障害を負ってしまったような状況を幅広く保障していますし、入院・在宅療養の保障範囲は5疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中・肝硬変・慢性腎不全)に限定されるものの、働けなくなる原因の多くはカバーできてると感じます。保障内容は悪くないです。
しかし、保険料は高めかなと。
保険料は高くなる要因は「給付金支払期間」でしょう。一般的な就業不能保険は働けるようになれば給付がストップするのに対し、東京海上日動あんしん生命は状態が回復して働けるようになったとしても、給付金支払期間中は給付が続きます。
まあ病み上がりでいきなりフルタイム勤務できることは少ないです。時短勤務とか休暇を交えながら徐々にフルタイムに近づいていくことが多いと思いますが、その間は収入も元に戻らないことが大半でしょう。
なので、働けるようになっても給付金支払期間中はずっと給付が続く点は安心ですが、見方を変えれば元気になっても受け取れる給付金は過剰保障。過剰な保障は保険料に跳ね返ります。
就業不能保険の選び方のポイントは↓のリンク先に書いています。
リンク先の内容を要約すると、選び方で大切なのは以下の5点です。
まずはざっと概要を書いておきます。上記5点について、東京海上日動あんしん生命「あんしん就業不能保障保険」の概要と評価は以下のとおりです。
項目 | 内容 | 評価 |
公的制度連動(保険会社独自の基準) | 年金基準で障害等級2級以上 手帳基準で障害等級3級以上 要介護2以上 独自基準もあり |
A |
入院・在宅療養 | 保障あり(がん・急性心筋梗塞・脳卒中・肝硬変・慢性腎不全に限定) | B |
メンタル疾患の保障 | 条件:①障害等級1級 給付期間:給付金支払期間満了まで |
B |
復帰後の給付継続 | あり | A |
30歳の月額保険料 (保険金額毎月10万円、給付金支払期間保険期間満了まで、保障期間60歳まで) |
男性:4,090円 女性:4,740円 ※健康体割引ありの保険料 |
C |
40歳の月額保険料 (保険金額毎月10万円、給付金支払期間保険期間満了まで、保障期間60歳まで) |
男性:5,610円 女性:5,540円 ※健康体割引ありの保険料 |
保障内容に大きな問題はないでしょう。
障害等級が年金基準で2等級から保障される点は業界標準。さらに手帳基準で障害等級3級以上及び要介護2以上も保障条件に含まれるので他社よりも幅広いです。
入院・在宅療養は5疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中・肝硬変・慢性腎不全)に限定されますが、個人的な感覚では働けない原因の8割ぐらいはカバーできてるかなと感じます。しかし、ケガの入院が保障対象外なのはやや不安。
メンタル疾患の保障条件は障害等級1級です。他社は入院だけで保障されたり、1級よりも症状が軽い2級から保障されたりするので、条件はやや厳しめです(とはいえ、他社も入院が必要となるような重症のメンタル疾患じゃないと保障されませんが…)。
保険料は高めです。
東京海上日動あんしん生命「あんしん就業不能保障保険」には給付金支払期間という考え方があり、給付が開始されれば給付金支払期間中はずっと継続です。状態が改善してフルタイムで働けるようになっても給付継続です。
例えば、30歳のときに給付期間支払期間5年で契約。そして40歳でがんを発病して給付がスタート。41歳で症状が回復して働けるようになったとしても、45歳までの5年間は給付が続きます。
まあ職場復帰後すぐに収入が元に戻ることも少ないので、一定期間給付継続は安心感がありますが、見方よっては過剰保障とも考えられます。元のようにバリバリ働けるようになって収入も戻ったのであれば、本来的には就業不能保険からの給付は不要です。
過剰な保障は保険料に跳ね返ります。他社には「症状が改善して条件を満たさなくなれば給付ストップ」タイプもあります。このタイプは保障が必要十分なので、保険料も安くおさまります。保険料を重視するのなら、他社の就業不能保険と比較しておいて損はないでしょう。
就業不能保険の相談は保険クリニックで!
