【評価A】セコム損保のがん保険「自由診療保険メディコム」デメリットと評価

セコム損保はセキュリティ企業「セコム」が展開する損害保険会社です。そのセコム損保が発売してるがん保険が「自由診療保険メディコム」。

損害保険会社が発売するがん保険なので、基本的には医療費の実費を保障。入院や通院した際に病院に窓口で支払う医療費をまるごと補償するがん保険です。

補償対象には健康保険が適用されず、医療費が全額自己負担となる自由診療も含まれます。

自由診療には欧米では承認されているものの、日本では承認が遅れている抗がん剤なんかが含まれますが、こんな抗がん剤は月の医療費が1,000万円を超える場合もあります。1年間治療が続けば、驚異の1億円超え。一般市民に支払うことができる金額ではありません。

そんな医療費の実費を無制限で補償するのがセコム損保「自由診療保険メディコム」です(通院治療は1,000万円上限)。お金があったら救える命を救うがん保険ですね。

セコム損保「自由診療保険メディコム」ここがポイント
  • 治療費の実費を補償するがん保険です。
  • 補償額は実質無制限です。補償対象には健康保険が適用されない自由診療も含まれます。
  • 5年ごとに契約が更新されます(5年ごとに保険料が上がる)。一生涯トータルの保険料は高めです。

がん保険は大きく3つのタイプに分けることができます。

①入院ベースで保障するがん保険。よくある「入院1日1万円!」といった保障内容のがん保険です。入院日数×入院給付金(5千円とか1万円)を受け取ることができます。

②一時金ベースで保障するがん保険。がんと診断されたらまとまった金額(100万円とか)がドンっと給付されるがん保険です。

③治療ベースで保障するがん保険。手術・抗がん剤・放射線といったがんの治療を受けるたびに定額(10万円とか)が給付されるがん保険です。

セコム損保「自由診療保険メディコム」は典型的な③のタイプです。

がんの入院は短期化していて平均20日程度で退院できるので、①は時代遅れになりつつあります。現在のがん保険の主流は②と③ですが、きっちりそれを踏襲したがん保険ですね。

がん保険の選び方のポイントは↓のリンク先に書いています。

がん保険の選び方

リンク先の内容を要約すると、選び方で大切なのは以下の3点です。

  1. 先進医療特約の保障内容。保険料が一生涯変わらない終身型であること、保障額上限が2,000万円であること。できれば一時金を受け取れることの3点が重要です。
  2. がん診断一時金の給付条件。がん診断一時金の給付条件は生命保険各社バラバラです。差が出るのは一時金の2回目以降の給付条件です。2回目以降の給付間隔が1年で、給付条件に通院が含まれているのがベストです。
  3. 抗がん剤治療の保障範囲。健康保険が適用されない自由診療の抗がん剤治療が保障対象となっていればベストです。

まずはざっと概要を書いておきます。上記3点について、セコム損保「自由診療保険メディコム」の概要と評価は以下のとおりです。

項目 内容 評価
先進医療の保障内容 タイプ:5年更新型
保障額上限:入院は無制限、通院は1,000万円
一時金:なし
B
がん診断一時金の給付条件 給付回数:無制限
給付間隔:3年
給付条件:診断確定
C
抗がん剤治療の保障範囲 自由診療となる抗がん剤治療を含む A
30歳の月額保険料 男性:1,430円
女性:1,920円
B
40歳の月額保険料 男性:1,930円
女性:3,350円

先進医療とは、公的医療保険の対象にするかを評価する段階にある治療・手術を指します。健康保険適用がされないので全額自己負担。なので、先進医療を受けると高額な医療費を請求されることもありますが、その医療費も実費補償です。がんの先進医療を通院で受けることはほぼないので、実質的には無制限補償。先進医療の補償は問題ないでしょう。

また、がんと診断された場合には一時金として100万円が給付されます。入院するとかかる治療費以外の諸費用(差額ベッド代や食事代や交通費等)だとか、働けない期間の収入補填なんかが目的の補償です。

