オリックス生命には長年定番だった「新CURE(キュア)」という医療保険があったのですが、その「新CURE」が2022年4月にリニューアルされたのがこちらの「CURE Next」です。
「新CURE」との大きな違いは
- 特定三疾病一時金特約・特定三疾病保険料払込免除特則の保障範囲ががん・急性心筋梗塞・脳卒中から、がん・心疾患・脳血管疾患に拡大された。
- 特約(オプション)に死亡保障が追加された。
の2点。
1点目は最近の医療保険のトレンドです。急性心筋梗塞は心疾患の一部ですし、脳卒中も脳血管疾患の一部です。最近の医療保険は3大疾病と言えば「がん・心疾患・脳血管疾患」なので、ここは他社に追いついた感じです。
2点目について、選択肢が広がるのはメリットですが、医療保険に死亡保障を追加すると手足を縛られた状態になりかねないので、あえて死亡保障を追加する必要はないかなと感じます。
医療保険の選び方のポイントは↓のリンク先に書いています。
リンク先の内容を要約すると、選び方で大切なのは以下の4点です。
まずはざっと概要を書いておきます。上記4点について、オリックス生命「CURE Next」の概要と評価は以下のとおりです。
項目 | 内容 | 評価 |
入院保障 | がん・心疾患・脳血管疾患:無制限保障 糖尿病・高血圧性疾患・肝硬変・慢性腎不全:入院1回120日間まで保障 その他:入院1回60日間まで保障 ※三大疾病無制限型を選択した場合。 |
A |
通院保障(がん) | 抗がん剤治療特約なし | C |
三大疾病一時金 | 【対象となる疾病・給付条件】 がん:初回診断、2回目以降入院 心疾患:急性心筋梗塞は入院または手術、急性心筋梗塞以外は10日間以上の入院または手術 脳血管疾患:脳卒中は入院または手術、脳卒中以外は10日間以上の入院または手術 【給付間隔・上限】 1年に1回、回数無制限 |
B |
先進医療保障 | 通算2,000万円上限・終身型 | A |
30歳の月額保険料 (入院給付金1万円・先進医療特約、保険料支払期間終身) |
男性:2,400円 女性:2,750円 |
B |
40歳の月額保険料 (入院給付金1万円・先進医療特約、保険料支払期間終身) |
男性:3,430円 女性:3,150円 |
入院保障に大きな問題はありません。がん・心疾患・脳血管疾患の入院を無制限保障にできる点は安心です。
抗がん剤治療に対する特別な保障はありません。他社だと抗がん剤治療を受けた月に10万円保障というオプションがあったりしますが、オリックス生命「CURE Next」にはありません。通院で抗がん剤治療を受けてるけど、副作用が辛くて働けない!なんていう状況には不安が残ります。この点はちょっと残念。
また、上述のとおり3大疾病一時金の保障対象は幅広くがん・心疾患・脳血管疾患です。旧「CURE」だと心疾患・脳血管疾患の保障対象が急性心筋梗塞・脳卒中に限定されてましたが、この点は改善されてますね。ただし、急性心筋梗塞・脳卒中以外は「10日間以上の入院または手術」が条件。脳血管疾患は入院が長引くので保障されることが多いと感じますが、心疾患は短期間で退院(手術も受けない)できることが少なくないので、実質的に保障されるのは急性心筋梗塞くらいかと。
先進医療保障は問題ありません。他社同等の通算2,000万円保障です。充実してます。
保険料は平均的です。保障内容を充実させても、シンプルに絞り込んでも平均的。高くはありませんが、業界最安値クラスでもありません。
ちなみに「CURE Lady Next(キュア・レディ・ネクスト)」といった女性向けの医療保険がオリックス生命から発売されていますが、「CURE Next」との違いは入院給付金のみ。がんや女性特有の疾病(子宮や卵巣卵管の疾病等)で入院した場合、入院給付金が増額されます。
確かに入院給付金が増額されると差額ベッド代なんかにも使えてありがたいのですが、他社の医療保険には
- 乳房観血切除術
- 卵巣観血切除術
- 子宮観血切除術
- 乳房再建術
といった女性特有の手術に対する特別な保障があったりします。「CURE Lady Next」はここまでやってくれないので、↑の手術保障に魅力を感じる方は、他社の医療保険と比較したほうがよいでしょう。
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オリックス生命「CURE Next(キュアネクスト)」の基本情報
まずは基本情報を一覧にしました。他の医療保険と比較する際の手掛かりにどうぞ。
保険の種類 | 【医療保険】 ・病気やケガに備える保険です。 ・貯蓄性はありません。支払った保険料は掛け捨てです。 ・保険料が値上がりすることはありません。 |
