複雑過ぎるという印象のかんぽ生命「新ながいきくん」。
メインの死亡保障は
- 現役時代の保障が増額（老後の保障が減額）されるタイプ
- 低解約返戻金型
- 老後のお小遣いがあるタイプ。
の組み合わせから成る6パターンから選べるのですが、ここからしてまず複雑。さらに医療特約と災害特約は、それぞれ無解約返戻金型と解約返戻金低減型があります。選択肢が広いという点ではメリットとも考えられますが、保険にあまり興味のないふつうの人が理解するのも大変かなと。
また、単純に死亡保障として考えても微妙です。保険料は安くないですし、解約返戻金の返戻率（利率みたいなもの）も高くなく。
かんぽ生命「新ながいきくん」の死亡保障は
不慮の事故（交通事故等）や感染症で亡くなった場合は死亡保険金が倍増！
という特徴があり、他社よりも手厚くなっているのが保険料に影響していると思いますが、交通事故で亡くなると遺族が必要となるお金が倍に増えるというのも考えにくい。
他社のシンプルで保険料が安い終身保険と比較しておいて損はないでしょう。
終身保険は当たりハズレの大きい保険です。
というのも、解約返戻金の返戻率（支払った保険料に対して解約時に戻ってくるお金の割合）に各社大きな差があります。支払った保険料に＋αの利息が上乗せされるお得な終身保険もあれば、大きく元本割れしてしまう終身保険もあります。元本割れしてしまう終身保険は選びたくないですよね。
終身保険の選び方のポイントは↓のリンク先に書いています。
リンク先の内容を要約すると、終身保険を選ぶ際に大切なのは以下の2点です。
まずはざっと概要を書いておきます。上記2点について、かんぽ生命「新ながいきくん」の概要と評価は以下のとおりです。
| 項目 | 内容 | 評価 |
| 30歳の月額保険料 （保険金額500万円、保険料払込期間60歳、定額型、低解約返戻金型） |
男性：13,600円 女性：13,300円 |
C |
| 40歳の月額保険料 （保険金額500万円、保険料払込期間60歳、定額型、低解約返戻金型） |
男性：20,700円 女性：20,200円 |
|
| 解約返戻金の返戻率 | 満期を迎えた時：92.2％ （40歳男性・保険金額300万円・保険料払込期間60歳、定額型、低解約返戻金型） |
C |
保険料は他社と比較して高め。
冒頭書いたとおり、不慮の事故（交通事故等）や感染症で亡くなった場合に死亡保険金が倍増されるという点が多少は影響していると思いますが、それにしても高いかなと。交通事故で亡くなったからといって遺族が必要となる金額が倍増することはないでしょう。
解約返戻金の返戻率も高くありません。満期直後の返戻率は100％を下回ることが多いかなと（元本割れ）。
生命保険の相談は保険クリニックで！
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かんぽ生命「新ながいきくん」の基本情報
まずは基本情報を一覧にしました。他の終身保険と比較する際の手掛かりにどうぞ。
| 保険の種類 | 【終身保険】 ・死亡、高度障害を保障する保険です。 ・保障は一生涯続きます。 ・保険料は一生涯同じです。 ・貯蓄性があります（解約返戻金があります） |
| 保険料を支払う期間 | 55歳～95歳での範囲で5歳刻みで選択可能。 |
| 保険料を支払う回数 | 月払 |
| 保険料を支払う方法 | 口座振替等 |
| 保障される期間 | 一生涯（終身） |
かんぽ生命「新ながいきくん」のメリット
繰り返しますが、契約日から1年6カ月経過後に、不慮の事故または所定の感染症で亡くなった場合に保険金額が倍増されます。
不慮の事故とは主に交通事故です。また、所定の感染症とはエボラ出血熱とかSARSとかコレラとか、現在の日本で暮らしている限りは感染する可能性がかなり低い感染症です（インフルエンザが悪化して肺炎で亡くなったとかは対象外）。
そもそも不慮の事故や上述した感染症で亡くなる可能性は低いですし、亡くなったからと言って遺族が必要とする金額が2倍になるとは考えにくいです。
メリットとしてこの点を挙げましたが、基本保障に含める意味があるかは疑問です（他社はオプション化していることが多い）。
かんぽ生命「新ながいきくん」のデメリット
保険料は安くない。
保険料は安くありません。
保険金額500万円・保険料払込期間60歳までを条件として、円建て終身保険では最安値クラスのオリックス生命「RISE（ライズ）」と月々の保険料を比較してみます。かんぽ生命は定額型・低解約返戻金型を比較対象とします。
| かんぽ生命 | オリックス生命 | |
| 30歳男性 | 13,600円 | 9,700円 |
| 30歳女性 | 13,300円 | 9,185円 |
| 40歳男性 | 20,700円 | 15,640円 |
| 40歳女性 | 20,200円 | 14,805円 |
オリックス生命の方が圧倒的に安くおさまります。上表は30歳・40歳を例に比較してみましたが、他の年齢でもオリックス生命の方が安くなることが多いかなと。
ちなみにですが、かんぽ生命「新ながいきくん」には、ばらんす5倍という現役時代の保障を大きくするプランを選べます。例えば、ばらんす5倍で保険金額1,000万円の場合
・満期前（現役時代）の保障額は1,000万円
・満期後（老後）の保障額は200万円
といったように、満期前後で保障額にメリハリをつけるのがばらんす5倍プランです。現役時代の保障を厚くするという点では合理的。
