学資保険の選び方。契約前にチェック必須3つのポイント。

子供がいる家庭では避けて通れない教育費問題。平成28年度の文部科学省調査によると、幼稚園から高校までの教育費はこれくらいかかるそうです。

オール公立:148.6万円
高校から私立:207.5万円
オール私立:437.7万円

さらに、大学4年間の学費合計でこれくらい。

国立大学:242.6万円
私立大学(文系):389.9万円
私立大学(理系):530.8万円
私立大学(医科歯科系):2369.3万円

けっこうかかりますよね。これが子供1人分なので、2人いると2倍、3人だと3倍です。

教育費は早いうちから計画的に、そして元本割れしない堅実なやり方で貯めていくのが基本です。

  • 定期預金
  • 個人向け国債

こういった手堅いやり方で貯めていければいいんですけど、目の前の出費が優先されてしまって教育費はなかなか貯められないですよね。

学資保険って古いイメージあって、「いまさら学資保険?」って思われがちですが、教育費を貯める上では悪くないツールです。

  • 強制的に貯めることができる。
  • 元本割れしない(ハズレの学資保険だと元本割れします!)。
  • 利息は定期預金、個人向け国債より良い。
  • 節税効果あり。支払った保険料は年末調整で所得控除される。

学資保険にはこういったメリットあります。

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【学資保険の選び方①】学資保険の返戻率(戻り率)を比較する。

学資保険の利率は「返戻率」もしくは「戻り率」といった呼び方がされます。支払った保険料に対して、どれくらい戻ってくるかの割合ですね。

例えば、100万円の保険料を支払った場合に、105万円の教育資金が戻ってきた場合は、返戻率は105%(105万円÷100万円×100)です。

じゃあ、実際の各社学資保険の返戻率はどれくらいなのかということですが、

・親は30歳。
・子どもは0歳。
・保険料は月払。子供が10歳まで支払う。

といった、最もオーソドックスな前提で業界トップクラスの学資保険の返戻率を表にしてみます。まずは契約者(親)が30歳男性のケース。

学資保険 返戻率 受け取り方
日本生命
ニッセイ学資保険
107.2% 18歳:100万円
19歳・20歳・21歳・22歳:各50万円
明治安田生命
つみたて学資
105.7% 18歳・19歳・20歳・21歳:各75万円
ソニー生命
学資保険Ⅲ型
105.5% 18歳・19歳・20歳・21歳・22歳:各60万円
フコク生命
みらいのつばさ
105.5% 18歳・22歳:各100万円
※ジャンプ型・子供が11歳まで保険料支払い

続いて契約者(親)が30歳女性のケース。

返戻率 受け取り方
日本生命
ニッセイ学資保険
107.3% 18歳:100万円
19歳・20歳・21歳・22歳:各50万円
明治安田生命
つみたて学資
105.9% 18歳・19歳・20歳・21歳:各75万円
ソニー生命
学資保険Ⅲ型
105.5% 18歳・19歳・20歳・21歳・22歳:各60万円
フコク生命
みらいのつばさ
105.7% 18歳・22歳:各100万円
※ジャンプ型・子供が11歳まで保険料支払い

この例だと105%を上回る返戻率となりました。支払った保険料に対して、5%程度の利息が上乗せされる感じですね。返戻率は105%を基準が基準です。105%より高い返戻率ならなかなか良い学資保険、105%より低い返戻率なら他社の学資保険を検討する、といった基準が賢い選び方です。

なお、学資保険は

  • 保険料を支払う期間(子供が何歳になるまで保険料を払う?)
  • 教育資金を受け取るタイミング(子供が何歳のときに受け取る?)