主契約 | 【入院給付金】 入院1日につき5,000円から20,000円の範囲で選択(1,000円単位)。 【手術給付金】 入院中:入院給付金の20倍 外来:入院給付金の5倍 |
特約(オプション) | 【先進医療特約】 保障期間通算で2,000万円までの技術料。1回につき技術料の10%を給付(50万円限度)。 【特定三疾病一時金特約】 がん・心疾患・脳血管疾患を患い、所定の条件を満たした場合に一時金給付。 【がん一時金特約】 がんと診断(2回目以降は入院)された場合に一時金給付。 【がん通院特約】 がんの治療を目的とした通院1日につき、定額給付。 【通院治療支援特約】 退院時に一時金給付。 【入院一時金特約】 入院時に一時金給付。 【終身保険特約】 死亡時に死亡保険金を給付。 【女性入院特約】 がん、もしくは女性特有の疾病で入院した場合に、入院給付金を増額。 |
保険料を支払う期間 | 60歳まで、65歳まで、終身(一生涯)の3つから選択可能。 |
保険料を支払う回数 | 月払・半年払・年払 |
保険料を支払う方法 | ・口座振替 ・クレジットカード払 |
保障される期間 | 終身 |
加入方法 | インターネット、郵送、対面から加入可能。 |
健康相談サービス | あり(ティーペック社と提携) |
オリックス生命「CURE Next(キュアネクスト)」の保障内容を評価します。
冒頭のところで入院保障・通院保障(がん)・三大疾病一時金・先進医療保障について書きましたが、その他の特約(オプション)を含め、もう少し詳しく見ていきます。
【主契約】入院給付金・手術給付金
オリックス生命「CURE Next」の主契約は入院・手術保障の2本立てです。オーソドックスでシンプルな医療保険です。
名称 | 給付額 | 給付条件 |
入院給付金 | 入院1日につき5,000円から20,000円の範囲で選択(1,000円単位)。 | 入院1日につき給付 |
手術給付金 | 入院中の手術:入院給付金の20倍を給付 外来の手術:入院給付金の5倍を給付 |
手術を受けたとき。 |
入院・手術の保障は他社の医療保険と同水準です。悪くありません。
入院保障はオーソドックスに「入院給付金×入院日数」が保障されるのですが、入院1回に対する入院日数の保障上限が60日間。
それを三大疾病無制限型を選択すれば、入院1回の給付日数上限が
- がん・心疾患・脳血管疾患:無制限
- 糖尿病・高血圧性疾患・肝硬変・慢性腎不全:120日間限度
- 上記以外の病気やケガ:60日間限度
に延長されますし、七大疾病無制限型を選択すれば、
- がん・心疾患・脳血管疾患・糖尿病・高血圧性疾患・肝硬変・慢性腎不全:無制限
- 上記以外の病気やケガ:60日間限度
に延長されます。長期入院にも十分備えられます。
ちなみにですが、入院日数は短期化する傾向にあります。
日本人の平均:29.3日
35歳~64歳の平均:21.9日
(参考:生命保険文化センター)
平均からすると、認知症・統合失調症・アルツハイマー病等の神経系・メンタル疾患や脳血管疾患は入院が長引く傾向にありますが、その他の疾病は意外と短い期間で退院できます。
まあでもこれはあくまで平均です。がんも部位や症状によっては入院が長引きます。入院の延長保障を付加しても保険料はそこまで上がらないですし、少なくとも三大疾病無制限型を選択しておいたほうが安心でしょう。
【重要です】先進医療特約
特約名 | 給付額 | 給付条件 |
先進医療特約 | ・保障期間通算で2,000万円までの技術料。 ・1回につき技術料の10%を給付(50万円限度)。 |
先進医療を受けた場合。 |
先進医療とは、厚生労働省が指定した公的健康保険の対象にするかを評価する段階にある治療・手術を指します。健康保険が適用されないので技術料は全額自己負担(入院費や診察費等は健康保険が適用されて3割負担)。なので、先進医療を受けると高額な医療費を請求されることもありますが、その技術料実費を2,000万円上限で保障してくれるのが先進医療特約です。
例えば、先進医療のひとつである重粒子線治療は放射線治療の進化版。がん細胞に対する効果が通常の放射線治療の2~3倍ほど高く、治療期間も短くすることができると言われています。
重粒子線治療はその効果が認められ、保険適用となる疾患が順次拡大されています。2016年には小児がん、2018年には前立腺がんと頭頚部がん、そして2022年4月には肝細胞がん(長径4㎝以上)・肝内胆管がん・膵がん・大腸がんの骨盤内再発・子宮がんに保険が適用されるようになりました。