(↓をクリックすると保険クリニックへ移動します)
東京海上日動あんしん生命「あんしん就業不能保障保険」の保障条件評価
死亡保険は亡くなったら保険金が支払われます。白黒ハッキリしていてわかりやすいですよね。それに対し、就業不能保険は保障条件(働けない定義)が生命保険各社バラバラです。
まずは就業不能保険で重要な「働けない定義」を評価します。東京海上日動あんしん生命「あんしん就業不能保障保険」の保障条件は下表のとおり。
働けない定義(保障条件) | |
5大疾病 | 以下の疾病で入院・在宅療養が60日を超えて継続したと診断されたとき。 ・がん(上皮内がんは対象外) ・急性心筋梗塞 ・脳卒中 ・肝硬変 ・慢性腎不全 |
障害 | 病気やケガにより、以下のいずれかの障害状態に該当したとき。 ・国民年金法に定める障害等級1級または2級(精神障害は1級のみ)。 ・身体障害者福祉法に定める障害級別1級から3等級。 ・特定生活障害状態に該当したとき。 |
介護 | 病気やケガにより、以下いずれかの介護が必要な状態に該当したとき。 ・公的介護保険制度の要介護2以上 ・要介護状態が180日を超えて継続 |
上表の5大疾病・障害・介護から保障を選ぶことができます。選べるのは以下の3タイプ。
Ⅰ型:障害と介護を保障
Ⅱ型:5疾病を保障
Ⅲ型:全てを保障
以下、それぞれの保障条件です。
公的制度連動の条件(障害・介護)
就業不能保険は障害年金・障害者手帳・要介護認定といった公的制度と連動して保障することが大半です。例えば、片手を失って障害等級2級に認定されると、契約終了(65歳までとか)まで毎月10万円給付といった感じ。
東京海上日動あんしん生命「あんしん就業不能保障保険」は上述のとおり
【障害】
・国民年金法に定める障害等級1級または2級(精神障害は1級のみ)。
・身体障害者福祉法に定める障害級別1級から3等級。
※特定生活障害状態に該当したときも保障条件に含む。
【介護】
・公的介護保険制度の要介護2以上
※要介護状態が180日を超えて継続したときも保障条件に含む。
が公的制度に連動した保障条件です。
まずは障害から。
年金基準で障害等級2級以上を保障する点は標準的。さらに「手帳で3級以上」も含まれるので、他社より保障されやすいです。
障害等級には「障害年金」と「障害者手帳」の2種類があります。ざっくり両者を説明すると以下のとおり。
①障害者手帳の等級:地方自治体が提供している公的サービスの一環。身体障害の場合は1級から7級、精神障害の場合は1級から3級まであり、障害の程度によって等級が決まる(数値が低いほど程度が重い)。認定されると医療費助成や各種税金の軽減措置、公共交通機関での料金割引などを受けることができる(詳しくは厚生労働省のサイトを参照)。
②障害年金の等級:国の年金制度。1級から3級まであり、障害の程度によって等級が決まる(数値が低いほど程度が重い)。認定されると国から障害年金が給付される(詳しくは年金機構のサイトを参照)。
障害者手帳と障害年金は連動していません。申請も別々に行う必要がありますし、認定基準も異なります。障害者手帳だと3級で、障害年金だと2級といったこともあり得ます。
例えば人工弁の移植は手帳だと1級、年金だと3級です。年金基準のみだと2級よりも軽い3級は保障対象外ですが、東京海上日動あんしん生命は手帳も条件に加わっているので保障されます。この点はメリット。
また、「特定生活障害状態に該当したとき」といった独自基準も保障条件に含まれます。
他社は独自基準を設けずに、障害等級2級以上(年金基準)のみを保障条件とすることが多いのですが、国民年金法の障害等級は認定まで原則1年半かかります。障害者手帳も申請から認定まで原則3~4ヶ月かかります。
なので、明らかに重い障害を負っているような状況でも、認定されるまでの数ヶ月は就業不能保険から給付を受けられないことがあるのですが、その期間をカバーするのが独自基準です。独自基準に該当すれば、障害年金・障害者手帳に認定される前から給付を受けられます。この点もメリットでしょう。
続いて介護。
