【評価B】明治安田生命「年金かけはし」デメリットと評価

明治安田生命「年金かけはし」。

よくある個人年金保険です。契約者から受け取った保険料を手堅く運用し、支払った保険料総額にちょっとだけ利息を上乗せして年金として払い戻し。個人年金保険料控除が使えるので税金面でもお得です。手堅く老後の資金を貯めるのには向いている個人年金保険でしょう。

最近の個人年金保険は外貨建てと変額保険に勢いがありますが、外貨建てには為替リスクがあるので、円高であれば円換算の年金額は減ってしまいます(円安なら増える)。変額保険は契約者が市場リスクを負って運用するので、暴落が発生すると目も当てられない状況になります。

ということで、外貨建てと変額保険にはメンタルの強さが必要です。超円高も大暴落も周期的に発生するので、それを乗り越えて積み立てを継続するメンタルです。こつこつ積み立てた年金が短期間で溶けていく(そしてなかなか戻ってこない)様子を見るのは、予想以上に辛いです…。

そういった意味では、受け取れる年金額が契約時にきっちり決まる明治安田生命「年金かけはし」なら日々を穏やかに暮らせます。年金額の上下でドキドキしたくない方なら、候補に入る個人年金保険でしょう。

ただし、リターンは低いです。

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明治安田生命「年金かけはし」のデメリット

明治安田生命「年金かけはし」ここに注意!
  • 【check】利率が高くない。

利率が高くない。

冒頭書いたとおり、利率は低いです。

例えば、30歳男性が

・保険料払込期間65歳まで(据え置き期間なし)
・月額保険料20,000円
・10年確定年金

で契約した場合、支払った保険料総額840万円に対して年金総額は約883万円。保険料総額に対するリターンは105.2%です。仮に満期時に年金総額を確保できているとすると、年利換算で0.3%程度にしかなりません。

老後の生活資金を貯めるのに、保険ではなく確定拠出型年金(iDeco)を利用したとします。

iDecoでは運用先のファンドを契約者が選択できるのですが、人気のある「eMaxis Slim全世界株式(オルカン)」で運用したとします。

オルカンは全世界の株式に広く投資し、そのリターンを「MSCIオール・カントリー・ワールド・イン デックス」という指標に連動させることを目標としているのですが、過去30年の年利が平均7.3%(2023年10月時点)。実際のリターンは手数料として0.2%程度差し引かれますが、それでも明治安田生命「年金かけはし」を大幅に上回る年利です。

もちろん、これまでの実績が将来も継続するとは限りません。今後の経済がズタズタになりリターンが低下、最終的に固定利率の明治安田生命「年金かけはし」が勝利する可能性もあるでしょう。確定拠出型年金(iDeco)には元本割れのリスクがあります。

しかし、その可能性を加味したとしても、まだまだ老後まで時間がある20代~40代くらいの若い方がリターンの低い個人年金保険で老後の生活資金を貯めるのはもったいないと感じます。多少のリスクはあるとしても、確定拠出型年金(iDeco)を利用してオルカンに積み立てた方が将来的なリターンは高くなるかなと。市場は周期的に暴落しますが、確実に回復しています(リーマンショックもほぼ5年で回復)。

まあでも暴落時にも資産運用を継続するにはメンタルの強さが必要です。みるみる減っていく確定拠出型年金(iDeco)の残高を見るのは精神的に良くないですし、こんな状況でも資産運用を続けられる人は多くありません(それでも続けた人が最後に笑う)。

「そんなの耐えられそうにない…」

という方なら、受け取れる年金額が契約時に確定する明治安田生命「年金かけはし」の方が向いているでしょう。

ちなみに、明治安田生命「年金かけはし」のような固定利率はインフレに弱いです。

本記事を書いている2023年11月の消費者物価指数が2.9%(生鮮食品除く)。明治安田生命「年金かけはし」が年利0.3%しか挙げられないのであれば、実質的なリターンはマイナスです。今後もインフレ傾向が続くのであれば、受け取れる年金額が公的年金の補填に足りないこともあるでしょう。

明治安田生命「年金かけはし」のメリット

明治安田生命「年金かけはし」ここがポイント!
  • 【GOOD!】個人年金保険料控除を使える。
  • 【GOOD!】据置期間を設定できる。
  • 【GOOD!】受け取れる年金額が契約時に決まる。

個人年金保険料控除を使える。

会社員の方なら年末調整で、自営業の方なら確定申告で、1年間に支払った保険料を所得控除に使えます。生命保険に関わる所得控除には

  • 生命保険料控除
  • 介護保険料控除
  • 個人年金保険料控除

の3種類がありますが、明治安田生命「年金かけはし」で支払った保険料は個人年金保険料控除に分類されます。

「個人年金保険なんだから個人年金保険料控除が使えて当たり前だろ!」

と思われるかもしれませんが、世の中の外貨建て個人年金保険や変額個人年金保険は個人年金保険料控除が使えないこともあります(死亡保障が入ってくると生命保険料控除に分類される)。なので、この点は明治安田生命「年金かけはし」のメリット。

個人年金保険料控除は侮れません。生命保険料控除を満額まで使い果たしている方は多いと思いますが、個人年金保険料控除はほとんどの方が使い切れていないでしょう。

個人年金保険料控除は年間80,000円までの個人年金保険料を所得から控除する仕組みなのですが、80,000円満額まで枠を使うと

所得税:40,000円を所得控除
住民税:28,000円を所得控除

です。例えば、年収500万円なら所得税の税率は10%、住民税は年収に関わらずほぼ10%なので、年末調整で還付される金額は

所得税:4,000円(40,000円×10%)
住民税:2,800円(28,000円×10%)