しかし、それ以外のがん治療に用いる場合はまだ先進医療扱い。治療費は約300万円かかるのですが、この300万円を保障するのが先進医療特約です。
先進医療には重粒子線治療以外にも様々な治療があります。先進医療特約を付加しておけば、保険適用を待つこともなく(お金を気にせず)治療を受けることができます。保険適用を待ってる間に手遅れになってしまった!なんていう最悪の事態を避けられます。
保障内容は他社と同水準です。保障額は通算2,000万円限度で、一生涯保険料が変わらない終身型です。問題ありません。
また、技術料の10%が一時金として給付されますが、先進医療を受けられる病院が遠方にある場合を想定し、交通費・宿泊費に使われることを意図したお金です(上述した重粒子線治療を受けられる病院は2023年10月時点で全国7ヶ所のみ)。旅費をサポートしてくれるのは嬉しいですよね。
特約保険料は月100円程度と激安。いざ先進医療に頼るしかなくなった際に、お金の問題で受けられないとなったら悔やんでも悔やみきれません。人生一発レッドカードを避けるためにも、優先度高めの特約です。
【重要です】特定三疾病一時金特約
特約名 | 給付額 | 給付条件 |
特定三疾病一時金特約 | 50万円・100万円・200万円から選択可能。 (1年に1回を限度に回数無制限給付) |
【がん】 初回:がんと診断確定 2回目以降:入院 【心疾患】 急性心筋梗塞は入院または手術。急性心筋梗塞以外は10日以上継続入院または手術。 【脳血管疾患】 脳卒中は入院または手術。脳卒中以外は10日以上継続入院または手術。 |
がん・心疾患・脳血管疾患で所定の条件を満たした場合に、まとまった金額の一時金を受け取れる特約です。実際に受け取ってるみると身に染みてわかるのですが、治療の早い段階でドバっと100万円とかが給付されるので
「医療保険…入っておいてよかった…」
と、わかりやすく実感できます。
特に特定三疾病一時金特約が役立つのは、がんが失業につながりやすい非正規雇用の方やブラック企業に勤務されている方。
東京女子医大の調査ではがんと診断されてから、フルタイムで復職できるまでの期間平均が205日(時短勤務を含めると80日)だそうですが、時短勤務制度もないし、205日も勤務先が待ってくれないという場合は、がんと失業のWパンチを食らうこともあるでしょう(実際多いです)。
そんなときに100万円を銀行口座に振り込んでくれるのが特定三疾病一時金特約です。生活を破綻させないために必要な特約です。
以下、ポイントです。
- 【GOOD】給付間隔が1年に1回。
- 【GOOD】上皮内がんも保障対象。
- 【GOOD】心疾患・脳血管疾患をまるごと保障。
- 【BAD】急性心筋梗塞・脳卒中以外は10日以上の入院(または手術)が条件。
- 【BAD】がんの2回目以降の一時金給付条件が入院。
ちょっと古い医療保険だと一時金が2年に1回しか一時金給付されないことがあります。がんも心疾患も脳血管疾患も2年以内に再発することも珍しくありませんが、
「あ、前回から2年経過してないので一時金お支払いできませんよ!」
って言われたらイラっときます。その点、オリックス生命「CURE Next」は1年に1回給付です。悪くありません。
また、上皮内がんが保障される点も評価できます。
上皮内がんとは、がん細胞が血管やリンパ管に到達していない初期のがんを指します。がん細胞は血管やリンパ管で運ばれて転移していくので、上皮内がんの段階でサッと手術で切り取れば再発や転移する可能性は低いと言われてます。
なので、ちょっと古い医療保険だと「上皮内がんなんてがんじゃないよ!」と言い張られて保障対象外になることもあります。大腸がんだと2割、子宮頸がんだと半数以上が上皮内がんで発見されたというデータもあり、上皮内がんもきっちり保障される点はオリックス生命「CURE Next」のメリットでしょう。
それと、これもちょっと古い医療保険だと心臓と脳の保障範囲が急性心筋梗塞・脳卒中に限定されることもあるのですが、オリックス生命「CURE Next」は幅広く心疾患・脳血管疾患を保障対象としています。
急性心筋梗塞は心疾患の一部です。保障対象が急性心筋梗塞に限定されると、急性心筋梗塞以外の心疾患は保障対象外。平成29年の厚生労働省の調査によると心疾患全体の患者数1,732千人のうち、急性心筋梗塞の患者数は47千人。割合にすると2.7%に過ぎません。
ただし、急性心筋梗塞以外の心疾患は
「10日以上の入院、もしくは手術」
が保障条件です。
生命保険文化センターによると、心疾患全体の入院日数平均は24.6日。35~64歳だと12.6日。
