【評価B】東京海上日動あんしん生命「あんしん治療サポート保険」デメリットと評価

最近増えてきているがん・心疾患・脳血管疾患といった生活習慣病を一時金で保障する保険です。保障される疾病は以下の8種類。

  1. がん(悪性新生物・上皮内新生物)
  2. 特定心疾患
  3. 特定脳血管疾患
  4. 大動脈瘤・解離
  5. 特定肝疾患
  6. 特定腎疾患
  7. 膵炎
  8. 糖尿病の3大合併症

上記の疾病で入院or手術or通院した場合にドンッと一時金を受け取れます。

がんの保障は見方によってはやや微妙ですが、がん以外の保障はなかなか良いです。心疾患・脳血管疾患の通院も保障される点は他社には見られないメリットでしょう。

ただし、保険料が高い…。

東京海上日動あんしん生命「あんしん治療サポート保険」ここがポイント
  • 生活習慣病を一時金で保障する保険です。
  • がんの保障はやや微妙ですが、がん以外は悪くないです。
  • 非喫煙者で血圧が標準値であれば保険料が割引されますが、それでも高め。

三大疾病保険の選び方のポイントは↓のリンク先に書いています。

三大疾病保険の選び方

リンク先の内容を要約すると、選び方で大切なのは以下の3点です。

  1. 心疾患・脳血管疾患の保障範囲:急性心筋梗塞・脳卒中に限定せず、心疾患・脳血管疾患をまるごと保障するタイプが良い。
  2. 一時金の給付条件:1年に1回、回数無制限給付。がんの2回目以降の給付条件は入院に限定してなくて、心疾患・脳血管疾患は入院即保障が良い。
  3. 月々の保険料:少しでも安い保険を選びましょう。

まずはざっと概要を書いておきます。上記3点について、東京海上日動あんしん生命「あんしん治療サポート保険」の概要と評価は以下のとおりです。

項目 内容 評価
心疾患・脳血管疾患の保障範囲 特定の心疾患・脳血管疾患を保障 B
一時金の給付条件 がん:入院or手術or通院(通院は一時金減額)
心疾患:入院or手術or通院(通院は一時金減額)
脳血管疾患:入院or手術or通院(通院は一時金減額)
給付間隔:1年に1回
給付回数:各疾病ごとに10回まで
A
30歳の月額保険料
(Ⅰ型・一時金50万円)
男性:3,245円
女性:3,485円
※健康割引あり
C
40歳の月額保険料
(Ⅰ型・一時金50万円)
男性:4,320円
女性:4,435円
※健康割引あり

心疾患の保障範囲は他社より微妙に狭いです。リウマチ性心疾患・高血圧性心疾患・不整脈・心臓弁膜症といった疾病は保障されません。脳血管疾患は他社と差異がありますが、ほぼほぼ同等。まあ心疾患・脳血管疾患どちらもヤバい疾病はカバーされます。

また、一時金の給付条件は全ての疾病で

  • 入院or手術を受けた場合に特定疾病治療給付金
  • 通院で治療を受けた場合は特定疾病通院給付金(20%or30%に減額)

です。

詳細は後述しますが、がんの保障条件は見方によってはやや微妙。がん以外の疾病の保障条件は悪くありません。特に、心疾患・脳血管疾患が通院でも一時金給付される点は他社にないメリットです。狭心症といった軽い心臓の病気で通院した場合にも、一時金が給付されるのは安心です。

保険料高めです。以下の条件を両方満たせば保険料が割引されますが、割引されても他社より高くなることが多いでしょう。

  • 過去1年間喫煙していない。
  • 血圧が最大139mmHg以下最小89mmHg以下

保障内容は悪くありませんが、保険料が他社よりかなり高いです。他社の三大(七大)疾病保険とよくよく比較しておいた方が良いでしょう。

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生命保険 見直し

東京海上日動あんしん生命「あんしん治療サポート保険」の保障内容を評価します。

主契約、及び特約(オプション)の保障内容を詳しく見ていきます。

【主契約】特定疾病治療給付金

給付額 給付条件 給付間隔
30万円~50万円の範囲で選択可能。 入院or手術
※通院は一時金が20%もしくは30%に減額。
1年に1回。
※各疾病ごとに最大10回まで(上皮内新生物は1回のみ)