要介護2から保障される点もメリットでしょう。要介護を保障条件にしない就業不能保険は多々あります。
しかし、現役世代が要介護認定を受けることは極めて稀です。そもそも40歳未満の方は要介護認定を受けられないですし、40~64歳の方は下記16疾病が原因で要介護状態となった場合に限定されます。
①がん(回復の見込みがない場合)
②関節リウマチ
③筋萎縮性側索硬化症(ALS)
④後縦靱帯骨化症
⑤骨折を伴う骨粗鬆症
⑥初老期における認知症
⑦進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病(パーキンソン病関連疾患) ⑧脊髄小脳変性症
⑨脊柱管狭窄症
⑩早老症(ウェルナー症候群等)
⑪多系統萎縮症
⑫糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
⑬脳血管疾患(脳梗塞等)
⑭閉塞性動脈硬化症
⑮慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎等)
⑯両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
また、介護のもうひとつの条件「要介護状態が180日を超えて継続」は東京海上日動あんしん生命の独自基準なのですが、こちらは常時寝たきりとか一人で自宅に帰ってこれないレベルの認知症。公的な要介護認定を受けにくい65歳未満を救うための条件なのですが、条件を満たすケースは極めて稀かなと。
介護が条件に含まれる点はメリットではありますが、大きなメリットとは言えません。ささいなメリットといったところでしょう。
以上、全体的に見れば公的制度に連動した保障条件はトップクラスです。かなり良いです。
入院・在宅療養
上述した公的制度連動の保障条件は、症状が固定された後の保障です。しかし、働けない期間は症状が固定された後に限りません。症状が固定される前の治療を受けている期間もだいたい働けません。
そこを救うのが入院・在宅療養の保障です。
しかし、上述のとおり入院・在宅治療で保障されるのは以下の5疾病のみ。
・がん(上皮内がんは対象外)
・急性心筋梗塞
・脳卒中
・肝硬変
・慢性腎不全
ケガの入院は保障対象外ですし、上記5疾病以外の病気も保障対象外です。
個人的な感覚では上記5疾病で働けなくなる原因の8割程度はカバーできると思いますが、他社の就業不能保険はあらゆるケガや病気の入院・在宅療養を保障することが多いです。5疾病に限定する点はデメリットでしょう。
メンタル疾患
働けなくなる原因の多くを占めるメンタル疾患ですが、メンタル疾患を保障しない就業不能保険もけっこうあります。東京海上日動あんしん生命「あんしん就業不能保障保険」はメンタル疾患も保障するので、まずこの点はメリット。
しかし、保障されるのは障害等級1級というかなりの重症です。メンタル疾患の障害等級1級は「常時援助が必要なもの」なので、働くことはもちろん日常生活にも支障をきたすような状態。
これが他社だともうちょっと緩いです。例えばアクサ生命「アクサのネット完結働けないときの安心」のメンタル疾患の保障条件は
①治療を目的とした入院
②障がい等級2級以上
なので、障害等級は1級よりも軽い2級から保障対象ですし、入院でも保障されます。まぁ障害等級2級も入院もけっこう重症なんですけどね。どちらの就業不能保険も、
「ちょっと会社を休んで通院しながら自宅療養する」
といったよくある軽症は保障対象外ですが、条件はアクサ生命の方がゆるい(契約者に有利)です。
ちなみに、他社の就業不能保険はメンタル疾患の給付期間に18ヶ月といった上限を設けることが多いのですが、東京海上日動あんしん生命はメンタル疾患でも給付金支払期間を上限に給付を受けられます。メンタル疾患は超長期の入院になりやすいので、この点はメリットでしょう。
東京海上日動あんしん生命「あんしん就業不能保障保険」のメリット
非喫煙者で血圧・体型(BMI)の条件を満たせば保険料が割引される。
東京海上日動あんしん生命「あんしん就業不能保障保険」は保険料を4つのランクに分けています。具体的な条件は下表のとおりです。