例えば狭心症は2,3日程度入院して手術も受けずに退院することも少なくありません。これだと「10日以上の入院、もしくは手術」の条件に合致せず保障対象外。
最近の医療保険は入院日数の制限がなく
「心疾患なら入院即保障!手術を受けてももちろん保障!」
がトレンドです。急性心筋梗塞以外の心疾患はやや条件が厳しめといったところでしょう。
また、脳卒中も脳血管疾患の一部ですが、脳卒中には
- 脳梗塞
- くも膜下出血
- 脳出血
が含まれます。平成29年の厚生労働省の調査によると脳血管疾患の患者数1,115千人のうち、脳梗塞・くも膜下出血・脳出血の患者数合計は973千人。割合にすると87.2%です。
ということで、脳血管疾患でも脳卒中でも大きな差はありませんが、脳血管疾患の方がちょっと安心かな、とは感じます。
ちなみにですが、脳卒中以外の脳血管疾患も
「10日以上の入院、もしくは手術」
が条件ですが、脳血管疾患は入院が長引きます。生命保険文化センターによると、脳血管疾患全体の入院日数平均は77.4日。なので、入院日数の制限がない他社の医療保険と比較しても、そこまで悪くはないかなと感じます。
最後に、がんの2回目以降の保障条件が入院に限定される点がちょっと惜しい。通院治療だけの場合は保障対象になりません。
がんの三大治療は手術・薬物療法(抗がん剤)・放射線治療と言われていますが、手術を除けば通院で受けることが増えています。放射線治療は副作用が軽いので通院で受けることが大半ですし、抗がん剤治療も自宅から通院して打つケースが増えてきています。最近発売された医療保険は入院でも通院でも治療を受けていれば一時金が給付されることが多いです。
まとめると、
がん:他社よりちょっと弱い
心疾患:他社よりちょっと弱い
脳血管疾患:実質的には他社とほぼ同等
といったところでしょう。
【重要ですが…】がん一時金特約
特約名 | 給付額 | 給付条件 |
がん一時金特約 | 50万円・100万円・200万円から選択可能。 (1年に1回を限度に回数無制限給付) |
初回:がんと診断確定 2回目以降:入院 |
上述した特定三疾病一時金特約から保障対象をがんに絞り込み、その代わりに保険料を安くしたのが本特約。
以下、ポイントです。
- 【GOOD】給付間隔が1年に1回。ちょっと古い医療保険だと2年に1回の場合あり。
- 【GOOD】上皮内がんも保障対象。
- 【BAD】2回目以降の給付条件が入院。
上述した特定三疾病一時金特約と同じです。
特定三疾病一時金特約とがん一時金特約のどちらを選ぶか悩みどころですが、がん一時金特約を選んで心疾患・脳血管疾患で倒れたときの後悔は想像を絶します。多少保険料が上がったとしても、特定三疾病一時金特約を付加しておいた方が安心かなと。
【重要ではありません】がん通院特約
特約名 | 給付額 | 給付条件 |
がん通院特約 | 通院1日につき5,000円・7,000円・10,000円(入院給付金日額が限度)から選択可能。 | がんで通院した場合。 |
がんの治療を目的として通院した場合、通院1日につき定額給付される特約です。
通院する目的によって、給付期間と給付限度日数が異なります。
通院目的 | 給付期間 | 限度日数 |
入院給付金を受けた入院をして、退院したあとの通院 | 1年間 | 60日間 |
約款所定の手術、放射線照射、温熱療法、抗がん剤治療(腫瘍用薬のみとし、経口投与を除く)のための通院 | 無制限 | 無制限 |
経過観察なら60日間まで、治療を伴う通院なら無制限給付です。メリハリが効いてます。
ちなみにですが、がんで怖いのは副作用のきつい抗がん剤を打ち続けるケースです。この場合は働くことも難しく、医療費と生活費で徐々に減っていく預金残高を見て途方に暮れるなんてこともあります。
こんな最悪の状況に備えるために、他社の医療保険には
「抗がん剤治療を受けた月に10万円給付!」
といった抗がん剤治療特約があります。しかし、オリックス生命「CURE Next」には抗がん剤治療特約がないんですよね。
通院で抗がん剤治療を受けるケースも増えてきているので、こんな場合に備えてがん通院特約を付加してもよいのですが、保障額は通院1日5,000円程度。抗がん剤を打つために月1回通院しても、
「5,000円のために請求手続きするほうがめんどくさい!」
ということもあるので、保険金請求手続きの負荷と受け取れる金額を天秤にかければ、あえて付加する必要もないかなあと感じます。
【重要ではありません】通院治療支援特約
特約名 | 給付額 | 給付条件 |
通院治療支援特約 | 3万円 or 5万円 | 生存して退院したとき |