しかし、定期保険と終身保険を併用すれば、同じことを他社でもできます。例えば
・定期保険の保険期間を現役時代に設定。保障額は800万円
・終身保険（一生涯の保障）の保障額を200万円
とすれば、実質的な保障は両者ほぼ同じ。
30歳男性を例にすると、
●かんぽ生命「新ながいきくん」のばらんす5倍（低解約返戻金型）を保障額1,000万円・保険料払込期間60歳までで契約した場合の月々の保険料は7,800円。
●オリックス生命の定期保険「Bridge（ブリッジ）」を保険金額800万円・保険料払込期間60歳までで契約し、さらに同じオリックス生命の終身保険「RISE（ライズ）」を保険金額200万円で契約した場合、月々の保険料総額は5,590円。
ということで、オリックス生命によせた方が保険料は安くおさまります。
解約返戻金の返戻率は高くない。
終身保険には貯蓄性があります。
というのも、解約するとそれまで積み立てた保険料が解約返戻金として戻ってきます。そしてその解約返戻金の良し悪しを計る指標が返戻率。
かんぽ生命「新ながいきくん」は返戻率が記載された資料を探すのも一苦労なのですが、過去にリリースされた資料では40歳男性が保険金額300万円・保険料払込期間60歳までで契約した場合、月々の保険料が12,420円。60歳までに支払った保険料総額が2,980,800円。
それに対して、満期直後（60歳）の解約返戻金が2,748,000円なので、返戻率は約92.2％。支払った保険料より少ない金額しか戻ってきません。
一方で、先ほどから比較しているオリックス生命「RISE（ライズ）」の同条件の返戻率は約105.0％。支払った保険料以上の解約返戻金が戻ってきます。
かんぽ生命「新ながいきくん」は貯蓄性の観点でも弱いかなと。
クレジットカード払いができない。
かんぽ生命「新ながいきくん」はクレジットカードで保険料を支払うことができません。
他社の終身保険はクレカ払いできることが当たり前。クレカで支払えば、ポイント還元の恩恵を受けられることもあるでしょう。
終身保険の保険料は高いです。積み重なれば、けっこうなポイントになります。
かんぽ生命「終身保険 新ながいきくん」の評価
評価：C（S、A~C）
保険料が高くて、解約返戻金の返戻率は低め。ここらへんは全国の支店網やら営業職員を維持するのにかかるコストが原因なのかもしれません。様々なプランがあり過ぎて、保障内容が複雑過ぎる感もあります。
他社の終身保険との比較は必須でしょう。もっと安くて貯蓄性も高い終身保険はあります。よって評価は「C」としました。
かんぽ生命「終身保険 新ながいきくん」の相談をするなら。
かんぽ生命「終身保険 新ながいきくん」は全国のかんぽ生命で取り扱っていますが、上述のとおり、他社の終身保険と比較してみた方がよいでしょう。
最寄の保険ショップで、
「かんぽ生命の新ながいきくんを考えているんですけど、他に良さそうな保険ありませんか？」
と聞いてみるといいです。いろいろな終身保険と比較してくれますよ。
サイト上の予約フォームに相談したい内容をざっくり入力し、予約してから訪問した方が効率的に最適なプランへたどり着けます。
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わかりやすく実績を確認できるのが第三者機関による顧客満足度調査。オリコン社が実施した保険ショップの顧客満足度調査にて2021年から2023年までの3年連続No.1、2023年10月に実施した株式会社DRCによるインターネット調査にて総合1位を獲得しています。
保険クリニックは契約手続きとアフターフォローにも定評があります。
保険金の不払い率をこちらにまとめていますが、不払いとなる理由の多くは
- 契約時の告知事項に不備があった。
- 契約上、保険会社に支払う責任がない。
の2点。
1点目は保険を契約する際に生命保険会社へ知らせた告知事項（過去の病歴とか現在の健康状況とか職業等）に誤りがあったケースで、終身保険にはこれが稀にあります。
告知事項の誤りの主な原因は契約者の勘違いです。なので、保険ショップのスタッフが契約時にしっかり説明すれば回避できます。保険クリニックでしっかり説明を受けて契約すれば、まず該当することはないかと。
また、2点目はそもそも保険会社に保険金を支払う責任がないケースですが、医療保険やがん保険には責任分界点が微妙なグレーゾーンが存在します。微妙なグレーゾーンでキーになるのが医師が書く診断書。診断書の表現ひとつで保障されないこともあります。
そんなときに、
「こういうふうに診断書を書いてもらうと保障されやすいですよ」
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まとめ
公式サイト：かんぽ生命「新ながいきくん」
おすすめポイントが見当たりません。
保険料の観点からも、貯蓄性の観点からも、他社の終身保険との比較は必須でしょう。まずはオリックス生命「ライズ」あたりから比較してみると良いと感じます。
とはいえ、保険の比較なんて面倒です。面倒なことは専門家にやってもらいましょう。保険クリニックならオリックス生命を含む50社の生命保険会社と提携しています。各社の比較もかんたんにやってくれますよ。
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