非喫煙者優良体 | 以下の条件を全て満たす場合。 ・過去1年以内に喫煙していない。 ・18.0≦BMI≦27.0 ・血圧の上が139mmHg以下、下が89mmHg以下。 ※BMIは「体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」で求められます。 |
非喫煙者標準体 | 1年以内にたばこを吸っておらず、BMI・血圧が非喫煙者優良体の条件を満たせなかった場合。 |
喫煙者優良体 | 喫煙者(1年内にたばこを吸ったことがある)で、以下の条件を全て満たす場合。 ・18.0≦BMI≦27.0 ・血圧の上が139mmHg以下、下が89mmHg以下。 |
標準体 | 上記のどれにもあてはまらない場合。 |
最も保険料が安くなるのは「非喫煙者優良体」です。健康に気を遣っている方なら保険料が安くなる合理的な仕組みですね。
ただし、他社と比較して保険料が安いかは微妙です。ここで先ほど登場したアクサ生命「アクサのネット完結働けないときの安心」と月々の保険料を比較してみます。
先述のとおり保障範囲や給付期間に違いがあるので参考程度にはなりますが、月額10万円保障・保障期間60歳までを条件に両社を比較してみます。東京海上日動あんしん生命は給付金支払期間を「5年」と「保険期間満了まで」の2パターンで比較してみます。
ちなみに、アクサ生命「働けないときの安心」には割引がありません。非喫煙者でも喫煙者でも、血圧や体型が標準値から外れていても保険料は同じです。
また、アクサ生命には給付金支払期間という考え方はありません。働けない期間は給付が続いて、働けるようになれば給付ストップです。
東京海上日動あんしん生命 | アクサ生命 | ||||
給付金支払期間 | 5年 | 保障期間満了 | 働けない期間だけ保障 | ||
割引 | 非喫煙者優良 | 喫煙者優良 | 非喫煙者優良 | 喫煙者優良体 | 割引なし |
30歳男性 | 1,960円 | 2,350円 | 4,090円 | 4,510円 | 2,200円 |
30歳女性 | 2,230円 | 2,720円 | 4,740円 | 5,230円 | 1,870円 |
40歳男性 | 3,530円 | 4,210円 | 5,610円 | 6,320円 | 2,640円 |
40歳女性 | 3,390円 | 3,910円 | 5,540円 | 6,160円 | 2,320円 |
全般的にアクサ生命の方が保険料は安くなってます。最も保険料が割引される「非喫煙者優良体」だったとしても、アクサ生命の方が安くなる傾向にあります(上表だと30歳男性は東京海上日動あんしん生命の方が安くなってますね)。
保険料が高くなる要因は給付金支払期間でしょう。5年間or保険期間満了まで給付継続は、保険会社にとっても負担が大きいので、保険料を上げざるを得ない面があります。働けない期間だけ必要十分に保障するアクサ生命は保険料が安く収まります。
ちなみに、アクサ生命にはハーフタイプという仕組みがあります。ハーフタイプを選択すればさらに保険料が安くなります(詳しくは後述します)。
給付金支払期間中はずっと給付を受けられる。
繰り返しますが、症状が改善されて働けるようになっても給付金支払期間が終了するまで給付は継続します。
大きな病気で働けなくなってしまうと、職場復帰してすぐに元の収入に戻れるとは限りません。まずは時短勤務で復帰して、徐々にフルタイムへ戻っていくのが一般的。
よくあるのが、がんです。東京女子医大の調査では、がんと診断されてからフルタイムで復職できるまでの期間の平均が205日だそうです。がんと診断されて入院し、退院して時短勤務で職場復帰して、やっとフルタイムも戻るのが概ね7ヵ月後です。
他社の就業不能保険は時短勤務であっても職場復帰すれば給付ストップすることがあるのですが、東京海上日動あんしん生命「あんしん就業不能保障保険」は職場復帰しても給付金支払期間は給付が続きます。収入が戻らない期間も給付が継続するのは安心です。
ただし、給付金支払期間は
- 2年
- 5年
- 保険期間満了まで