退院する際に一時金を受け取れる特約です。
お見舞い返しとか、そういう用途かと思いますが3万円or5万円を1回だけ受け取っても大きな意味はないでしょう。
40歳男性の場合、通院治療支援特約を保障額3万円で付加すると月々の保険料は300円程度上がります。そこまで高い保険料ではありませんが、必要性はあまり感じられません。
【重要ではありません】入院一時金特約
特約名 | 給付額 | 給付条件 |
入院一時金特約 | 3万円 or 5万円 or 10万円 | 入院時 |
入院すると給付される一時金です。
短期入院でも、日用品や交通費がそれなりにかかるので、入院で赤字になりたくない方や、手持ちの現金が極端に少なくて医療費破産の可能性がある方にとっては有効な特約ですが、短期入院から長期入院まで民間の医療保険でがっちり備えると、保険料がめちゃくちゃ高くなります。
短期入院は貯蓄で備えて(貯蓄が少ない場合は貯蓄に励んで)、発生したら貯蓄でカバーするのが難しい長期入院を民間の医療保険で備えるのがコスパのよい医療保険の入り方というのが個人的な感覚です。
保障額もたいしたことはないですし、こちらも必要性はあまり感じられません。
【女性は要チェックですが…】女性入院特約(キュア・レディ・ネクスト)
特約名 | 給付額 | 給付条件 |
女性入院特約 | 入院1日につき5,000円 | 入院時 |
女性特有の病気やがんで入院した場合、主契約の入院給付金に上乗せで5,000円を受け取れる特約です。
主な用途は差額ベッド代でしょう。
大部屋での入院だと隣のベッドとの区切りはカーテン一枚。入院中でもプライベートな空間を確保しておきたい場合は、差額ベッド代を支払って個室や少人数部屋で入院することになりますが、この差額ベッド代に使えるのが女性入院特約です。
保障対象の疾病は他社と比較するとやや狭くなってます。保障対象には
- がん全般
- 甲状腺障害
- 乳房や女性器に関する疾患
- 妊娠や出産に関する症状
が含まれますが、他社は貧血・パセドウ病といった女性に多い疾病も含むことが多いです。
また、女性入院特約は入院給付金の上乗せだけ。冒頭書いたとおり、他社には乳房切除や乳房再建などの女性特有の手術に対して一時金を給付する特約もあります。
ということで、保障内容は他社比較で薄めです。女性特有疾病に対する保障を重視するのであれば、他社の医療保険と比較しておいたほうがよいでしょう。
【重要ではありません】終身保険特約
特約名 | 給付額 | 給付条件 |
終身保険特約 | 入院給付金の50倍~200倍の範囲で選択可能。 | 亡くなった場合 |
医療保険に一生涯の死亡保障を追加できるというのがこちらのオプション。
死亡保障を医療保険にまとめることで手続きは楽になりますが、医療保険はそのときどきの社会情勢や家計状況に合わせてニーズが変わっていくので、将来的に見直し(乗り換え)たくなることがあります。
医療保険を解約すると、もちろん死亡保障も消滅。解約後に新たに死亡保険に加入すると、年齢があがっているため保険料も高くなります。
ということで、あえて死亡保障を医療保険とセットにする必要性は薄いでしょう。死亡保障が医療保険見直しの足かせになることがあります。掛け捨てなので保険料は高くありませんが、死亡保障ならそれ専門の終身保険・定期保険・収入保障保険に分けて加入した方が無難です。
【重要ではありません】特定三疾病保険料払込免除特則
特約名 | 給付額 | 給付条件 |
特定三疾病保険料払込免除特則 | 保険料の支払いが免除される。 (保障は継続する) |
特定三疾病一時金特約と同じ。 |
「以降の保険料は頂きません!」
という特約です。所定の条件を満たせば、以降の保険料支払いが免除されます(もちろん保障は継続)。
保険料の支払いが免除されると確かに嬉しいのですが、特定三疾病保険料払込免除特則は有料オプションです。付加すれば月々の保険料がググっとあがります。
保険料を上げてまで特定三疾病保険料払込免除特則をつけるかは微妙なところ。そもそも医療保険の保険料はそこまで高くないので、支払いが免除されても家計への影響は軽微でしょう。
【シミュレーション】僕がオリックス生命「CURE Next」に入るなら。
僕がオリックス生命「CURE Next」に入るなら、以下の保障内容にします。
- 主契約:入院給付金5,000円(三大疾病無制限型)
- 特約:先進医療特約、特定三疾病一時金特約(50万円)
上記シミュレーションで毎月支払う保険料は40歳男性3,940円、40歳女性3,420円です(終身払)。