ただし、一般的ながん保険は1年に1回一時金が給付されるのに対して、セコム損保「自由診療保険メディコム」は3年に1回。働けなくなった場合の収入補填に使うには、少し物足りないかなという印象です。

抗がん剤治療の保障対象には全額自己負担の自由診療が含まれます。自由診療であっても補償額は無制限。冒頭書いたとおり、自由診療の抗がん剤は月1,000万円を超えることもざらにあります。この点もメリットでしょう。

保険料は微妙です。若いうちは安いのですが、がんに罹患する確率が高くなる60代・70代になると月の保険料が1万円を超えます。一生涯のがん保障であれば、他社のオーソドックスながん保険の方が保険料は安く収まります。

がん保険の相談は保険クリニックで!
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セコム損保「自由診療保険メディコム」の保障内容を評価します。

セコム損保「自由診療保険メディコム」の補償には以下の3つの保険金があります。

  • ガン診断保険金
  • ガン通院保険金
  • ガン入院保険金

それぞれの給付金について、詳しく見ていきます。

ガン診断保険金

名称 給付額 給付条件 給付間隔
ガン診断保険金 100万円 がんと診断確定 3年に1回

がんと診断されれば給付される一時金です。がんと診断されて凹みまくってるところにドバっと給付されるので、

「がん保険…入っておいて良かった…」

と、100万円が振り込まれた銀行口座を見ながら、多少明るい気持ちになれる補償です。

まあでもセコム損保「自由診療保険メディコム」は、後述するガン通院保険金とガン入院保険金で医療費全額をカバーするというコンセプトなので、ガン診断保険金はおまけと言えばおまけです。一時金は生活費の補填、交通費や日用品といった入院・通院にかかる諸費用のカバーが主な目的でしょう。

給付間隔は3年に1回。がんで働けなくなり、収入の減少を補填する意味合いであれば補償は薄めです。他社のがん保険だと1年に1回給付がスタンダードであり、この点はやや注意が必要です。働けなくなるリスクに備えるのなら、給付間隔が1年に1回のがん保険、もしくは就業不能保険の方が安心でしょう。

ちなみにですが、上皮内がんも給付対象です。

上皮内がんとは、がん細胞が血管やリンパ管に到達していない初期のがんを指します。手術でサッと切り取ってしまえば完治する可能性が高いと言われていて、他社のがん保険だと「上皮内がんなんてがんじゃないから!」と言い張られて給付対象外となることもあるのですが、セコム損保「自由診療保険メディコム」はきっちり給付対象です。

上皮内がんを特に気にする必要があるのは女性です。乳がんは上皮内がんであっても通常のがんと同程度の治療が必要になるケースがあります。この点は女性にとってうれしいメリットですね。

ガン通院保険金・ガン入院保険金

名称 給付額 給付条件
ガン入院保険金 入院したときの治療費実費を補償(無制限保障) 【公的保険診療の場合】
次のがん治療費等と同じ額
・一部負担金(自己負担となる通常3割の治療費)
・先進医療等の費用(評価療養・選定療養(差額ベッド代等を除く)の費用)
・診断書等の文書料
【自由診療の場合】
・治療にかかった費用
・診断書等の文書料
ガン通院保険金 通院したときの治療費実費を補償(1,000万円上限)

健康保険が適用されるがんの治療費がまるごと補償されます。

ガン通院保険金には1,000万円という上限がありますが、通院治療で1,000万円かかることもまあないので、実質的には無制限補償と考えてよいでしょう。

例えば、胃がんで入院して手術を受けて、医療費100万円かかったとします。

現役世代の自己負担額は3割なので窓口で支払う金額は100万円×0.3で30万円。この30万円がセコム損保「自由診療保険メディコム」の補償額です。

一方で、日本には高額療養費制度があります。詳細はリンク先を参照頂きたいのですが、高額療養費制度は年収によって月々の医療費上限を決めていて、申請すれば上限を超えた医療費がキャッシュバックされます。