の3つから選べるのですが、2年と5年は障害を負った場合に不安が残ります。一生涯働けなくなるような障害を負ったのに、2年や5年で給付ストップは辛い…。
選ぶとすれば「保険期間満了まで」ですが、これが上述のとおり保険料がかなり高め。支払い続けるのはけっこうきつい保険料です。
なのでこの点も一概にメリットとは言えません。アクサ生命のような「働けない期間だけ給付」タイプは保険料が比較的安く収まりますし、障害を負った場合はほぼ確実に保険期間満了まで給付を受けられます。
障害等級の保障範囲が広く、要介護も保障対象。
この点は上述のとおり。障害等級は年金2級以上だけでなく手帳3級以上も保障範囲に含まれます。また、要介護2に認定されても保障対象となります。
アクサ生命「アクサのネット完結働けないときの安心」の公的制度に連動した保障は年金2級以上のみ。手帳は条件に含まれていません。要介護も条件に含まれていません。
この点は東京海上日動あんしん生命「あんしん就業不能保障保険」のメリットです。
入院一時金あり。
以下の疾病で入院した場合に、5疾病初期入院一時金として保障月額の2ヶ月分が支払われます。
- がん(上皮内がんは対象外)
- 急性心筋梗塞
- 脳卒中
- 肝硬変
- 慢性腎不全
上述のとおり、5疾病で入院しても給付が始まるのは60日(2ヶ月)を超えて継続したときです。60日以下といった短期の働けないリスクには対応していません。
軽度のがんなら3週間程度入院して手術を受けて退院、その後は通院で放射線治療やら抗がん剤治療を数回受けて、1ヶ月半くらいで時短勤務で職場復帰といったことはよくあるのですが、こんな場合は保障を受けられません(この点は他社の就業不能保険も概ね同じ)。
「入院して会社休んだのになんだよ!」
ってなります。
その悔しさを5疾病初期入院一時金が慰めてくれます。原則的に長期の働けないリスクに備えられるのが就業不能保険なのですが、5疾病初期入院一時金があることで短期の入院にも備えられます。この点はなかなか画期的。
しかし、5疾病初期入院一時金の原資は契約者が支払う保険料です。短期入院であれば有給休暇と傷病手当金と貯蓄の切り崩しでカバーできることも多いでしょう。既に医療保険に加入していて、入院保障がある場合も必要性は薄いです。
上述のとおり、東京海上日動あんしん生命「あんしん就業不能保障保険」は他社と比較して保険料が高めです。高い要因のひとつに5疾病初期入院一時金があるのかなとも感じます。
東京海上日動あんしん生命「あんしん就業不能保障保険」のデメリット
1点目は上述のとおりです。入院・在宅療養の保障範囲は5疾病に限定されます。ケガやメンタル疾患、5大疾病以外の疾病で入院・在宅療養になったとしても保障されません。他社よりも保障範囲は限定されています。
まあ5疾病で働けなくなる原因の8割程度はカバーできていると思いますが、ケガの入院が保障されない点はやや気になります。注意点ではあります。
また、他社の就業不能保険には「ハーフタイプ」と呼ばれる仕組みがあります。
会社員だと働けなくなっても即座に収入が途絶えることはありません。まずは健康保険から傷病手当金が給付されます。
傷病手当金は月給の約2/3を1年6ヶ月の期間受け取れます。傷病手当金が給付される1年6ヶ月の間は、就業不能保険からの給付金を減額しても生活に困らないことが多いでしょう。
なので、この1年6ヶ月の期間は保障額を半額にして、その代わりに月々の保険料を安くするという仕組みがハーフタイプです。このハーフタイプが東京海上日動あんしん生命「あんしん就業不能保障保険」にはありません。
ここでもう一度アクサ生命「アクサのネット完結働けないときの安心」でハーフタイプを選んだ場合と月々の保険料を比較します。
東京海上日動あんしん生命 | アクサ生命 | ||||
給付金支払期間 | 5年 | 保障期間満了 | 働けない期間だけ保障 | ||
割引 | 非喫煙者優良 | 喫煙者優良 | 非喫煙者優良 | 喫煙者優良体 | 割引なし |
30歳男性 | 1,960円 | 2,350円 | 4,090円 | 4,510円 | 1,670円 |