入院保障は三大疾病を無制限保障としました。脳血管疾患はそもそも入院が長引きますし、入院が短期化しているがんも部位や症状によっては長期入院となるので、三大疾病の入院は無制限保障の方が安心です。
また、人生一発レッドカードを避けるために先進医療特約を付加。あとは3大疾病で働けなくなった場合の収入減に備えるため特定三疾病一時金特約も付加しています。抗がん剤治療特約も付加したいところですが、オリックス生命「CURE Next」にはないのが少し残念。
保険料は高くはありませんが、安くもなく、ほぼほぼ平均です。医療保険の保険料は下記リンクで比較しているので、ご参考までに。本サイトでおすすめしている保障内容を中心に保険料を比較しています。
オリックス生命「CURE Next(キュアネクスト)」のメリット
入院給付金の支払い限度日数を無制限にできる。
繰り返しになりますが、三大疾病無制限型を選択すれば入院1回の給付日数限度が
- がん・心疾患・脳血管疾患:無制限
- 糖尿病・高血圧性疾患・肝硬変・慢性腎不全:120日間限度
- 上記以外の病気やケガ:60日間限度
に延長されますし、七大疾病無制限型を選択すれば、
- がん・心疾患・脳血管疾患・糖尿病・高血圧性疾患・肝硬変・慢性腎不全:無制限
- 上記以外の病気やケガ:60日間限度
です。
入院期間は短期化する傾向にありますが、それでも長期化する可能性はゼロではありません。三大疾病無制限型はがん・心疾患・脳血管疾患の他にも、比較的長引くこともある糖尿病・高血圧性疾患・肝硬変・慢性腎不全の入院が120日保障なので
「ちょうどいい感じ」
です。保険料も高くはないので、少なくとも三大疾病無制限型は付加しておいた方が安心でしょう。
先進医療特約が終身型。
オリックス生命「CURE Next」の先進医療特約は終身型です。同じ保険料で一生涯保障です。
「あれ、だって医療保険が終身型なんだから、先進医療特約だって終身型でしょ?」
と思われがちですが、他社の医療保険は先進医療特約のみ保険料が10年ごとに更新される10年更新型だったりすることもあります。
なぜ先進医療特約だけ10年更新型にするのか。それは、将来的に先進医療が普及して保険金の支払い額が大きくなった場合、加入者が支払う保険料を上げないと生命保険会社が赤字になるからです。
現状は月100円程度の保険料で先進医療特約を付加できますが、先進医療が普及すれば、特約保険料が爆上げされる可能性もあります。保険料が一生涯変わらない終身型の方が安心です。
オリックス生命「CURE Next(キュアネクスト)」のデメリット
抗がん剤治療が必要になるケースは大きく2パターンあります。
- 手術でがん細胞を切除できて、再発予防するための抗がん剤治療。
- 手術でがん細胞を切除できず、進行を遅らせるための抗がん剤治療。
1のケースはあっさりと抗がん剤治療は終了します。働きながらの治療も不可能ではないので、経済的なピンチに陥ることもそんなにありません。
本当に怖いのは2のケースです。この場合は副作用が辛くて満足に働くことも難しく、収入減もあり得ます。最近の抗がん剤治療は
2、3日程度の入院もしくは通院で抗がん剤を打つ→自宅で3週間程度副作用に耐える
みたいなのを繰り返すので、医療保険から支払われる入院給付金も微々たるもの。副作用がきつくて働くこともできず、銀行口座の残高が徐々に減っていく抗がん剤ドロ沼にハマります。
ベッドの上で虚空を見上げながら
「あ、これ、やばいかも…」
と、メンタルが削られまくるなかで、毎月10万円といった定額を振り込んでくれる抗がん剤治療特約はけっこうありがたいのですが、オリックス生命「CURE Next」にはありません。
また、最近の抗がん剤治療特約は自由診療の抗がん剤治療も保障することがあります。
日本では承認が遅れているものの、欧米では承認されて使用が進んでいる抗がん剤治療なんかが自由診療に含まれますが、自由診療の抗がん剤治療は月100万円程度かかることもざらにあります(全額自己負担)。他社の調査では、がん罹患者・がん罹患経験者の19.8%が自由診療を提案されたという結果も出ており(実際に受けた方は11.7%)、自由診療が極々マイナーな治療とは言えなくなってきています。
自由診療の抗がん剤治療も保障する医療保険にネオファースト生命「ネオdeいりょう」、メディケア生命「新メディフィットA」があります。気になる方はこちらとも比較を。
オリックス生命「CURE Next(キュアネクスト)」の評価
評価:B(S、A~Cで判定)
「新CURE」からリニューアルされて他社の医療保険に追いつきつつありますが、特筆すべき何かがあるわけではありません。割と普通です。
生命保険会社としての信用力とブランド力は突出しているので、
