【評価B】第一生命の個人年金保険「ステップジャンプ」デメリットと評価

複雑な個人年金保険です。

よくある個人年金保険は契約時に受け取れる年金が決まります。

「65歳から10年間、毎年〇〇万円を受け取れます!」

というのがよくある個人年金保険。これならわかりやすいです。

一方で、第一生命「ステップジャンプ」は契約を3年継続すれば元本保証され、そして満期後に受け取れる年金は指数に連動するというのが特徴。

「(契約を3年継続すれば)元本は保証されますし、運用がうまくいけば年金が増えます!」

というのが第一生命「ステップジャンプ」です。指数に連動して増える個人年金保険は画期的ですが、その仕組みはめちゃくちゃ複雑。

著名な投資家であるウォーレン・バフェット氏は

「自分自身で理解できないものに投資してはいけない」

と言ってますが、正直なところ僕の頭脳では仕組みが理解できません。何がどうなったらどれくらい増えるのか謎です。

第一生命「ステップジャンプ」では、契約者が支払った保険料(基本年金原資)を日本国債といった手堅い債券で運用します。日本国債がデフォルトすることはまずあり得ないので、これが元本保証できる理由。

そしてその債券の利息(指数連動年金原資)を国内外の株式・債券・不動産で運用しています。なので、運用がうまくいけば指数連動年金原資が徐々に膨らみ、契約者の年金が増えるというのが第一生命「ステップジャンプ」のざっくりした仕組みです。

ここまではわかりやすいです。

難解なのは何がどうなったらどれくらい年金が増えるのか。約款に算出根拠が記載されていますが、僕にはよく理解できません。

指数連動年金原資は国内外の株式・債券・不動産に分散投資されます。その資産配分を第一生命のグループ会社であるバーテックス・インベストメント・ソリューションズ株式会社の助言に基づいて決めて、運用成果が「参照指数」という指標に表されます。指数連動年金原資は参照指数と連動してずんずんと増えます。

参照指数の算出根拠が約款に記載されているのですが、これが非常に難解。一例を挙げると、

機動的配分戦略では、複数の定量モデルを使用し、資産の急落リスクを予測します。モデルの予測に基づいた資産配分の調整を機動的に実施することで、指数値の急落リスク抑制を目指します。機動的配分戦略に基づく資産配分は日次で調整します

複数の定量モデルってどんなモデル?急落リスクをどうやって予測できるの?予測はどれくらい当たるの?予測が外れたらどうなるの?「資産配分の調整を機動的に実施」って売買手数料はどう考えているの?等々わからないことだらけです。最先端の金融工学を駆使しているのだろうとは思いますが、僕みたいな投資の素人には読んでてイライラするくらいわかりません。

また、指数連動年金原資の算出には参照指数の他に「連動率」が関わってきます。具体的な指数連動年金原資の計算式は↓。

連動率は

連動率=運用利率 / 想定元本1円あたりのコールオプション価格

で求められます。

第一生命のニュースリリース(PDF)を見ると運用利率0.40%で連動率44.94%としてリターンを計算しているので、連動率は「運用利率×100」で近似できるのかもしれません(第一生命の公式サイトに参照指数と運用利率が公表されています)。

第一生命の公式サイトでは参照指数が大きく取り上げられていて、運用利率は陰に隠れていますが、実際の年金原資の増え方は「参照指数の上昇率」ではなく「参照指数の上昇率×運用利率×100」が近いように見えます。参照指数が2%上昇しても、運用利率(連動率)が0.45%であれば、年金原資は0.9%しか増えないのではないかと。

まあ中身が複雑でも最終的にドンっと年金が増えれば文句はありません。しかし、2023年の参照指数は

2023/01/01:131.42317
2024/01/01:133.66209

なので上昇率は約1.70%。仮に連動率をニュースリリースと同じ44.94%とすると「参照指数の上昇率×連動率」は約0.77%。年金原資は約0.77%しか増えないのかなと。