30歳女性 | 2,230円 | 2,720円 | 4,740円 | 5,230円 | 1,380円 |
40歳男性 | 3,530円 | 4,210円 | 5,610円 | 6,320円 | 2,000円 |
40歳女性 | 3,390円 | 3,910円 | 5,540円 | 6,160円 | 1,710円 |
アクサ生命の圧勝です。
最後に、ここまで比較してきたアクサ生命「アクサのネット完結働けないときの安心」との違いをまとめておきます。
東京海上日動あんしん生命 | アクサ生命 | ||
入院・在宅療養 | 以下の5大疾病に限定。 ・がん(上皮内がんは対象外) ・急性心筋梗塞 ・脳卒中 ・肝硬変 ・慢性腎不全 |
【緩い!】 限定なし。 |
|
障害等級 | 【緩い!】 年金で2級以上、もしくは手帳で3級以上 |
年金で2級以上のみ | |
要介護認定 | 【緩い!】 要介護2以上 |
ー | |
メンタル疾患 | 障害等級1級以上 | 【緩い!】 入院もしくは障害等級2級以上 |
|
入院一時金 | 【嬉しい!】 2ヶ月分 |
なし | |
月額保険料 | 30歳男性 | 1,960円 | 1,670円 |
30歳女性 | 2,230円 | 1,380円 | |
40歳男性 | 3,530円 | 2,000円 | |
40歳女性 | 3,390円 | 1,710円 |
※保険料は保障額月10万円・保障期間60歳まで、東京海上日動あんしん生命は給付金支払期間5年で非喫煙者優良体、アクサ生命はハーフタイプで試算しています。
保険料に大きな差がありますが、東京海上日動あんしん生命「あんしん就業不能保障保険」は症状が回復して働けるようになっても給付金支払期間中はずっと給付継続という保障の厚さと入院一時金が大きな要因でしょう。
保険料が安いアクサ生命は保障条件から外れて働けるようになれば給付ストップです。
「働けない期間だけ保障されれば十分!時短勤務の期間は貯蓄の切り崩しで生きている!」
であれば保険料が安いアクサ生命が良いかなと。
一方で、
「多少保険料が高くても、時短勤務の期間も給付が続いた方が安心!」
という場合は東京海上日動あんしん生命の方が良いかなと。
上述のとおり、がんと診断されてからフルタイムで復帰できるまでの平均が概ね7ヵ月です。7ヵ月程度を就業不能保険からの給付なしで生きていけるかが、ひとつの基準になります。
東京海上日動あんしん生命「あんしん就業不能保障保険」の評価
評価:B(S、A~C)
保障条件は悪くありません。障害は幅広く保障されますし、入院・在宅療養は5疾病に限定されるものの、働けない原因の8~9割くらいはカバーできているかなと。
ただし、保険料は高いです。非喫煙者だったり血圧と体型(BMI)が標準値の場合は保険料が割引になりますが、それでも他社よりは高いです。ハーフタイプを選べないという点も厳しい。
保険料が高い要因は給付金支払期間です。5年を選択すれば多少安くはなりますが、それでも他社と比較すると高く、5年で保険金支払いがストップなので一生涯働けなくなるような状況に不安が残ります。
そして給付金支払期間を保険期間満了までにするとかなり保険料が上がります。払い続けるのがなかなかきつい金額です。
高い保険料を支払うことができる余裕のある方なら選択肢になり得ると感じますが、
「働けない期間だけ必要十分に保障!その代わりに保険料は安い!」
といったよくある就業不能保険で十分ではないかというのが本サイトの見解です。よって評価は「B」としました。
比較対象としてアクサ生命「アクサのネット完結働けないときの安心」、およびライフネット生命「働く人への保険3」を挙げておきます。
両社ともに障害・介護の保障範囲は東京海上日動あんしん生命よりも狭くなりますが、ケガや病気の入院であれば疾病の限定なく保障対象です。そして給付金支払期間という考え方がなく、条件を満たしている期間を必要十分に保障。なので保険料が安く収まります(特にハーフタイプを選べばかなり安くなります)。
就業不能保険は下記リンク先で比較しています。こちらもご参考に。
東京海上日動あんしん生命「あんしん就業不能保障保険」の相談をするなら。
