介護保険・認知症保険の必要性と選び方は↓の書いています。
まずはざっと概要を書いておきます。ソニー生命「終身介護保障保険」の概要と評価は以下のとおりです。
項目 | 内容 | 評価 |
保障タイプ | 介護保険 | A |
給付タイプ | 年金+一時金タイプ | A |
給付条件 | 要介護2 | B |
国の要介護認定と連動し、幅広く介護に備えられる介護保険です。認知症保険のように特定の症状に特化した介護保険ではありません。認知症は要介護全体の7割程度(推測)なので、介護全般に備えるのなら、認知症保険ではなく介護保険を選んだ方が無難です。
給付タイプは年金+一時金です。給付条件を満たせば
- 初年度に一時金と年金
- 給付条件を満たす限り毎年年金
を受け取ることができます。終わりが見えない介護は介護状態が続く限り定額を受け取れる年金タイプが理想的。この点はメリットでしょう。
また、給付条件は要介護2からなのでまあ平均的。他社は要介護3から保障することもあり、ソニー生命「終身介護保障保険」の要介護2から保障は悪くありません(要介護は数字が上がるほど症状が進んだ状態になります)。
詳細は後述しますが、死亡給付金の倍率を調整すれば、要介護2以上が5年程度継続で黒字になることもあるので、他社と比較しても使える介護保険になっていると感じます(それでもやっぱり自分で貯めた方がよい)。
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ソニー生命「終身介護保障保険」の基本情報
まずは基本情報を一覧にしました。他社の介護保険と比較する際の手掛かりにどうぞ。
保険の種類 | 【介護保険】 ・要介護認定と連動した保障のある保険です。 ・解約時に解約返戻金が戻ってくる場合があります。 ・保険料が値上がりすることはありません。 |
主契約 | 【介護一時金+介護年金】 要介護2以上に認定された場合に一生涯年金が給付されます。 【死亡給付金】 亡くなった場合に給付されます。 |
特約(オプション) |
【介護一時金特約】 要介護2以上に認定された場合に一時金が給付されます。 |
保険料を支払う期間 | 以下から選択可能。 ・55歳まで~85歳まで(5歳刻み) ・10年、15年 ・終身(一生涯) |
契約できる年齢 | 20歳~85歳 |
保険料を支払う方法 | 口座振替・クレジットカード |
保障される期間 | 終身(一生涯) |
ソニー生命「終身介護保障保険」のデメリット
※2024年10月に改定があり、保険料をクレジットカードで支払うことが可能となりました。本デメリットは解消済みです。
地味なデメリットですが、毎月数千円の保険料をクレジットカード払いできればポイント還元の恩恵を受けられます。積み重ねれば、それなりの金額に。
しかし、ソニー生命「終身介護保障保険」はクレジットカードで保険料支払いができません。口座振替のみです。
この点は地味に痛い…。
ソニー生命「終身介護保障保険」のメリット
介護一時金と介護年金の給付条件が普通。
普通はメリットじゃないだろ!とも思いますが、一応書いておきます。
冒頭書いたとおり、ソニー生命「終身介護保障保険」は国の要介護認定が一時金・年金の給付条件になっています。その給付条件は以下のとおり。
介護一時金:要介護2以上
介護年金:要介護2以上
要介護2以上に認定されれば、初年度に一時金が給付されるのに加え、介護状態が続く限り一生涯年金が給付されます。
ちなみにですが、要介護2の条件は以下のとおり。
- 身だしなみや居室の掃除などの身のまわりの世話の全般に何らかの介助(見守りや手助け)を必要とする。
- 立ち上がりや片足での立位保持などの複雑な動作に何らかの支えを必要とする。
- 歩行や両足での立位保持などの移動の動作に何らかの支えを必要とする。
- 排泄や食事に何らかの介助(見守りや手助け)を必要とすることがある。
- 混乱や理解低下がみられることがある。
そろそろ一人暮らしも難しくなってくるのが要介護2です。これくらいから保障されれば手遅れではないかと。
他社と比較しても保障条件は悪くはありません。明治安田生命「介護のささえ」の保障条件は以下のとおり。
介護一時金:要介護3以上(介護一時金保障特約)
介護年金:要介護3以上
より症状が進んだ要介護3で一時金と年金を受け取れます(要介護認定は数字が大きくなるほど症状が進んだ状態)。条件が緩いのはソニー生命「終身介護保障保険」ですね。
ちなみにですが、朝日生命「あんしん介護」の保障条件は
介護一時金:要介護3以上(介護一時金タイプ)
介護年金:要介護1以上(介護年金タイプ)
なので、一時金はソニー生命よりも厳しいものの、年金はソニー生命よりゆるくなってます。
ということで、要介護2から一時金と年金を受け取れることをメリットとしましたが、他社の介護保険と比較して抜き出てるわけではありません。言わば平均的。普通です。