仮に年収600万円の方が高額療養費制度を利用すれば、月々の医療費上限は

80,100円+(医療費-267,000円)×1%

なので、この医療費100万円のケースだと

80,100円+(1,000,000円-267,000円)×1%=87,430円

が自己負担額となります。

退院時に窓口で30万円支払っているので、高額療養費制度を利用すれば、

300,000円-87,430円=212,570円

がキャッシュバックされます。病院の窓口で支払った医療費30万円はセコム損保の補償額で相殺されるので、このキャッシュバックがまるまる利益ですね。

ちなみにですが、入院すると健康保険が適用されない諸費用(差額ベッド代や食事代やクリーニング代や交通費など)がかかります。この諸費用にキャッシュバックを充てれば、赤字入院になることはまあないかなと。むしろ黒字になることが多いかと。

もうひとつケースを考えてみます。健康保険が適用される範囲で有効な治療方法が見つからず、自由診療を併用するケース。

自由診療は健康保険が適用されないので医療費は全額自己負担。高額療養費制度も使えないので、青天井に医療費が膨らんでいきます。

自由診療には欧米では承認されて利用が進んでいるものの、日本では承認が遅れている抗がん剤が含まれるのですが、国立がん研究センターが2021年10月時点の未承認・適応外の医薬品を下記リンク先にまとめています。極端な例だと「イデカブタジェン ビクルユーセル」という多発性骨髄腫に使われる抗がん剤の費用は1ヶ月4,195万円。とても一般人に支払える金額ではありません。

国内で薬機法上未承認・適応外となる医薬品・適応のリスト(2021年10月31日改訂版)(PDF)

こんな自由診療の費用もセコム損保「自由診療保険メディコム」なら全額補償対象です。4,195万円の抗がん剤を何発打っても実費を補償。お金があれば助かる命を助けられるがん保険ですね。

セコム損保「自由診療保険メディコム」のメリット

セコム損保「自由診療保険メディコム」ここがポイント!
  • 【GOOD!】自由診療の実費を補償。
  • 【GOOD!】補償額から高額療養費制度利用分が差し引かれない。

1点目は上述のとおりです。青天井に膨らんでいく自由診療の治療費実費が補償されます。

現在は、がんの治療を受けた方の2割程度が自由診療を併用したというデータもあります。また、他社のがん保険が

「自由診療の抗がん剤治療を受けた月に20万円給付!」

といった定額給付(焼け石に水な保障額)であることを踏まえれば、治療費実費を無制限補償する点はメリットでしょう。

また、補償額から高額療養費制度でキャッシュバックされた金額が差し引かれるということもありません。

同じような治療費実費補償のがん保険にSBI損保「がん保険(自由診療タイプ)」がありますが、こちらは高額療養費制度でキャッシュバックされた金額が補償額から差し引かれます。補償するのは治療費の真水のみ。これだと諸費用は自腹で払うことになるので、赤字入院となることが多いでしょう。

まあでもその分SBI損保「がん保険(自由診療タイプ)」はセコム損保「自由診療保険メディコム」より保険料が安くなってます。なので、この点は一概にSBI損保がダメ!とは言い切れないところがあります。

セコム損保「自由診療保険メディコム」のデメリット

セコム損保「自由診療保険メディコム」ここにご注意!
  • 【check】一生涯のがん保険と考えると高い。5年ごとに保険料が上がる。

セコム損保「自由診療保険メディコム」は5年更新型です。5年ごとに保険料が上がります。若いうちの保険料は安くとも、年齢が上がるほど保険料は高くなります。

参考までに、保険料が一生涯変わらないSOMPOひまわり生命「勇気のお守り」というがん保険とトータルの保険料を比較してみます。

勇気のお守りは治療費実費を補償するのではなく、治療を受けた月に10万円定額給付です。また、自由診療の抗がん剤治療を受けた月は20万円給付なので、治療費実費を無制限保障するセコム損保「自由診療保険メディコム」ほど手厚くはありません。ただし、勇気のお守りは一時金が年1回100万円なので、働けなくなった場合の収入補填という点ではセコム損保より手厚くなってます。