東京海上日動あんしん生命「あんしん就業不能保障保険」は全国の保険ショップで取り扱ってます。ご近所の保険ショップでも取り扱っているはず。
しかし、いざ保険ショップに行ってみて、
「あー、すいません、うち東京海上日動あんしん生命やってないんですよ~」
なんて言われたら立ち直れないですよね。立ち直れなくて働けなくなってしまいますよね。
そんなことにならないためにも、事前に最寄の保険ショップが東京海上日動あんしん生命を取り扱っているか確認しておきましょう。
手堅いのは保険クリニックです。
保険クリニックなら東京海上日動あんしん生命の取り扱いがあります。この記事でご紹介したアクサ生命とも提携しているので、両社の比較もかんたんにやってくれます。
サイト上の予約フォームに相談したい内容をざっくり入力し、予約してから訪問した方が効率的に最適なプランへたどり着けます。
【保険の相談なら!】保険クリニック
保険クリニックの予約は↓をクリック!
保険を検討されているのなら、まずは近所に保険クリニックがあるかを確認してみてください。 生命保険は世の中にたくさんありますが、生命保険を相談する窓口は保険クリニック一択でよいと感じます。
わかりやすく実績を確認できるのが第三者機関による顧客満足度調査。オリコン社が実施した保険ショップの顧客満足度調査にて2021年から2023年までの3年連続No.1、2023年10月に実施した株式会社DRCによるインターネット調査にて総合1位を獲得しています。
保険クリニックは契約手続きとアフターフォローにも定評があります。
保険金の不払い率をこちらにまとめていますが、不払いとなる理由の多くは
- 契約時の告知事項に不備があった。
- 契約上、保険会社に支払う責任がない。
の2点。
1点目は保険を契約する際に生命保険会社へ知らせた告知事項(過去の病歴とか現在の健康状況とか職業等)に誤りがあったケースで、これは保険ショップのスタッフが契約時にしっかり説明すれば回避できます。保険クリニックでしっかり説明を受けて契約すれば、まず該当することはないかと。
また、2点目はそもそも保険会社に保険金を支払う責任がないケースですが、医療保険やがん保険や就業不能保険には責任分界点が微妙なグレーゾーンが存在します。微妙なグレーゾーンでキーになるのが医師が書く診断書。診断書の表現ひとつで保障されないこともあります。
そんなときに、
「こういうふうに診断書を書いてもらうと保障されやすいですよ」
といったアドバイスをできるのは保険ショップのスタッフだけです。生命保険会社のコールセンターに問い合わせても、わざわざ自分たちの不利になるアドバイスはしてくれません。
保険クリニックはアフターフォローの評価も高めです。契約後のコミュニケーションを密にしておくことで、万が一の場合には腹を割った相談がしやすくなります。こういう裏情報的なアドバイスは信頼関係がないとできないことなので。
実際に利用した方の口コミは以下のとおり。
「たまたま優秀な人が担当になっただけじゃないの?」
という疑惑も沸いてきますが、保険クリニックはデジタル化が進んでいて独自に開発した提案システムを使ってます。スタッフのクオリティに偏りができにくい点もメリットでしょう。
予約は簡単です。
①保険クリニックのサイトにアクセスする。
②最寄りの店舗を検索する。
オレンジ色のボタンから店舗検索できます。オンライン相談も可能です。
③予約日時を選択する。
④以下を入力して予約完了。
- 相談方法(来店or訪問)
- 名前
- 連絡方法(電話・メールor電話のみ)
- 電話番号
- メールアドレス
- 保険クリニックを知ったきっかけ(リストから選択)
- 要望等(任意入力)
これで予約は完了。1分もあれば予約できます。
50社以上の保険会社と提携している点も評価できます。東京海上日動あんしん生命はもちろんのこと、比較対象としたアクサ生命とも提携しているので、両社の比較もかんたんにやってくれます(ライフネット生命とは未提携)。
もちろん相談は無料です。気軽な気持ちで相談して大丈夫ですよ。
保険クリニックの予約は↓をクリック!