東京海上日動あんしん生命「あんしん治療サポート保険」の主契約は以下の4パターンから選べます。違いは保障される疾病の種類。

Ⅰ型:がん(悪性新生物・上皮内新生物)、特定心疾患、特定脳血管疾患
Ⅱ型:がん(悪性新生物・上皮内新生物)、特定心疾患、特定脳血管疾患、大動脈瘤・解離、特定肝疾患、特定腎疾患、膵炎、糖尿病
Ⅲ型:特定心疾患、特定脳血管疾患
Ⅳ型:特定心疾患、特定脳血管疾患、大動脈瘤・解離、特定肝疾患、特定腎疾患、膵炎、糖尿病

三大疾病だけ保障されればよい場合はⅠ型、三大疾病以外の生活習慣病も気になる場合はⅡ型。ただし、既にがん保険等でがんに備えがある場合は、がんが保障対象外のⅢ型かⅣ型を選ぶことになるかと。

各疾病ごとに入院or手術を受けた場合に特定疾病治療給付金、通院で治療を受けた場合は特定疾病通院給付金(特定疾病治療給付金の20%or30%)が1年に1回の間隔でドンっと給付されます。

以下、ポイントです。

  • 【GOOD!】給付間隔が1年に1回。
  • 【GOOD!】各疾病の保障条件が入院or手術でわかりやすい。
  • 【GOOD!】心疾患・脳血管疾患が通院治療でも一時金給付される。
  • 【BAD!】がんの保障条件はやや微妙か。
  • 【BAD!】上皮内がんは一時金給付が1回のみ。

給付間隔が1年に1回は最近のスタンダードです。ちょっと古い三大疾病保険だと2年に1回ということもありますが、1年に1回なら他社同等。悪くありません。

また、各疾病の保障条件が入院or手術or通院に統一されているのもわかりやすいです。他社だと

  • 〇〇〇という治療を受けたとき
  • 〇〇〇という状態になったとき

というように、なってみないと保障されるかわからないこともあります。この点もメリット。

心疾患・脳血管疾患が通院治療でも一時金給付される点も良いです。

他社の三大(七大)疾病保険が保障する心疾患・脳血管疾患は入院・手術が必要となるような重症です。心疾患・脳血管疾患が通院で済むような軽症から一時金給付される点は画期的でしょう。例えば、狭心症なんて通院で投薬治療を受けることが多いのですが、他社だと入院するような重症に至らないと保障されないことが多いです。

一方で、がんの保障条件は見方によってはやや微妙かなと。

他社は

1回目:「あなたはがんです」と診断されれば一時金給付
2回目以降:入院or通院で治療を受ければ一時金給付

ということが多いのですが、東京海上日動あんしん生命はがんも他の疾病と同様に

  • 入院or手術を受けた場合に特定疾病治療給付金
  • 通院で治療を受けた場合は特定疾病通院給付金(20%or30%に減額)

です。

例えば、入院せずに通院で抗がん剤治療や放射線治療を受けるケースだと、東京海上日動あんしん生命は特定疾病通院給付金として一時金の20%or30%しか受け取れません。他社なら初回はがんと診断されただけで一時金満額給付ですし、2回目以降も入院or通院で治療を受けている限りは1年に1回の間隔で一時金満額給付です。こんなケースは東京海上日動あんしん生命が不利。

しかし、

1ヶ月程度入院して手術を受けて、退院後に通院で数ヶ月抗がん治療を受ける

といった初回によくあるケースだとか、

なかなか良くならずに長期間に渡って入退院と通院を繰り返す

といったヤバいケースだと、東京海上日動あんしん生命は

  • 入院時に特定疾病治療給付金
  • 通院時に特定疾病通院給付金

なので、特定疾病治療給付金と特定疾病通院給付金の両方を1年に1回受け取れます。こんなケースなら、他社より東京海上日動あんしん生命の方が有利。

軽度のがんで通院治療だけで済むのであれば、保険に頼らずとも経済的に困ることは少ないでしょう。また、入院・手術を経て通院治療が続くような重いがんの場合は保障が厚くなるので、東京海上日動あんしん生命の保障内容は必要十分とも言えます。

