプラント。シリコン製の人工乳房。
- 自家組織による再建。お腹や背中の組織を移植する。
- 脂肪注入。
の3種類があるのですが、インプラントと自家組織は健康保険が適用されます。もちろん高額療養費制度の対象なので、手術費用がめちゃくちゃ高くなるということはありません。
一方で、脂肪注入は自由診療なので、現時点で健康保険は適用されません。費用は全額自己負担で100万円を超えることもあります。
E-BeCという非営利団体のアンケート調査では、全体の約45%がインプラントで、約15%が自家組織による再建を選択。脂肪注入は約10%なので多いとは言えませんが、極々稀な選択肢とも言えません。がん保険で保障されれば脂肪注入も選択肢に入るでしょう。
自由診療の抗がん剤治療が保障対象外。
繰り返しますが、全額自己負担となる自由診療の抗がん剤治療は抗ガン剤治療給付特約の保障範囲に含まれません。抗ガン剤治療給付特約が保障するのは、主に健康保険が適用される抗がん剤治療です。
最近発売されたがん保険は自由診療の抗がん剤治療も保障対象とすることが多いです。いざとなったら自由診療も辞さないという方なら、他社のがん保険と比較しておいた方がいいでしょう。
また、健康保険が適用されない治療を望まない方でも、窮地に追い込まれれば
「考えておけばよかった…」
と、後悔することも割とあります。
三井住友海上あいおい生命「&LIFEガン保険Sセレクト」のメリット
がんの入院を無制限保障(ガン入院給付型)。
繰り返しますが、がんの入院が短期化しているといっても長期入院になる可能性はゼロではありません。
可能性は高くないけれど、現実に起こってしまったらダメージが大きいリスクに備えるのが保険の役割とすれば、入院の無制限保障は大きな意味を持ちます。この点はメリットでしょう。
保険料は安い(特に喫煙者の女性)。
先述のとおり、がん保険では保障内容・保険料の両面でトップクラスのSOMPOひまわり生命「勇気のお守り」と比較しても、三井住友海上あいおい生命「&LIFEガン保険Sセレクト」は保険料が安いです。
保障内容を加味すれば、特に喫煙者の女性が安いかなと。
しかし、多少の保険料差であれば保障内容にメリットがあるSOMPOひまわり生命「勇気のお守り」の方が良いかなとは感じます。
三井住友海上あいおい生命「&LIFEガン保険Sセレクト」の評価。
評価:B(S、A~Cで判定)
リニューアルされたにしては真新しい点がなく、まあふつうかなと。
一時金ベースのがん保険としては保険料面で強みがありますが、保障内容を加味すれば他社との比較は必須と感じます。2回目以降の給付条件が通院に限定される点はちょっとつらい…。
一方で、最近にしては珍しく主契約に入院・手術保障を選べるので、がんの長期入院に対する備えを重視するのなら選択肢に入るがん保険でしょう。
よって評価は「B」としました。まあふつうです。
比較対象として下記のがん保険を挙げておきます。
●SOMPOひまわり生命「勇気のお守り」
保険料が最安値クラス。自由診療の抗がん剤治療も保障対象にできますし、一時金の2回目以降の給付条件に通院治療も含まれます。オプションを追加すれば入院を無制限保障とすることも可能です。
●ネオファースト生命「ネオdeがんちりょう」
SOMPOひまわり生命と並んで保険料は最安値クラスです。こちらも自由診療の抗がん剤治療も保障対象にできますし、一時金の2回目以降の給付条件に通院治療も含まれます。先進医療特約が10年更新型なのがちょっと残念。
●メディケア生命「メディフィットがん保険」
喫煙者だとSOMPOひまわり生命・ネオファースト生命より保険料が安くなる可能性があります。こちらも自由診療の抗がん剤治療も保障対象にできますし、一時金の2回目以降の給付条件に通院治療も含まれます。オプションを追加すれば入院を無制限保障とすることも可能。女性特有の手術に対する保障もオプション追加できます。
がん保険全般の比較は下記リンク先でやってます。こちらもご参考に。
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保険金の不払い率をこちらにまとめていますが、不払いとなる理由の多くは
- 契約時の告知事項に不備があった。
- 契約上、保険会社に支払う責任がない。
の2点。
1点目は保険を契約する際に生命保険会社へ知らせた告知事項(過去の病歴とか現在の健康状況とか職業等)に誤りがあったケースで、これは保険ショップのスタッフが契約時にしっかり説明すれば回避できます。保険クリニックでしっかり説明を受けて契約すれば、まず該当することはないかと。
また、2点目はそもそも保険会社に保険金を支払う責任がないケースですが、医療保険やがん保険には責任分界点が微妙なグレーゾーンが存在します。微妙なグレーゾーンでキーになるのが医師が書く診断書。診断書の表現ひとつで保障されないこともあります。
そんなときに、
「こういうふうに診断書を書いてもらうと保障されやすいですよ」
といったアドバイスをできるのは保険ショップのスタッフだけです。生命保険会社のコールセンターに問い合わせても、わざわざ自分たちの不利になるアドバイスはしてくれません。
保険クリニックはアフターフォローの評価も高めです。契約後のコミュニケーションを密にしておくことで、万が一の場合には腹を割った相談がしやすくなります。こういう裏情報的なアドバイスは信頼関係がないとできないことなので。
実際に利用した方の口コミは以下のとおり。
「たまたま優秀な人が担当になっただけじゃないの?」
という疑惑も沸いてきますが、保険クリニックはデジタル化が進んでいて独自に開発した提案システムを使ってます。スタッフのクオリティに偏りができにくい点もメリットでしょう。
予約は簡単です。
①保険クリニックのサイトにアクセスする。
②最寄りの店舗を検索する。
オレンジ色のボタンから店舗検索できます。オンライン相談も可能です。
③予約日時を選択する。
④以下を入力して予約完了。
- 相談方法(来店or訪問)
- 名前
- 連絡方法(電話・メールor電話のみ)
- 電話番号
- メールアドレス
- 保険クリニックを知ったきっかけ(リストから選択)
- 要望等(任意入力)
これで予約は完了。1分もあれば予約できます。
50社以上の保険会社と提携している点も評価できます。三井住友海上あいおい生命はもちろんのこと、比較対象としたSOMPOひまわり生命・ネオファースト生命・メディケア生命とも提携しています。各社の比較もかんたんにやってくれます。
もちろん相談は無料です。気軽な気持ちで相談して大丈夫ですよ。
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【保険ショップの検索・予約なら】保険相談ニアエル
保険ショップの検索・予約は↓をクリック!