要介護にならずに亡くなっても何かしら受け取れる(しかし、自分で貯めたほうがよさそう)。
ソニー生命「終身介護保障保険」には死亡保険金があります。死亡保険金は介護年金として受け取った額が差し引かれて給付されます。
実際に要介護認定を受ける可能性は高くありません。2022年2月の厚生労働省調査では65歳以上の第1号被保険者数が約3589万人。そのうち国の要支援・要介護認定を受けている人は約676万人。割合にすると18.8%です。
国から
「あなたは介護が必要ですよ」
と認定され、何らかの介護サービスを受けている65歳以上の割合はだいたい5人に1人。がんは一生涯で2人に1人が罹患すると言われているので、要介護となる確率はがんよりも低いと言っていいでしょう。
ということで、民間の介護保険に加入しても多くの場合は払い損で終わります。保険料は掛け捨てなので、要介護認定を受けることなく亡くなった場合は1円も受け取れません。このときの
「介護保険なんて必要なかったじゃん!」
といったがっかり感は計り知れないものがあります(要介護とならずに一生涯を終えたことは幸せではあるのですが)。
こういうがっかり感を極力減らすためにソニー生命「終身介護保障保険」は
「介護状態にならずに亡くなっても、死亡保険金を受け取ることができる」
といった商品設計になっています。
死亡保険金は介護年金額の
- 0倍(死亡保険金なし)
- 0.1倍
- 5倍
- 7倍
- 10倍
の5パターンから選べます。
例えば介護年金60万円で死亡保険金300万円(5倍)のケースだと、
①介護状態とならずに亡くなった(介護年金なし)
→死亡保険金300万円を給付
②介護状態となって1年後に亡くなった(介護年金60万円受け取り)
→死亡保険金240万円を給付
③介護状態が5年以上続いて亡くなった(介護年金300万円以上受け取り)
→死亡保険金0円
です。1円も受け取らずに亡くなった!ということはあり得ません。少なくとも300万円受け取れます。
ただし、お得になるケースは限られます。
55歳男性が介護年金60万円で契約した場合を例に、死亡給付金倍率ごとの損益をケース分けして考えてみます。
まずは一生涯介護にならないケース。上述のとおり、統計上は本ケースに該当する確率が最も高いです。
死亡給付金倍率 | 月々の保険料 | 保険料総額 | 介護給付金 | 死亡給付金 | 損益 |
死亡保障なし | 8,640円 | 260万円 | 0円 | 0円 | -260万円 |
0.1倍 | 21,240円 | 255万円 | 0円 | 6万円 | -249万円 |
1倍 | 23,400円 | 280万円 | 0円 | 60万円 | -220万円 |
5倍 | 34,680円 | 415万円 | 0円 | 300万円 | -115万円 |
7倍 | 43,500円 | 520万円 | 0円 | 420万円 | -100万円 |
10倍 | 57,540円 | 690 | 0円 | 600万円 | -90万円 |
※「死亡保障なし」は保険料終身払(80歳で亡くなる想定)。それ以外は65歳まで保険料支払い。
死亡給付金の倍率に関わらず赤字です。まあ介護状態にならなければ払い損となるのが介護保険の宿命。仕方ないかなと感じます。
続いて5年間介護が続くケース。介護期間の平均は5年1ヶ月と言われているので(生命保険文化センター)、まあまああり得るケースです。
死亡給付金倍率 | 月々の保険料 | 保険料総額 | 介護給付金 | 死亡給付金 | 損益 |
死亡保障なし | 8,640円 | 260万円 | 360万円 | 0円 | +100万円 |
0.1倍 | 21,240円 | 255万円 | 360万円 | 0円 | +105万円 |
1倍 | 23,400円 | 280万円 | 360万円 | 0円 | +80万円 |
5倍 | 34,680円 | 415万円 | 360万円 | 0円 | -55万円 |
7倍 | 43,500円 | 520万円 | 360万円 | 60万円 | -100万円 |
10倍 | 57,540円 | 690万円 | 360万円 | 240万円 | -90万円 |
※「死亡保障なし」は保険料終身払(80歳で要介護2に認定される想定)。それ以外は65歳まで保険料支払い。
死亡給付金の倍率が高めだと赤字になってますね。低めだとそこそこお得感があります。低めだと介護4年目で黒字になりますが、要介護2以上が4年続けば黒字は介護保険としては優秀です。
最後に、介護期間が10年に及ぶ地獄のケース。介護が必要となった方の17.6%が10年以上続いたという結果があります(生命保険文化センター)。確率は高くないけど、ハマってしまうと負担が大きいケースです。
死亡給付金倍率 | 月々の保険料 | 保険料総額 | 介護給付金 | 死亡給付金 | 損益 |