2023年の日経平均の上昇率は28.2%、米国S&P500の上昇率は24.23%。2023年は例年と比較しても良好な市場環境でしたが、それでも「参照指数の上昇率×連動率」が0.77%しか上昇しないとなれば、受け取れる年金がドンっと増える可能性は低いのかなと感じます。

ちなみに、参照指数は2006年12月29日の値を100としています。2024年3月1日時点の参照指数は134.84787なので、この期間に約34.85%上昇しています。

同じ期間の日経平均の上昇率は約231.70%、米国S&P500は約362.27%。やはり第一生命「ステップジャンプ」でドンっと年金を増やすのは難しいかなと。

まあ元本保証があるならこれくらいの利率でも仕方ないし、現時点では銀行の定期預金よりマシなので、

「元本割れするリスクは微塵も取りたくない!」

といった方なら第一生命「ステップジャンプ」は候補に入りますが、まだまだ老後まで時間のある方であればiDecoやNISAを使った方が良いかなと感じます。

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第一生命「ステップジャンプ」のデメリット

第一生命「ステップジャンプ」ここに注意!
  • 【check】利率が高くない。

利率が高くない。

指数に連動して受け取れる年金が増減する第一生命「ステップジャンプ」ですが、その利率は高くありません。

公式サイトのサンプルだと、

契約年齢:30歳
保険料払込期間:35年間(65歳まで)
年金受取開始年齢:65歳から
年金受取期間:10年間(10年確定年金)
月払保険料(口座振替):10,000円

といった条件で、運用が最好調だった場合の受け取れる年金総額が614.2万円。支払った保険料総額が420万円なので、リターンは146.2%。年利に換算すると2.06%。

老後の生活資金を貯めるのに、保険ではなく確定拠出型年金(iDeco)を利用したとします。

iDecoでは運用先のファンドを契約者が選択できるのですが、人気のある「eMaxis Slim全世界株式(オルカン)」で運用したとします。

オルカンは全世界の株式に広く投資し、そのリターンを「MSCIオール・カントリー・ワールド・イン デックス」という指標に連動させることを目標としているのですが、過去30年の年利が平均9.0%(2024年2月時点)。実際のリターンは手数料として年0.2%程度差し引かれますが、それでも第一生命「ステップジャンプ」を大幅に上回る年利です。

もちろん、これまでの実績が将来も継続するとは限りません。今後の経済がズタズタになりリターンが低下、最終的には手堅く元本保証のある第一生命「ステップジャンプ」が勝利する可能性もあるでしょう。確定拠出型年金(iDeco)には元本割れのリスクがあります。

しかし、その可能性を加味したとしても、まだまだ老後まで時間がある20代~40代くらいの若い方がリターンの低い個人年金保険で老後の生活資金を貯めるのはもったいないと感じます。多少のリスクはあるとしても、確定拠出型年金(iDeco)を利用してオルカンに積み立てた方が将来的なリターンは高くなるかなと。市場は周期的に暴落しますが、確実に回復しています(リーマンショックもほぼ5年で回復)。

まあでも暴落時にも資産運用を継続するにはメンタルの強さが必要です。みるみる減っていく確定拠出型年金(iDeco)の残高を見るのは精神的に良くないですし、こんな状況でも資産運用を続けられる人は多くありません(それでも続けた人が最後に笑う)。

「そんなの耐えられそうにない…」

という方なら、元本保証のある第一生命「ステップジャンプ」の方が向いているでしょう。

第一生命「ステップジャンプ」のメリット

第一生命「ステップジャンプ」ここがポイント!
  • 【GOOD!】他社の個人年金保険のより利率は良さそう。
  • 【GOOD!】個人年金保険料控除を使える。

他社の個人年金保険のより利率は良さそう。

デメリットのところで利率が高くないと書きましたが、他社の円建て個人年金保険と比較すれば悪くありません。

個人年金保険は↓で比較していますが、30歳で契約して65歳から10年間年金を受け取るケースの他社の返還率は105%前後。最も高くても107%程度です。

個人年金保険・トンチン年金保険の比較ランキング

第一生命「ステップジャンプ」の公式サイトのサンプルでは、同条件のリターンが

最高:146.2%(年利換算で2.06%)
平均:124.7%(年利換算で1.22%)
最低:110.1%(年利換算で0.54%)