「定番を選んで安心しておきたい」
という方には向いてますが、保障内容・保険料の面では他社の医療保険と比較しておいて損はないでしょう。
よって評価は平均的な「B」としました。
比較対象として以下の医療保険を挙げておきます。
●チューリッヒ生命「終身医療保険プレミアムZ」。保険料は業界最安値クラスです。保障内容にも大きな欠点は見当たらず、抗がん剤治療特約は自由診療まで保障しています。
●ネオファースト生命「ネオdeいりょう」。こちらも保障内容に大きな欠点は見当たらず、自由診療も保障する抗がん剤治療特約もあります。また、健康保険料率が適用されれば保険料は業界最安値クラス。先進医療特約が10年更新型なのがちょっと残念。
●メディケア生命「新メディフィットA」。こちらも保障内容に大きな欠点は見当たらず、自由診療も保障する抗がん剤治療特約もあります。ネオファースト生命の健康保険料率が適用されない場合は、メディケア生命の方が安くなることが多いかと。こちらは先進医療特約が終身型です。
医療保険の保険料は下記リンクで比較しているので、ご参考までに。本サイトでおすすめしている保障内容を中心に比較しています。
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保険金の不払い率をこちらにまとめていますが、不払いとなる理由の多くは
- 契約時の告知事項に不備があった。
- 契約上、保険会社に支払う責任がない。
の2点。
1点目は保険を契約する際に生命保険会社へ知らせた告知事項(過去の病歴とか現在の健康状況とか職業等)に誤りがあったケースで、これは保険ショップのスタッフが契約時にしっかり説明すれば回避できます。保険クリニックでしっかり説明を受けて契約すれば、まず該当することはないかと。
また、2点目はそもそも保険会社に保険金を支払う責任がないケースですが、医療保険やがん保険には責任分界点が微妙なグレーゾーンが存在します。微妙なグレーゾーンでキーになるのが医師が書く診断書。診断書の表現ひとつで保障されないこともあります。
そんなときに、
「こういうふうに診断書を書いてもらうと保障されやすいですよ」
といったアドバイスをできるのは保険ショップのスタッフだけです。生命保険会社のコールセンターに問い合わせても、わざわざ自分たちの不利になるアドバイスはしてくれません。
保険クリニックはアフターフォローの評価も高めです。契約後のコミュニケーションを密にしておくことで、万が一の場合には腹を割った相談がしやすくなります。こういう裏情報的なアドバイスは信頼関係がないとできないことなので。
実際に利用した方の口コミは以下のとおり。
「たまたま優秀な人が担当になっただけじゃないの?」
という疑惑も沸いてきますが、保険クリニックはデジタル化が進んでいて独自に開発した提案システムを使ってます。スタッフのクオリティに偏りができにくい点もメリットでしょう。
予約は簡単です。
①保険クリニックのサイトにアクセスする。
②最寄りの店舗を検索する。
オレンジ色のボタンから店舗検索できます。オンライン相談も可能です。
③予約日時を選択する。
④以下を入力して予約完了。
- 相談方法(来店or訪問)
- 名前
- 連絡方法(電話・メールor電話のみ)
- 電話番号
- メールアドレス
- 保険クリニックを知ったきっかけ(リストから選択)
- 要望等(任意入力)
これで予約は完了。1分もあれば予約できます。
50社以上の保険会社と提携している点も評価できます。オリックス生命はもちろんのこと、比較対象としたチューリッヒ生命・メディケア生命・ネオファースト生命とも提携しているので、比較もかんたんにやってくれますよ。
もちろん相談は無料です。気軽な気持ちで相談して大丈夫ですよ。
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【保険ショップの検索・予約なら】保険相談ニアエル
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近所に保険クリニックがない場合は、保険相談ニアエルで最寄りの保険ショップを検索してみてください。保険ショップには複数回相談に訪問することもあるので、自宅との距離のは割と重要です。
保険相談ニアエルは全国1,500店舗の保険ショップを区市町村単位で検索できます。保険ショップに関する
- 取り扱っている保険会社
- 実際に利用した人の口コミ
- 営業時間、交通アクセス等の基本情報