死亡保障なし | 8,640円 | 260万円 | 660万円 | 0円 | +400万円 |
0.1倍 | 21,240円 | 255万円 | 660万円 | 0円 | +405万円 |
1倍 | 23,400円 | 280万円 | 660万円 | 0円 | +380万円 |
5倍 | 34,680円 | 415万円 | 660万円 | 0円 | +245万円 |
7倍 | 43,500円 | 520万円 | 660万円 | 0円 | +140万円 |
10倍 | 57,540円 | 690万円 | 660万円 | 0円 | +30万円 |
※「死亡保障なし」は保険料終身払(80歳で要介護2に認定される想定)。それ以外は65歳まで保険料支払い。
全ての倍率で黒字になりました。倍率が低いほどお得です。
ということで、
- 介護にならない場合は死亡給付金の倍率に関わらず赤字(統計上は最もあり得るケース)。
- 倍率が高いと平均的な介護期間だと赤字、介護が長引いてもそれほどプラスにはならない。
- 倍率が低いと介護が長引くほどプラス。ただし、介護にならなかった場合の赤字額はデカい。
といった結果でしょうか。
この結果を見る限り、やっぱり介護費用は可能な限り自分で貯めるのが賢いかと。ソニー生命「終身介護保障保険」に加入するのなら、要介護になった際にはお得になる死亡給付金倍率1倍以下にしつつ、介護にならなかった場合の損失を抑えるために保障額は低めにしておくのが良いと感じます。
ソニー生命「終身介護保障保険」の評価。
評価:B(S、A~Cで判定)
要介護2から保障される点は平均的です。悪くありません。
保険料も高くはなく、死亡給付金倍率が1倍以下なら要介護2以上が4年続けば黒字です。他社の介護保険と比較しても決して悪くはなく、評価は「B」が妥当と感じます。
同じくB評価の朝日生命「あんしん介護」と比較するのが、現状の賢い介護保険の選び方です。
ソニー生命「終身介護保障保険」の相談をするなら。
ソニー生命「終身介護保障保険」は全国の保険ショップで取り扱ってます。
でも、保険ショップに行ってみて、
「あー、すいません、うちソニー生命やってないんですよー」
なんてことを言われたら心折れますよね…。そんなことがないように、事前に最寄の保険ショップがソニー生命を取り扱っているか確認しておきましょう。
手堅いのは保険クリニックです。保険クリニックならソニー生命はもちろんのこと、本記事で比較対象とした朝日生命とも提携しています。比較もかんたんにやってくれますよ。
サイト上の予約フォームに相談したい内容をざっくり入力し、予約してから訪問した方が効率的に最適なプランへたどり着けます。
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わかりやすく実績を確認できるのが第三者機関による顧客満足度調査。オリコン社が実施した保険ショップの顧客満足度調査にて2021年から2023年までの3年連続No.1、2023年10月に実施した株式会社DRCによるインターネット調査にて総合1位を獲得しています。
保険クリニックは契約手続きとアフターフォローにも定評があります。
保険金の不払い率をこちらにまとめていますが、不払いとなる理由の多くは
- 契約時の告知事項に不備があった。
- 契約上、保険会社に支払う責任がない。
の2点。
1点目は保険を契約する際に生命保険会社へ知らせた告知事項(過去の病歴とか現在の健康状況とか職業等)に誤りがあったケースで、保険ショップのスタッフが契約時にしっかり説明すれば回避できます。保険クリニックでしっかり説明を受けて契約すれば、まず該当することはないかと。
また、2点目はそもそも保険会社に保険金を支払う責任がないケースですが、医療保険やがん保険や独自基準のある介護保険・認知症保険には責任分界点が微妙なグレーゾーンが存在します。微妙なグレーゾーンでキーになるのが医師が書く診断書。診断書の表現ひとつで保障されないこともあります。
そんなときに、
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まとめ
公式サイト:ソニー生命「終身介護保障保険」
一時金と年金の給付条件は平均的な要介護2。死亡給付金倍率が1倍以下なら黒字になるケースもそれなりにあり得ます。悪くない介護保険です。朝日生命「あんしん介護」と比較しながら決めるのが、介護保険の賢い選び方です。
複雑な介護保険。どれにしようか悩むことが多いと思いますが、1人で悩む必要はありません。最寄の保険ショップで専門家のアドバイスを受けながら決めた方が効率的だし、「やばい介護保険」を掴まされることもなくなります。
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※2024年10月更新 保険料がクレカ払い可能となったことを反映。