なので、最低のケースでも他社を上回る利率です。

繰り返しますが、第一生命「ステップジャンプ」には元本保証もあるので、

「元本割れするリスクは微塵も取りたくない!」

といった方なら、現時点は他社の個人年金保険よりも銀行の定期預金よりも第一生命「ステップジャンプ」が有利でしょう。

個人年金保険料控除を使える。

会社員の方なら年末調整で、自営業の方なら確定申告で、1年間に支払った保険料を所得控除に使えます。生命保険に関わる所得控除には

  • 生命保険料控除
  • 介護医療保険料控除
  • 個人年金保険料控除

の3種類がありますが、第一生命「ステップジャンプ」で支払った保険料は個人年金保険料控除に分類されます。

「個人年金保険なんだから個人年金保険料控除が使えて当たり前だろ!」

と思われるかもしれませんが、世の中の外貨建て個人年金保険や変額個人年金保険は個人年金保険料控除が使えないこともあります(死亡保障が入ってくると生命保険料控除に分類される)。なので、この点は第一生命「ステップジャンプ」のメリット。

個人年金保険料控除は侮れません。生命保険料控除を満額まで使い果たしている方は多いと思いますが、個人年金保険料控除はほとんどの方が使い切れていないでしょう。

個人年金保険料控除は年間80,000円までの個人年金保険料を所得から控除する仕組みなのですが、80,000円満額まで枠を使うと

所得税:40,000円を所得控除
住民税:28,000円を所得控除

です。例えば、年収500万円なら所得税の税率は20%、住民税は年収に関わらずほぼ10%なので、年末調整で還付される金額は

所得税:8,000円(40,000円×20%)
住民税:2,800円(28,000円×10%)

の合計10,800円。80,000円の保険料に対して10,800円が年末調整で戻ってきます。

デメリットに挙げた例で、毎年10,800円が還付されれば実質的な保険料総額は382.2万円。年金総額614.2万円に対するリターンは160.7%まで上がります(年利換算で2.53%程度)。

ちなみに、確定拠出型年金(iDeco)も拠出金がまるまる所得控除されます。

個人年金保険 VS 確定拠出型年金(iDeco)

という構図で考えれば、この点が個人年金保険のメリットとは言えません。

第一生命「ステップジャンプ」の評価。

評価:B(S、A~Cで判定)

手堅く老後の生活資金を貯めていきたいという方なら候補に入る個人年金保険でしょう。元本保証がありながら、指数に連動して年金額が決まるというのは画期的。公式サイトのサンプルでは、運用がうまくいかないケースでも他社の個人年金保険より利率は高めです。

しかし、まだまだ老後まで時間のある20代~40代の方であれば多少のリスクを負っても確定拠出型年金(iDeco)を利用した方が最終的には高いリターンを得られると感じます。iDecoには元本割れのリスクもありますが、周期的に発生する大暴落も一定期間後に必ず回復しています。

ということで、老後の生活資金を貯めるのなら、やっぱりまずは確定拠出型年金(iDeco)かなと。ということで、評価は「B」としました。

個人年金保険のリターンは下記リンク先で比較しています。こちらもご参考に。

個人年金保険・トンチン年金保険の比較ランキング

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まとめ

公式サイト:第一生命「ステップジャンプ」

個人年金保険のリターンは高くありません。まだまだ老後まで時間のある20代~40代の方であれば、確定拠出型年金(iDeco)を利用した方が最終的なリターンは高くなることが多いかと。老後の生活資金を貯めるのなら、まずは確定拠出型年金(iDeco)。次にNISA。最後に証券会社の特定口座でファンド購入です。

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ただし、第一生命「ステップジャンプ」には元本保証があります。そして最低のケースでも現時点では他社の個人年金保険より利率は高めですし、銀行の定期預金よりも利率は良いので、

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