一方で、他社は入院でも通院でもがんの治療を受けている限りは1年に1回の間隔で一時金満額給付です。通院治療といっても、抗がん剤の副作用がきつくて働けないケースもあります。

どちらが良いかは一概に言いにくいのですが、治療の方式(入院or通院)によらず、闘病が続いている限りは同額を保障してくれる方が安心かなと。見方によっては東京海上日動あんしん生命のがん保障はやや微妙です。

また、上皮内がんの場合は一時金給付が1回のみです。

上皮内がんとは、がん細胞が血管やリンパ管に到達していない初期のがんを指します。がん細胞は血管やリンパ管で運ばれて転移していくので、上皮内がんの段階でサッと手術で切り取れば再発や転移する可能性は低いと言われてます。

「早めに見つかってよかったですね」

と言われるのが上皮内がん。

大腸がんだと2割、子宮頸がんだと半数以上が上皮内がんで発見されたというデータもあり、上皮内がんは珍しくもなんともありません。他社は上皮内がんも通常のがんと同様に、条件を満たす限りは一時金を回数無制限で給付することが多いので、この点はデメリットでしょう。

【不要です】健康祝金特則

主契約の一時金を受け取ることなく無事に過ごせた場合には

「保険なんていらなかったじゃん!」

と悔しい思いをすることになります(ただしそれは幸福なこと)。

そんな悔しい思いを慰めてくれるのが健康祝金特則。5年間無事に過ごせて主契約の一時金を受け取ることがなかった場合に、一時金の10%が給付されます。

しかし、健康祝金特則は有料オプションです。付加すれば保険料はググっと上がります。

例えば、30歳男性がⅠ型・保障額50万円で契約した場合、健康祝金特則を付加すると月々の保険料が775円上がります(健康割引あり)。

5年間に支払う特約保険料の合計は

775円×12ヶ月×5年=46,500円

なので、5年間主契約の支払いがなくて一時金の10%(5万円)を受け取ったとしても利益はたったの3,500円。そして一時金の支払いがあった場合は46,500円まるまる損です。割に合わないギャンブルです。

それでも健康な若いうちにはギャンブルに勝つことも多いでしょう。しかし、歳を取って身体が衰えてくれば勝つ可能性は低くなります。

「じゃあ老後にオプション解約しよう」

と思っても、健康祝金特則は「特則」なので、契約途中でオプション解約することができません。年金生活になってからも保険料を払い続け、一時金の支払いがあった場合は胴元(保険会社)の総取りです。

全くもって不要でしょう。他社にも同じような健康祝金特則がありますが、結局は胴元が儲かる仕組みになっています。

【重要ではありません】早期治療支援特約

健康診断で血圧・脂質・肝機能・糖代謝・腎機能といった項目が要精密検査・要治療に相当し、180日以内に入院もしくは通院で検査か治療を受けた場合に2万円給付するオプションです。

他社にはなかなか見られない珍しい保障ですが、保障額はたったの2万円。

要精密検査と判定された場合の精密検査は健康保険が適用されるので、現役世代なら自己負担は3割。検査費用と病院までの往復交通費とちょっと豪華なランチを食べて、2万円でトントンかおつりがくるといったところでしょうか。

これなら自分で貯めたほうが良いでしょう。2万円受け取ったところでどうにもなりません。

ちなみに、40歳男性が早期治療支援特約を付加すると月々の保険料は396円上がります。保障額は2万円なので、5年に1回健康診断で要精密検査になればペイできる計算です。

また、本特約は10年更新型なので10年ごとに保険料が見直されます(上がることが多い)。

【重要ではありません】入院一時給付金特約

特約名 給付額 給付条件
入院一時給付金特約 5万円から10万円の範囲で選択可能(1万円単位) 入院したとき

主契約で保障される生活習慣病に関わらず、あらゆる疾病やケガで入院すれば一時金が給付されるオプションです。

主に短期入院で赤字になるのを回避するためのオプションですが、短期入院は貯蓄で備えて、発生したら貯蓄でカバーするのが難しい長期入院に備えるのがコスパのよい医療保険の入り方。特約保険料も安くはないので、極端に手持ちの現金が少ない場合以外は不要でしょう。