【保険ショップの検索・予約なら】保険相談ニアエル
保険ショップの検索・予約は↓をクリック!
近所に保険クリニックがない場合は、保険相談ニアエルで最寄りの保険ショップを検索してみてください。保険ショップには複数回相談に訪問することもあるので、自宅との距離のは割と重要です。
保険相談ニアエルは全国1,500店舗の保険ショップを区市町村単位で検索できます。保険ショップに関する
- 取り扱っている保険会社
- 実際に利用した人の口コミ
- 営業時間、交通アクセス等の基本情報
といった情報も掲載されています。取り扱っている保険会社が事前にわかるので、希望していた保険を提案されなかった!といった悲劇もないですし、厳しい口コミもそのまま掲載されているので、ちゃんと選べば安心して相談ができるかなと。ライフネット生命を取り扱っている保険ショップも確認できます。
また、保険相談ニアエルでは相談予約もできます。予約は簡単で
- 相談希望日時
- 氏名
- 生年月日
- 電話番号
- 相談内容(保険見直しor新規加入orその他)
だけ入力すれば完了。1分程度で終わる作業です。
予約した後には店舗から電話で予約確認があります。電話の際にざっくりと相談したい内容だとか、その他の要望(女性スタッフ希望等)を伝えておけば、相談もスムーズに進みます。
もちろん予約は無料です。気軽に予約して大丈夫です。
保険ショップの検索・予約は↓をクリック!
生命保険の相談は無料でできるし、相談したからって生命保険に入る必要はない。
生命保険の相談はもちろん無料です。
しかも、無料で相談したからといって、生命保険に必ず入らなければならないということはありません。
おすすめされた生命保険に納得できなければ、
「うーん、よく考えてみます…」
と、やんわりお断りしてOKです(お断りする人はかなりいます)。
相談しているときに過度な勧誘もなければ、お断りした後にしつこい電話攻勢というのもありません。最近は過度な勧誘やしつこい電話は法律で禁止されています。そんなことしたら、保険ショップは業務停止になってしまいます。
生命保険の相談は気軽な気持ちで。重く考える必要はありません!
まとめ
公式サイト:東京海上日動あんしん生命「あんしん就業不能保障保険」
保障内容は悪くありませんが、他社と比較して保険料は高いです。
保険料が高い要因は給付金支払期間です。元のようにバリバリ働けるようになったとしても、給付金支払期間中は保障が続きます。慣らし期間中には安心感がありますが、ちょっと過剰保障という見方もできます。
高い保険料を支払える余裕のある方なら選択肢になり得ると感じますが、多くの方にとっては
「働けない期間だけ必要十分に保障!その代わりに保険料は安い!」
といったよくある就業不能保険で良いのではないかと。
東京海上日動あんしん生命「あんしん就業不能保障保険」は全国の保険クリニックで相談できます。保険クリニックならこの記事とで比較対象としたアクサ生命とも提携しています。両社の比較もかんたんにやってくれますよ。
保険クリニックの予約は↓をクリック!
※2022年9月更新
コメント
あんしん就業不能保険は一回支給要件になれば契約上の補償期間満了まで支給が止まりません。アクサやsbiは回復したらそこでなので単純比較出来ないですね。
シノ様
コメントありがとうございます!
また、ご指摘ありがとうございました。
確かにコメントで頂いたとおり単純な比較はできませんね。
全面的に内容を見直しておきました。
ご指摘大変助かりました。