【評価B】明治安田生命「いまから認知症保険MCIプラス」デメリットと評価

明治安田生命には「認知症ケアMCIプラス」という医療保険に介護保障を追加したパッケージがあるのですが、これだと認知症保障だけが必要な方の保険料が高くなります(入院保障があるため)。

そこで認知症に保障を絞って開発されたのが明治安田生命「いまから認知症保険MCIプラス」です。全般的にはオーソドックスな認知症保険です。

介護保険・認知症保険の必要性と選び方は↓の書いています。

介護保険・認知症保険は必要か

まずはざっと概要を書いておきます。明治安田生命「いまから認知症保険MCIプラス」の概要と評価は以下のとおりです。

項目 内容 評価
保障タイプ 認知症保険 B
給付タイプ 一時金 B
給付条件 器質性認知症と診断かつ要介護1以上 B

認知症保険なので保障対象は認知症のみ。

「頭はしっかりしてるけど、身体が衰えて介護が必要!」

といったケースは保障されません。認知症は要介護全体の7割程度(推測)なので、介護全般に備えるのなら、認知症保険ではなく介護保険を選んだ方が無難です。

また、給付タイプは一時金です。認知症と診断されれば、まとまった金額が1回だけ給付されます。終わりが見えない介護は条件を満たす限り毎月定額を受け取れる年金タイプが理想的なのですが、明治安田生命「いまから認知症保険MCIプラス」は一時金しか選ぶことができません。この点は惜しい。

給付条件は平均的です。悪くはありません。

条件が緩い他社の認知症保険だと、認知症と診断されただけで保障されることもあるのですが、明治安田生命「いまから認知症保険MCIプラス」は「要介護1以上」という条件が追加されています。まぁ「要介護1」なら介護が必要となる入口です。この時点から保障されれば十分でしょう。

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明治安田生命「いまから認知症保険MCIプラス」の基本情報

まずは基本情報を一覧にしました。他の認知症保険と比較する際の手掛かりにどうぞ。

保険の種類 【認知症保険】
・認知症に備える保険です。
・貯蓄性はありません。支払った保険料は掛け捨てです。
・保険料が値上がりすることはありません。
主契約 【認知症保険金】
器質性認知症と診断
かつ
要介護1以上に認定された場合に一時金給付。
特約(オプション) 【軽度認知障害終身保障特約】
軽度認知障害と診断確定されたとき
または
所定の認知症と診断されたときに一時金給付。
保険料を支払う期間 95歳まで
契約できる年齢 40歳~85歳
保険料を支払う方法 口座振替
保障される期間 終身(一生涯)

明治安田生命「いまから認知症保険MCIプラス」のデメリット

明治安田生命「いまから認知症保険MCIプラス」のデメリット
  • 【check】認知症と診断されただけでは保障されない。
  • 【check】契約から2年間以内に認知症が発生した場合は、支払った保険料が戻ってくるだけ。
  • 【check】保険料は高くもないけど安くもない。

認知症と診断されただけでは保障されない。

冒頭書いたとおり、保障条件は

器質性認知症と診断
かつ
要介護1以上に認定

です。認知症と診断されるだけではなく、国から要介護1以上に認定される必要があります。

ただし、要介護1以上の状態とは

  • 掃除や着替えなど日常生活に何らかの助け(見守りや介助)を必要とする。
  • 立ち上がる時や片足で立つ時に何らかの助けを必要とする。
  • 歩く時や立つ際に何らかの助けを必要とする。
  • トイレや食事はほとんど1人でできる。
  • 混乱したり物事を理解できないことがある。

といった比較的軽度な状態を指します(一人暮らしも不可能ではない状態)。これくらいの状態のうちに一時金を受け取れれば、手遅れにはなりません。

なのでこの点が致命的なデメリットかというと、そんなことはありません。例えば朝日生命「あんしん介護認知症保険」

所定の認知症と診断
かつ
要介護1以上に診断

が条件。

「要介護1以上」は明治安田生命「いまから認知症保険MCIプラス」と同じですが、「所定の認知症」は認知症と診断されればOKということではなく、日常生活に支障を来すくらい進行した状態を指します(要介護2と同等くらいかと)。条件は明治安田生命「いまから認知症保険MCIプラス」の方が緩いです。

ということで、認知症と診断されただけでは保障されない点をデメリットとしましたが、他社と比較すると悪くはありません。平均的です。

契約から2年間以内に認知症が発症した場合は、支払った保険料が戻ってくるだけ。

明治安田生命「いまから認知症保険MCIプラス」は契約から2年以内の保障額が

月払保険料×経過月数

なので、支払った保険料が戻ってくるだけです。実質的に保障がスタートするのは契約から2年目以降です。

まあ認知症の兆候がある親を被保険者にして子が告知を偽って契約、そして契約早々に認知症と診断されて一時金が給付されれば保険会社は大損です。こんなケースを回避するための手段だと思いますが、先述した朝日生命「あんしん介護認知症保険」はこのような期間がありません。他社比較ではデメリットでしょう。

保険料は高くもないけど安くもない。

微妙な表現ですが、保険料は高くもありませんが安くもありません。

ここで60歳を例に月々の保険料を先述した朝日生命「あんしん介護認知症保険」と比較してみます。

まずは60歳男性から。

明治安田生命
いまから認知症保険MCIプラス
朝日生命
あんしん介護認知症保険
保障内容 認知症一時金:250万円
軽度認知障害:20万円
認知症一時金:300万円
軽度認知障害:10万円
60歳男性保険料 4,812円/月 4,016円/月