ちなみに、30歳男性が入院一時給付金特約を保障額10万円で付加すると、月々の保険料は997円上がります。概ね8年に1回入院すれば元が取れる計算なので、元を取るのもなかなか大変。

【重要ですが…】先進医療特約

特約名 給付額 給付条件
先進医療特約 保障期間通算で2,000万円までの技術料。 先進医療を受けた場合。

先進医療とは、厚生労働省が指定した公的医療保険の対象にするかを評価する段階にある治療・手術を指します。健康保険適用がされないので技術料は全額自己負担(入院費や診察費等は健康保険が適用されて3割負担)。なので、先進医療を受けると高額な医療費を請求されることもありますが、その技術料実費を2,000万円上限で保障してくれるのが先進医療特約です。

しかし、保障内容は他社と比較してちょっと寂しいです。

まずは一時金の給付がない点。保障されるのは先進医療の技術料実費のみです。

先進医療を受けられる病院は限られているため、遠方に移動することもあります。交通費・宿泊費等が必要になるケースも多く、他社は一時金5万円~10万円、もしくは交通費・宿泊費の実費を給付することが多いです。この点は他社より保障が薄いと言えます。

また、東京海上日動あんしん生命「あんしん治療サポート保険」の先進医療特約は10年更新型です。10年ごとに保険料が更新されます(上がることが多いかと)。他社の主流は一生涯保険料が変わらない終身型です。

現状は月々100円程度の保険料で先進医療特約を付加できますが、今後先進医療が普及して保険会社の保険金支払いが膨らめば、保険料が爆上げされる可能性も否めません。10年ごとに保険料に更新される10年更新型より、一生涯保険料が変わらない他社の終身型の方が安心です。

【重要です】がん特定治療保障特約

がんの治療を目的とした患者申出療養・評価療養(先進医療を除く)・自由診療を受けたときに技術料実費を上限1億円で保障するオプションです。

患者申出療養とは、患者からの申出を起点として、健康保険が適用されない治療を受けられる制度です。

「どうにもならないので〇〇という治療を受けさせてください!」

と国に申請して、認められれば技術料以外の入院料・診察料等に健康保険が適用されて3割負担となります(技術料は10割負担)。

評価療養とは、健康保険の対象とするべきかどうか評価している段階の治療を指します。こちらも技術料以外の入院料・診察料等に健康保険が適用されて3割負担になります(技術料は10割負担)。

一方で、自由診療は健康保険が全く適用されません。欧米では承認されているものの、日本では承認が遅れているような抗がん剤なんかが自由診療に含まれますが、技術料もその他の費用も10割負担。

ということで、患者申出療養・評価療養・自由診療を受けるとけっこうな金額を請求されます。国立がん研究センターが2021年10月時点の未承認・適応外の医薬品を下記リンク先にまとめていますが、月100万円かかる抗がん剤なんてざらにあります。

国内で薬機法上未承認・適応外となる医薬品・適応のリスト(2021年10月31日改訂版)(PDF)

経済アナリストの森永卓郎さんがステージ4のすい臓がんであることを2023年12月に公表されましたが、原発不明がんと診断されたため抗がん剤を打つことができず、自由診療のオプジーボを投与したというニュースが報じられました。この治療費が1ヶ月半で400万円。2024年現在では、すい臓がんへのオプジーボは健康保険が適用されません。400万円は全額自己負担です。

この400万円もがん特定治療保障特約で保障されます。1億円上限で実費保障されるので、400万円のオプジーボならまあ余裕です。他社の医療保険にも自由診療の抗がん剤治療を保障するオプションがありますが、保障額は月20万円程度。上限1億円は桁違いの保障内容です。

特約保険料も全ての年代でたったの月500円。

「健康保険が適用されない治療なんて効果あるのかわからない!受ける必要はない!こんな特約は不要!」

という考え方もありますが、月500円であれば付加しても良いかなと。崖っぷちに立たされたときに考え方が変わることもあります。

ただし、本特約は5年更新型です。5年ごとに保険料が見直されます。

現状は月500円で付加できますが、将来的に自由診療が普及して、

「いやー、もう月500円では無理だ!」

と、東京海上日動あんしん生命がギブアップして値上げする可能性もあります。

まあでも値上げしたらそのときにオプション解約すればよいだけ。いま東京海上日動あんしん生命「あんしん治療サポート保険」に加入するのなら、付加しておくべきオプションでしょう。