といった情報も掲載されています。取り扱っている保険会社が事前にわかるので、希望していた保険を提案されなかった!といった悲劇もないですし、厳しい口コミもそのまま掲載されているので、ちゃんと選べば安心して相談ができるかなと。
また、保険相談ニアエルでは相談予約もできます。予約は簡単で
- 相談希望日時
- 氏名
- 生年月日
- 電話番号
- 相談内容(保険見直しor新規加入orその他)
だけ入力すれば完了。1分程度で終わる作業です。
予約した後には店舗から電話で予約確認があります。電話の際にざっくりと相談したい内容だとか、その他の要望(女性スタッフ希望等)を伝えておけば、相談もスムーズに進みます。
もちろん予約は無料です。気軽に予約して大丈夫です。
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生命保険の相談は無料でできるし、相談したからって生命保険に入る必要はない。
生命保険の相談はもちろん無料です。
しかも、無料で相談したからといって、提案された保険に必ず入らなければならないということはありません。提案内容に納得できなければ、
「うーん、よく考えてみます…」
と、やんわりお断りしてOKです(お断りする人はかなりいます)。
相談しているときに過度な勧誘もなければ、お断りした後にしつこい電話攻勢というのもありません。最近は過度な勧誘やしつこい電話は法律で禁止されています。そんなことしたら業務停止です。
生命保険の相談は気軽な気持ちで。過度に重く考える必要はありません!
まとめ
公式サイト:オリックス生命「CURE Next」
長年定番の医療保険だった「新CURE」からリニューアルされ、他社の医療保険に追いつきつつありますが、それでも特筆すべき何かは見当たらないと感じます。保険料・保障内容の両面で、他社の医療保険と比較しておいて損はないでしょう。
比較対象として以下の医療保険を挙げておきます。
●チューリッヒ生命「終身医療保険プレミアムZ」。保険料は業界最安値クラスです。保障内容にも大きな欠点は見当たらず、抗がん剤治療特約は自由診療まで保障しています。
●ネオファースト生命「ネオdeいりょう」。こちらも保障内容に大きな欠点は見当たらず、自由診療も保障する抗がん剤治療特約もあります。また、健康保険料率が適用されれば保険料は業界最安値クラス。先進医療特約が10年更新型なのがちょっと残念。
●メディケア生命「新メディフィットA」。こちらも保障内容に大きな欠点は見当たらず、自由診療も保障する抗がん剤治療特約もあります。ネオファースト生命の健康保険料率が適用されない場合は、メディケア生命の方が安くなることが多いかと。こちらは先進医療特約が終身型です。
とはいえ、医療保険の比較なんて面白くもなんともないですよね。医療保険の比較は専門家にお願いしてみましょう。相談はもちろん無料です。
保険クリニックなら、オリックス生命はもちろんのこと、チューリッヒ生命・ネオファースト生命・メディケア生命とも提携してますし、4社間の比較もかんたんにやってくれますよ。
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※2022年10月更新
コメント
質問させてください。
45歳男です。医療保険はオリクッスの新キュア基本プラン入院給付金5000円、先進医療、終身払いで2609円、がん保険はメディフィットがん保険の、がん治療給付金10万円でI型、がん診断給付金1年型で50万円の終身払い2850円にしようと思ってます。がん先進医療特約は新キュアの先進医療給付金一時金があるので省きました。がん治療給付金も新キュアの入院手術給付金で賄えると思ったのでII型ではなくI型にしました。また、がん通院治療給付金は入れるかどうか考え中です。なるべく保険料を抑えたいと思ってるのですがいかがなものでしょうか?物足りないところや間違ってるところなど何かあればご教授願います。よろしくお願いします。
アオキ様
コメントありがとうございました!
ご質問頂いた件につきまして、アオキ様のバックグラウンドを正確に把握できていないため一般論となってしまいますが、保障内容に大きな問題はないと思います。公的な高額医療費制度を踏まえれば十分な保障内容でしょう。
また、保険料を安く抑えるのであればSOMPOひまわり生命の「健康のお守り」も選択肢に加えてみてはいかがでしょうか?
私が試算したところだと、45歳男性の場合
入院給付金1日5,000円
先進医療特約あり
がん診断給付特約50万円
抗がん剤治療給付特約10万円
といった保障内容で保険料は月4,577円(終身払)。
コメントに記載いただいたオリックス生命+メディケア生命の合計よりも安く収まりそうです。