認知症一時金の保障額は朝日生命の方が大きいのに、保険料は明治安田生命の方が高くなってます。

続いて60歳女性。

明治安田生命
いまから認知症保険MCIプラス
朝日生命
あんしん介護認知症保険
保障内容 認知症一時金:250万円
軽度認知障害:20万円
認知症一時金:200万円
軽度認知障害:10万円
60歳女性保険料 6,283円/月 3,211円/月

こちらは朝日生命の方が認知症一時金の保障額は50万円低いものの、保険料は明治安田生命がほぼ2倍。

明治安田生命の方が保障条件は良いので、保険料が朝日生命より高くなるのは当たり前ですが、特に女性は高いかなと感じます。少なくとも、明治安田生命「いまから認知症保険MCIプラス」はものすごい安い!とは言い切れません。まあ平均的かと。

明治安田生命「いまから認知症保険MCIプラス」のメリット

明治安田生命「いまから認知症保険MCIプラス」のメリット
  • 【check】軽度認知障害(MCI)を保障対象にできる。

軽度認知障害(MCI)とは認知症の前段階です。

「ちょっと最近物忘れが増えてきたかな…」

というのが軽度認知障害。日常生活に支障はないものの、記憶力が衰えてきたような状態を指します(詳細はこちら)。MCIの段階で適切な処置をすることで、認知症の発症を遅らせることができると言われています。

軽度認知障害を保障する認知症保険は増えつつあります。明治安田生命「いまから認知症保険MCIプラス」も軽度認知障害終身保障特約というオプションを付加すれば、軽度認知障害を保障対象にできます。

特約名 保障条件
軽度認知障害終身保障特約 次のいずれかに該当したとき
①軽度認知障害と診断確定されたとき
②所定の認知症と診断確定されたとき

軽度認知障害の検査と治療にはもちろんお金がかかります。

特にMCIスクリーニング検査。MCIスクリーニング検査とは、アルツハイマー病の原因物質となる「アミノロイドβ」に対して、排除機能などをもつ血液中のたんぱく質を調べる検査です。MCIスクリーニング検査を受けることによって、認知症を早期発見できると言われています。

MCIスクリーニング検査は健康保険が適用されません。検査費用は全額自己負担ですが、その額が3万円程度。この費用をカバーするのが軽度認知障害終身保障特約です。

明治安田生命「いまから認知症保険MCIプラス」の評価。

評価:B(S、A~Cで判定)

保障条件は悪くなくて平均的(朝日生命より緩い)、そして保険料も高くもなく安くもなく平均的(朝日生命より高い)。

言わばふつうの認知症保険だと感じます。悪くはないので、えいやっ!で決めてしまっても良いとは思いますが、朝日生命「あんしん介護認知症保険」と一度は比較しておいた方が後々後悔することもないかと。よって評価は朝日生命と同じく「B」が妥当と感じます。

ただし、両者ともに保障対象は認知症に限定されます。

冒頭書いたとおり、認知症は要介護に認定された人全体の7割程度。認知症保険ではその他の3割がカバーできません。本気で介護に備えるのなら、幅広く要介護状態を保障する介護保険の方が安心でしょう。介護全般に備えるのなら、同じ朝日生命の「あんしん介護保険」を選んだ方が無難です。

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明治安田生命「いまから認知症保険MCIプラス」は全国の保険ショップで取り扱ってます。ただし、保険ショップに行ってみて、

「あー、すいません、うち明治安田生命やってないんですよー」

なんて言われたら立ち直れないですよね。せっかく意を決して入った保険ショップで取り扱いがなかったなんて悲劇です。

手堅いのは保険クリニックです。保険クリニックなら明治安田生命はもちろんのこと、本記事で比較対象とした朝日生命とも提携しています。両社の比較もかんたんにやってくれますよ。

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保険金の不払い率をこちらにまとめていますが、不払いとなる理由の多くは

  1. 契約時の告知事項に不備があった。
  2. 契約上、保険会社に支払う責任がない。

の2点。

1点目は保険を契約する際に生命保険会社へ知らせた告知事項(過去の病歴とか現在の健康状況とか職業等)に誤りがあったケースで、保険ショップのスタッフが契約時にしっかり説明すれば回避できます。保険クリニックでしっかり説明を受けて契約すれば、まず該当することはないかと。

また、2点目はそもそも保険会社に保険金を支払う責任がないケースですが、医療保険やがん保険や独自基準のある介護保険・認知症保険には責任分界点が微妙なグレーゾーンが存在します。微妙なグレーゾーンでキーになるのが医師が書く診断書。診断書の表現ひとつで保障されないこともあります。

そんなときに、

「こういうふうに診断書を書いてもらうと保障されやすいですよ」

といったアドバイスをできるのは保険ショップのスタッフだけです。生命保険会社のコールセンターに問い合わせても、わざわざ自分たちの不利になるアドバイスはしてくれません。

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生命保険の相談は無料でできるし、相談したからって生命保険に入る必要はない。

生命保険の相談はもちろん無料です。

しかも、無料で相談したからといって、生命保険に必ず入らなければならないということはありません。

おすすめされた生命保険に納得できなければ、

「うーん、よく考えてみます…」

と、やんわりお断りしてOKです(お断りする人はかなりいます)。

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生命保険の相談は気軽な気持ちで。重く考える必要はありません!

まとめ

公式サイト:明治安田生命「いまから認知症保険MCIプラス」

保障内容も保険料も平均的。

悪くはありませんが、保障条件はちょっと厳しいけど、保険料は安い朝日生命「あんしん介護認知症保険」と比較しておいて損はないでしょう。

また、認知症は要介護全体の7割程度です。認知症保険ではその他の3割がカバーできません。本気で介護に備えるのなら、幅広く要介護状態を保障する介護保険の方が安心でしょう。朝日生命「あんしん介護保険」も比較対象に入れてみてください。

とはいえ、保険の比較なんて面倒ですよね。面倒なことは専門家に相談です。

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