ちなみに、患者申出療養・評価療養はまだまだマイナーですが、自由診療を用いられるケースは増えつつあります。他社の調査では、医師から自由診療を提案された方の割合が19.8%(実際に受けた方は11.7%)という結果があります。

【重要ではありません】特定疾病保険料払込免除特約01

特約名 給付額 給付条件
特定疾病保険料払込免除特約01 保険料の支払いが免除される。
(保障は継続する)
悪性新生物・心疾患・脳血管疾患で所定の状態を満たしたとき。

特定疾病保険料払込免除特約01は、よくCMで見る「以降の保険料は頂きません!」という特約です。所定の条件を満たせば、以降の保険料支払いが免除されます(もちろん保障は継続)。

保険料支払いが免除される条件は以下のとおり。他社と比較しても悪くありません。

悪性新生物:診断確定
心疾患:手術or5日以上の入院(急性心筋梗塞は1日以上の入院)
脳血管疾患:手術or5日以上の入院(脳卒中は1日以上の入院)

まあでも、保険料がそこまで高くない三大疾病保険に保険料払込免除特約が必要かは微妙です。保険料払込免除特約は有料オプションなので、付加すれば月々の保険料はググっとあがります。

個人的には不要かなと。

【シミュレーション】僕が東京海上日動あんしん生命「あんしん治療サポート保険」に入るなら。

僕が東京海上日動あんしん生命「あんしん治療サポート保険」に入るなら、以下の保障内容にします。

  • 主契約:Ⅱ型50万円(通院割合30%)
  • 特約:先進医療特約、がん特定治療保障特約

上記のシミュレーションで40歳男性の月々の保険料は4,759円、40歳女性なら5,049円です(健康割引あり)。

がん以外の保障内容が全般的に良いのでⅡ型を選びます。既にがん保険等でがんに備えがある場合は、Ⅲ型・Ⅳ型もアリです。

健康保険が適用されない治療に備えるためにも、先進医療特約とがん特定治療保障特約は重要度高め。特に、がん特定治療保障特約も優れているので、付加しておけば土壇場で後悔することもないかなと。

保険料はこのあと比較していきます。

東京海上日動あんしん生命「あんしん治療サポート保険」のデメリット

東京海上日動あんしん生命「あんしん治療サポート保険」ここにご注意!
  • 【check】がんの保障はやや微妙か。
  • 【check】保険料が高い。
  • 【check】先進医療特約が10年更新型。

がんの保障はやや微妙か。

上述のとおり、がんの保障は見方によってはやや微妙です。

例えば、同じ三大疾病保険であるメディケア生命「新メディフィットPlus」のがんの一時金給付条件は

初回:がんと診断確定
2回目以降:がんと診断確定or入院or通院で以下の治療を受けたときor緩和ケア

①抗がん剤治療
②放射線治療
③手術
④骨髄移植術
⑤先進医療・患者申出療養

です(Ⅱ型)。

「あなたはがんです」

と診断されるだけで一時金給付ですし、2回目以降は入院or通院で何からの治療を受けていても一時金給付。

一方で、東京海上日動あんしん生命「あんしん治療サポート保険」は入院or手術が一時金満額給付の条件。診断されただけでは一時金給付されないですし、通院治療のみの場合は一時金が20%もしくは30%に減額されます。

また、上皮内がんは一時金給付が1回のみです。メディケア生命「新メディフィットPlus」は上皮内がんでも通常のがんと同じく一時金を回数無制限給付なので、この点も東京海上日動あんしん生命「あんしん治療サポート保険」は劣勢です。

保険料が高い。

東京海上日動あんしん生命「あんしん治療サポート保険」は

  • 過去1年間喫煙していない。
  • 血圧が最大139mmHg以下最小89mmHg以下

という2点両方を満たせば保険料が割引されますが、割引されても保険料は高め。ここもメディケア生命「新メディフィットPlus」と月々の保険料を比較してみます。

まずはⅠ型(3疾病)から。一時金50万円で比較してみます。

東京海上日動あんしん生命 メディケア生命
30歳男性 3,245円 1,410
30歳女性 2,870円 1,265
40歳男性 4,320円 2,255
40歳女性 3,655円 1,785