近所に保険クリニックがない場合は、保険相談ニアエルで最寄りの保険ショップを検索してみてください。保険ショップには複数回相談に訪問することもあるので、自宅との距離のは割と重要です。
保険相談ニアエルは全国1,500店舗の保険ショップを区市町村単位で検索できます。保険ショップに関する
- 取り扱っている保険会社
- 実際に利用した人の口コミ
- 営業時間、交通アクセス等の基本情報
といった情報も掲載されています。取り扱っている保険会社が事前にわかるので、希望していた保険を提案されなかった!といった悲劇もないですし、厳しい口コミもそのまま掲載されているので、ちゃんと選べば安心して相談ができるかなと。
また、保険相談ニアエルでは相談予約もできます。予約は簡単で
- 相談希望日時
- 氏名
- 生年月日
- 電話番号
- 相談内容(保険見直しor新規加入orその他)
だけ入力すれば完了。1分程度で終わる作業です。
予約した後には店舗から電話で予約確認があります。電話の際にざっくりと相談したい内容だとか、その他の要望(女性スタッフ希望等)を伝えておけば、相談もスムーズに進みます。
もちろん予約は無料です。気軽に予約して大丈夫です。
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生命保険の相談は無料でできるし、相談したからって生命保険に入る必要はない。
生命保険の相談はもちろん無料です。
しかも、無料で相談したからといって、提案された保険に必ず入らなければならないということはありません。提案内容に納得できなければ、
「うーん、よく考えてみます…」
と、やんわりお断りしてOKです(お断りする人はかなりいます)。
相談しているときに過度な勧誘もなければ、お断りした後にしつこい電話攻勢というのもありません。最近は過度な勧誘やしつこい電話は法律で禁止されています。そんなことしたら業務停止です。
生命保険の相談は気軽な気持ちで。過度に重く考える必要はありません!
まとめ
公式サイト:三井住友海上あいおい生命「&LIFE ガン保険Sセレクト」
一時金ベースのがん保険としては保険料は安いのですが、2回目以降の給付条件が通院に限定されるといったデメリットもあります。↓に比較対象となるがん保険を挙げていますが、保険料が大きく変わらないのであれば、他社のほうが良いかなとは感じます。
一方で、最近にしては珍しく主契約に入院・手術保障を選べるので、がんの長期入院に対する備えを重視するのなら選択肢に入るがん保険でしょう。
以下、比較対象のがん保険です。
●SOMPOひまわり生命「勇気のお守り」
保険料が最安値クラス。自由診療の抗がん剤治療も保障対象にできますし、一時金の2回目以降の給付条件に通院治療も含まれます。オプションを追加すれば入院を無制限保障とすることも可能です。
●ネオファースト生命「ネオdeがんちりょう」
SOMPOひまわり生命と並んで保険料は最安値クラスです。こちらも自由診療の抗がん剤治療も保障対象にできますし、一時金の2回目以降の給付条件に通院治療も含まれます。先進医療特約が10年更新型なのがちょっと残念。
●メディケア生命「メディフィットがん保険」
喫煙者だとSOMPOひまわり生命・ネオファースト生命より保険料が安くなる可能性があります。こちらも自由診療の抗がん剤治療も保障対象にできますし、一時金の2回目以降の給付条件に通院治療も含まれます。オプションを追加すれば入院を無制限保障とすることも可能。女性特有の手術に対する保障もオプション追加できます。
三井住友海上あいおい生命「&LIFE ガン保険スマート」は保険クリニックで相談できます。この記事でご紹介したSOMPOひまわり生命・ネオファースト生命・メディケア生命とも提携しているので、手っ取り早いのは保険クリニックです。
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