の合計6,800円。80,000円の保険料に対して6,800円が年末調整で戻ってきます。

メリットに挙げた例で、毎年6,800円が還付されれば実質的な保険料総額は約816万円。年金総額883万円に対するリターンは108.2%まで上がります(年利換算で0.45%程度)。

ちなみに、確定拠出型年金(iDeco)も拠出金がまるまる所得控除されます。

個人年金保険 VS 確定拠出型年金(iDeco)

という構図で考えれば、この点が個人年金保険のメリットとは言えません。

据置期間を設定できる。

明治安田生命「年金かけはし」は据置期間を設定できます(据置期間なしも可能)。保険料の支払いを終えた後に年金を受け取るまでの据置期間を設けることで、リターンをちょっとだけ上げることができるというのがその仕組み。

据置期間中は保険料の支払いがないので上述した個人年金保険料控除を受けることができないのですが、その点を加味しても微妙に有利です。メリットで比較した例だと、

【据置期間なし】
保険料総額:8,022,000円(個人年金保険料控除後)
年金総額:8,830,000円
リターン:110.07%

【据置期間あり(5年間)】
保険料総額:6,876,000円(個人年金保険料控除後)
年金総額:7,620,000円
リターン:110.82%

というように、据置期間ありの方がリターンはわずかに上がります。

他社の個人年金保険は据置期間を設定できたりできなかったりします。選択肢が広いという意味で、この点は明治安田生命「年金かけはし」のメリットでしょう。

受け取れる年金額が契約時に決まる。

冒頭書いたとおり、受け取れる年金額が契約時に決まります。契約後の経済状況には左右されません。明治安田生命が破綻すれば減額はあるかもしれませんが、その可能性は極めて低いでしょう。

大暴落で資産がドンっと減るような状況はメンタルをやられます。大暴落が発生しても市場はそのうち回復しますが、いつ回復するかは誰にもわかりません。そんな状況でもこつこつ積み立てを続けるには、強靭なメンタルを求められます。元本保証のない確定拠出型年金(iDeco)に必要なのは強靭なメンタルです。

ということで、日々を穏やかに過ごしたい場合は確定拠出型年金(iDeco)よりも明治安田生命「年金かけはし」の方が選択肢に入るかなと。

ちなみに、他社の円建て個人年金保険と比較してもリターンは悪くありません。国内資本で会社名が漢字の生命保険会社は円建て個人年金保険を発売していることが多いのですが、そのなかでもリターンは高めです。

明治安田生命「年金かけはし」の評価

評価:B(S、A~Cで判定)

手堅く老後の資金を貯めていきたいという方なら候補に入る個人年金保険です。元本割れのリスクがほぼなくて、契約時に受け取れる年金額が決まるという点は安心でしょう。他社の個人年金保険と比較して、リターンも悪くありません。

よって評価は「B」としました。冒頭書いたとおり、よくある個人年金保険です。

しかし、まだまだ老後まで時間のある20代~40代の方であれば多少のリスクを負っても確定拠出型年金(iDeco)を利用した方が最終的には高いリターンを得られると感じます。iDecoは市場リスクを契約者が負うことなりますが、周期的に発生する大暴落も一定期間後に必ず回復しています。

ということで、老後の生活資金を貯めるのなら、やっぱりまずは確定拠出型年金(iDeco)かなと。

個人年金保険のリターンは下記リンク先で比較しています。こちらもご参考に。

個人年金保険・トンチン年金保険の比較ランキング

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明治安田生命「年金かけはし」は全国の保険ショップで相談できます。取り扱っている保険ショップは多めです。きっとご近所の保険ショップでも相談できます。

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「うち、明治安田生命取り扱ってないですよ!」

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  1. 契約時の告知事項に不備があった。
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生命保険の相談は無料でできるし、相談したからって生命保険に入る必要はない。

生命保険の相談はもちろん無料です。

しかも、無料で相談したからといって、生命保険に必ず入らなければならないということはありません。

おすすめされた生命保険に納得できなければ、

「うーん、よく考えてみます…」

と、やんわりお断りしてOKです(お断りする人はかなりいます)。

相談しているときに過度な勧誘もなければ、お断りした後にしつこい電話攻勢というのもありません。最近は過度な勧誘やしつこい電話は法律で禁止されています。そんなことしたら業務停止になってしまいます。

生命保険の相談は気軽な気持ちで。重く考える必要はありません!

まとめ

公式サイト:明治安田生命「年金かけはし」

リターンは高くありません。まだまだ老後まで時間のある20代~40代の方であれば、確定拠出型年金(iDeco)を利用した方が最終的なリターンは高くなることが多いかと。老後の生活資金を貯めるのなら、まずは確定拠出型年金(iDeco)。次にNISA。最後に証券会社の特定口座でファンド購入です。

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ただし、円建ての個人年金保険は元本割れのリスクがほぼありません。受け取れる年金額は契約時に確定します。なので、

「元本割れのリスクは絶対に避けたい!」

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保険クリニックは明治安田生命と提携しています。50社以上の生命保険会社と提携しているので、他社の個人年金保険との公平な比較もやってくれます。保険選びに迷ったら、手っ取り早いのは保険クリニックです。

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