※東京海上日動あんしん生命は通院割合30%・健康割引あり、メディケア生命は三疾病Ⅱ型で比較。

東京海上日動あんしん生命の方が圧倒的に高くなりました。

「あれ?計算間違ったかな?」

と思ってしまうくらいに高いです。

続いてⅡ型(8疾病)。こちらも一時金50万円で比較してみます。

東京海上日動あんしん生命 メディケア生命
30歳男性 4,145円 1,960円
30歳女性 3,485円 1,625円
40歳男性 5,540円 3,135円
40歳女性 4,435円 2,340円

※東京海上日動あんしん生命は通院割合30%・健康割引あり、メディケア生命は八疾病Ⅱ型で比較。

こちらも圧倒的に東京海上日動あんしん生命の方が高いです。計算間違ってないか不安になるくらい高い。

Ⅱ型(8疾病)も東京海上日動あんしん生命の方が保障範囲・保障条件ともに良いので、多少保険料が高くなるのは仕方ないと思いますが、それでもかなり差があるなあという印象です。

以下、余談です。

東京海上日動あんしん生命「あんしん治療サポート保険」の派生版として

使わなかった保険料が戻ってくる!
保障を全く受けなければ支払った保険料が全額戻ってくる!

というコンセプトの「あんしん治療サポート保険R」があります。

「あんしん治療サポート保険R」は「あんしん治療サポート保険」よりさらに保険料が高め。例えば30歳男性が保障額30万円(Ⅰ型・通院割合20%・健康割引あり)で加入した場合の月々の保険料は

あんしん治療サポート保険:1,686円
あんしん治療サポート保険R:3,183円

です。およそ倍くらい「あんしん治療サポート保険R」の方が高くなってます。

これで保障を全く受けなければ、「あんしん治療サポート保険R」は70歳時にそれまでに支払った保険料1,527,840円が全額キャッシュバックされるので、

「保険料が高くても戻ってくるなら問題ないだろ!貯金と思えば全然アリ!」

と思ってしまいますが、自前で資産運用するという観点が加わるとそうでもありません。

上述したメディケア生命「新メディフィットPlus」に30歳男性が保障額30万円(3疾病・Ⅱ型)で加入した場合の月々の保険料は846円。「あんしん治療サポート保険R」との差額は月2,337円。

この差額を毎月コツコツ積み立てて、年利1.5%で運用できれば70歳時には154万円まで膨らむので、「あんしん治療サポート保険R」のキャッシュバックとほぼ同額。もちろんメディケア生命から何らかの保障を受けたとしても、154万円から差し引かれることはありません。

自前で資産運用すれば元本割れのリスクもありますが、手堅くインデックスファンドで運用すれば年利1.5%は難しくないかなと。個人的には年利5.0%くらいは十分あり得ると考えています。

まあでも40年間も資産運用をコツコツ続けられる人は多くありません。自前で資産運用するのはめんどくさい!だとか、元本割れは絶対にイヤ!といった場合は「あんしん治療サポート保険R」に頼るのもアリでしょう。積み立てをコツコツ続けることができて、元本割れのリスクも受け入れられるのであれば、自前で資産運用することも検討を。

先進医療特約が10年更新型。

上述のとおり、先進医療特約は10年更新型。10年ごとに保険料が見直されます。現状は月100円程度で先進医療特約を付加できますが、将来的に先進医療が普及した場合に10年後の特約保険料が爆上げされる可能性も否めません。

他社は一生涯保険料が変わらない終身型が主流です。終身型の方が安心です。

東京海上日動あんしん生命「あんしん治療サポート保険」のメリット

東京海上日動あんしん生命「あんしん治療サポート保険」ここがポイント!
  • 【check】がん以外の保障は悪くない。

東京海上日動あんしん生命「あんしん治療サポート保険」は

  1. がん(悪性新生物・上皮内新生物)
  2. 特定心疾患
  3. 特定脳血管疾患
  4. 大動脈瘤・解離
  5. 特定肝疾患
  6. 特定腎疾患
  7. 膵炎
  8. 糖尿病の3大合併症