ここでは30歳男性が75歳まで契約するケースで比較してみます。

自由診療保険メディコム 勇気のお守り
保障内容 ・ガン診断保険金100万円(3年に1回)
・ガン入院保険金
・ガン通院保険金
・がん治療給付金10万円
・自由診療抗がん剤・ホルモン剤治療給付金20万円
・新がん先進医療特約
・がん診断給付特約100万円(1年に1回)
月々の保険料 5年ごとに保険料が上がる 一生涯保険料は同じ
30歳 1,430円 2,331円
35歳 1,590円
40歳 1,930円
45歳 2,610円
50歳 4,460円
55歳 6,060円
60歳 8,310円
65歳 11,660円
70歳 15,550円
保険料合計 3,216,000円 1,258,740円

セコム損保「自由診療保険メディコム」は50歳からの保険料の上がり方がえぐいですね…。定年を迎える65歳の頃の保険料は1万円超え。払い続けるのが辛い金額です。

また、セコム損保「自由診療保険メディコム」のサイトでは74歳までしか保険料試算ができないため、上表では70歳を最後に更新を止めたケースで比較していますが、がん保険が使われるのはがんの罹患率が上がる70代・80代です。70歳以降も契約を継続すると、かなり高額な保険料になっていると推測されます(セコム損保「自由診療保険メディコム」は90歳まで更新可能)。

一方で、勇気のお守りは一生涯保険料が変わりません。一生涯トータルで見ると、セコム損保「自由診療保険メディコム」よりかなり安くなります。

ということで、セコム損保「自由診療保険メディコム」は若い人のための保険と感じます。結婚を予定していたり、子育て期間中だったりする若い方が、

「お金が理由で有効な治療を受けられずに亡くなってしまう」

という悲劇を避けるために、期間限定で加入するがん保険だと感じます。

一生涯の保障ならSOMPOひまわり生命「勇気のお守り」のようなオーソドックスなタイプのがん保険の方がよいでしょう。

セコム損保「自由診療保険メディコム」の評価。

評価:「A」(S、A~Cで判定)。

治療費実費を無制限補償ですし、高額療養費制度を利用した分も相殺されないので、がんで入院したとしても赤字入院になることはまずないでしょう。自由診療の治療費を無制限保障という大きなメリットもあります。

評価は「S」でも良いと思いましたが、5年更新タイプのため、がん保険が本当に必要となる60代以降は保険料がえぐい上がり方をします。その点を踏まえ、評価は「A」としました。

繰り返しますが、

「お金が理由で有効な治療を受けられずに亡くなる」

という悲劇を避けるために、希望溢れる若い方が期間限定で加入するがん保険だと感じます。

ちなみにですが、がん保険全般の比較は下記リンク先でやってます。こちらもご参考に。

がん保険の保険料比較

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まとめ

公式サイト:セコム損保「自由診療保険メディコム」

数千万円かかることもある自由診療の治療費を無制限保障という点は大きなメリットです。また、高額療養費制度を利用した分も相殺されないので、がんで入院したとしても赤字入院になることはまずないでしょう。

ただし、5年更新タイプのため、がんに罹患する可能性が高くなる60代以降は保険料がえぐい上がり方をします。一生涯のがん保険という観点で見れば、SOMPOひまわり生命「勇気のお守り」のようなオーソドックスなタイプのがん保険の方がよいと感じます。

繰り返しますが、セコム損保「自由診療保険メディコム」は

「お金が理由で有効な治療を受けられずに亡くなる」

という悲劇を避けるために、希望溢れる若い方が期間限定で加入するがん保険だと感じます。

セコム損保「自由診療保険メディコム」は保険クリニックで相談できます。この記事で比較対象としたSBI損保、SOMPOひまわり生命とも提携しているので、3社のがん保険を無料できっちり比較してくれますよ。

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