という8種類の生活習慣病に備えられますが、がん以外の保障は悪くありません。ここも疾病ごとにメディケア生命「新メディフィットPlus」と比較してみます。

まずは心疾患から。両社の保障対象を見ると、

東京海上日動あんしん生命:特定心疾患
メディケア生命:心疾患

というように、東京海上日動あんしん生命は「特定」という文言が頭についてます。

「なにこれ?」

と思って約款を見てみると、保障される心臓の病気が微妙に削られてます。

東京海上日動あんしん生命 メディケア生命
心疾患 ・虚血性心疾患
・肺性心疾患及び肺循環疾患
・急性心膜炎
・心膜のその他の疾患
・他に分類される疾患における心膜炎
・急性及び亜急性心内膜炎
・急性心筋炎
・他に分類される疾患における心筋炎
・心筋症
・他に分類される疾患における心筋症
・心停止
・心不全
・心疾患の合併症及び診断名不明確な心疾患の記載
・他に分類される細菌性疾患におけるその他の心臓障害
・慢性リウマチ性心疾患
・虚血性心疾患
・肺性心疾患及び肺循環疾患
・急性心膜炎
・心膜のその他の疾患
・他に分類される疾患における心膜炎
・急性及び亜急性心内膜炎
・非リウマチ性僧帽弁障害
・非リウマチ性大動脈弁障害
・非リウマチ性三尖弁障害
・肺動脈弁障害
・心内膜炎,弁膜不詳
・他に分類される疾患における心内膜炎及び心弁膜障害
・急性心筋炎
・他に分類される疾患における心筋炎
・心筋症
・他に分類される疾患における心筋症
・房室ブロック及び左脚ブロック
・その他の伝導障害
・心停止
・発作性頻拍(症)
・心房細動及び粗動
・その他の不整脈
・心不全
・心疾患の合併症及び診断名不明確な心疾患の記載
・他に分類される細菌性疾患におけるその他の心臓障害

太字が両社の差異ですが、東京海上日動あんしん生命の方が微妙に狭いです。

虚血性心疾患・心不全といった大物は両社ともに保障されますが、大人になってからは罹りにくいリウマチ性心疾患や、大人になってもよくある高血圧心疾患・不整脈・心臓弁膜症は東京海上日動あんしん生命だと保障対象外。軽度の高血圧心疾患・不整脈・心臓弁膜症であれば通院しながら投薬治療を受けることが多いのですが、症状が悪化すれば入院・手術もあり得ます(入院・手術となればメディケア生命は保障対象)。

一方で、保障条件は東京海上日動あんしん生命の方が良いです。

メディケア生命は保障条件が入院or手術なのに対し、東京海上日動あんしん生命は入院or手術に加えて通院でも一時金が給付されます(20%or30%に減額)。狭心症なんて入院せずに通院で治療を受けることが多いのですが、この場合はメディケア生命は保障対象外で、東京海上日動あんしん生命は一時金を減額給付。

総合的に見ると、どちらが良いかは一概に言いにくいのですが、保障されやすいのは通院でも一時金を受け取れる東京海上日動あんしん生命かなと。厚生労働省の令和2年患者調査によると、心疾患の入院患者数58.4千人に対して、通院患者数は129.6千人。2倍以上が通院です。

続いて脳血管疾患。

脳血管疾患も

東京海上日動あんしん生命:特定脳血管疾患
メディケア生命:脳血管疾患

というように、東京海上日動あんしん生命は「特定」という文言が頭についています。具体的に保障される脳の病気は↓のとおり。

東京海上日動あんしん生命 メディケア生命
脳血管疾患 ・一過性脳虚血発作及び関連症候群
・くも膜下出血
・脳内出血
・その他の非外傷性頭蓋内出血
・脳梗塞
・脳卒中, 脳出血又は脳梗塞と明示されないもの
・その他の脳血管疾患
・他に分類される疾患における脳血管障害
・脳血管疾患の続発・後遺症
・くも膜下出血
・脳内出血
・その他の非外傷性頭蓋内出血
・脳梗塞
・脳卒中, 脳出血又は脳梗塞と明示されないもの
・脳実質外動脈(脳底動脈、頚動脈、椎骨動脈)の閉塞及び狭窄, 脳梗塞に至らなかったもの
・脳動脈の閉塞及び狭窄, 脳梗塞に至らなかったもの
・その他の脳血管疾患
・他に分類される疾患における脳血管障害
・脳血管疾患の続発・後遺症

東京海上日動あんしん生命では脳の血管が狭くなってしまうような脳動脈閉塞・狭窄が保障対象外。その代わりに脳の血流が一時的に悪くなる一過性脳虚血発作が保障されます。どちらも脳梗塞につながる症状ですが、保障範囲としては両社ほぼ同じくらいかなと。

また、心疾患と同様にメディケア生命は保障条件が入院or手術なのに対し、東京海上日動あんしん生命は入院or手術に加えて通院でも一時金が20%or30%減額されて給付されます。

ただし、脳血管疾患が通院だけで終わることは多くありません。厚生労働省の令和2年患者調査によると、脳血管疾患の入院患者数123.3千人に対して、通院患者数は74.2千人。通院は半分強に過ぎません。

ということで、両社差異はありますが、結果的にはほぼほぼ同じかなと。

大動脈瘤・解離も両社ほぼ同等。東京海上日動あんしん生命は入院or手術で保障されるのに対し、メディケア生命は手術のみが条件ですが、大動脈瘤・解離で手術を受けないことも多くはないので、まあここは両社引き分けかと。

肝疾患・腎疾患・膵炎は東京海上日動あんしん生命の方が有利でしょう。保障される疾病は下表のとおり。

東京海上日動あんしん生命 メディケア生命
肝疾患 ・慢性肝炎
・肝硬変
・肝硬変
腎疾患 ・慢性腎炎
・慢性腎不全
・慢性腎不全
膵炎 ・膵炎 ・慢性膵炎

保障範囲は東京海上日動あんしん生命の方が幅広。保障条件もメディケア生命が入院or通院なのに対し、東京海上日動あんしん生命は入院or手術or通院なのでちょっとだけ有利。

糖尿病はメディケア生命が初回はインスリン治療のみで保障されますが、2回目以降は網膜症の手術とか、壊疽が発生して切断手術とか、かなりの重症が保障対象です。一方で、東京海上日動あんしん生命は合併症が発生して入院or手術を受けた場合に一時金給付(通院は一時金減額)。どちらが良いかはなかなか難しいのですが、インスリン治療のみで保障されるメディケア生命の方が一時金は受け取りやすいかなとは感じます。

まとめると、がん以外の生活習慣病は東京海上日動あんしん生命の方がやや保障されやすいかなと。がん以外の保障を重視するなら東京海上日動あんしん生命もアリです。

東京海上日動あんしん生命「あんしん治療サポート保険」の評価。

評価:B(S、A~Cで判定)

がんの保障は見方によってはやや微妙ですが、がん以外の保障内容は悪くありません。それぞれの疾病で入院or手術で一時金給付される点はわかりやすいですし、心疾患・脳血管疾患は通院でも一時金が給付される点はメリットでしょう。

一方で、保険料は高いです。↑に挙げた良い点を加味したとしても、かなり高い…。保険料が3割安ければ「A」でも良いと感じますが、これくらい高いと「B」が妥当だと感じます。

比較対象に挙げたメディケア生命でも、がんはもちろんのこと心疾患・脳血管疾患でも入院・手術が必要になるような重症ケースに備えられますし、それでいて保険料は東京海上日動あんしん生命のほぼ半額。東京海上日動あんしん生命は心疾患・脳血管疾患の通院でも一時金給付されますが、逆に言えば通院で済むような軽症であれば一時金はオーバースペックとも言えます。

そのオーバースペックに高い保険料を払う必要もないかなと。もっと安く入れる三大(七大)疾病保険はあります。

三大疾病保険は下記リンク先で比較しています。こちらもご参考に。

三大疾病保険の比較

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まとめ

公式サイト:東京海上日動あんしん生命「あんしん治療サポート保険」

がんの保障は見方によってはやや微妙。がん以外の保障を重視するのなら候補に入りますが、それでも他社より保険料はグッと高めです。他社の三大(七大)疾病保険と比較しておいて損はないでしょう。

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※2023年9月更新

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