によって返戻率が変わってきます。

同じ学資保険でも、上記の2点によって返戻率は変わります。

学資保険の返戻率を上げる方法① 早く払って遅くもらう

上の図のとおり、学資保険の返戻率を高くする原則は以下の2点に集約されます。

  • 保険料の支払いは可能な限り早く終わらせる。
  • 教育費の受け取りは可能な限り遅くする。

私たちが支払った保険料は生命保険会社が資産運用するのですが、資産運用する期間が長ければ長いほど、返戻率は高くなります。

なので、子供がなるべく小さいうちに保険料の支払いを終えてしまい、最も教育費のかかる大学入学時から在学中に教育費を受け取るのが、返戻率を最も高くする学資保険の入り方です。

子供が小さいうちは家計はまだ多少の余裕がありますよね。小学校高学年くらいから、塾や習い事の費用がかさんでくるのが一般的。子供が10歳までに保険料を払い終えてしまうのが理想的です。

子供に万が一のことがあったとしたら…。

学資保険を早めに払い終えたとして、子供に万が一のことがあったらどうなるのでしょうか。

子供に万が一のことがあった場合は、子供の死亡給付金として、これまで支払った保険料が戻ってくる学資保険が一般的です。考えたくもありませんが、早いうちに保険料を払い終えたとしても、払い損になることはありません。

また、子供が大学進学しない場合でも、契約した年齢に達すれば教育資金を受け取れます。

学資保険の返戻率を上げる方法② 月払ではなく年払にする。

学資保険の保険料を毎月支払うのではなく、1年間分をまとめて支払う(年払)ことで、返戻率は高くなります。

生命保険各社は加入者から受け取った保険料の事務処理をしているのですが、まとめて保険料を受け取った方が、事務処理にかかる人件費を抑えることができます。その一部が加入者の返戻率に還元されます。

毎月の給与から支払うのではなく、賞与から支払うことで返戻率は若干上がります。学資保険の保険料は年払いで。

学資保険の返戻率を上げる方法③ 母親を契約者にする。

契約者は男性より女性のほうが返戻率は高くなります。契約者は父親ではなく、母親にしておいた方が有利でしょう。

というのも、男性は亡くなるリスクが女性よりも高め。学資保険は契約者(親)が亡くなってしまった場合、その後の保険料支払いが免除されるので、亡くなるリスクの低い女性の方が保険料は安くなります。従って、契約者を母親にした方が返戻率は上がります。

ただし、契約者を母親にしてしまうと、父親が亡くなった場合は学資保険の保険料支払いが継続します。シングルマザーとなっても保険料を払い続けられるのなら問題ありませんが、そうでないなら契約者は父親にしておいた方が無難でしょう。

【学資保険の選び方②】保障の手厚い学資保険を選んではいけない。

学資保険には保障型というタイプがあります。

保障型には親の死亡保障や、子供の医療保障が含まれているのですが、保障が手厚いため返戻率が低くなる傾向にあります。

保障型の学資保険の「保障」に充てられる保険料。

三井住友海上あいおい生命「&LIFE こども保険」という保障型の学資保険を例にします。お父さんが30歳で子供が0歳のときに学資保険に入ると、支払う保険料総額は以下のとおりです。

  • 毎月支払う保険料:12,235円(子供が18歳まで払い続ける)
  • 保険料総額:2,642,760円

概ね264万円の保険料を支払っていることになります。一方で、受け取れる教育資金は子供が22歳までに総額180万円。支払った保険料総額264万円に対して、180万円しか教育資金を受け取れません。

支払った保険料総額(264万円)から、受け取れる教育資金(180万円)を差し引いた84万円が

  • 親の死亡保障(親が亡くなったら子供が22歳を迎えるまで毎年60万円給付)
  • 子供の医療保障(入院1日5,000円給付)

に充てられていると考えられます。

ちょっとこれは高いのではないかと。

親の死亡保障は収入保障保険がおすすめ。

親の死亡保障を学資保険で備える必要はありません。死亡保障のある保険は他にもあります。

終身保険:一生涯の保障がある死亡保険。貯蓄性があるので支払った保険料は戻ってくるけど、保険料が高い。

定期保険:期間限定の死亡保険。保険料は掛け捨てで安い。亡くなった場合は大金が一気にまとめて給付される。

収入保障保険:期間限定の死亡保険。保険料は掛け捨てで安い。亡くなった場合は年金方式(毎月or毎年)で定額が給付される。

子供が小さいときは大きな保障額の死亡保障が必要ですが、貯蓄性のある終身保険の一本足打法だと、毎月支払う保険料はかなり高額になります。子供が小さいときには定期保険か収入保障保険で備えるのが現実的です。

子育て世代におすすめなのは収入保障保険です。

収入保障保険なら、必要な時に必要な保障額を得られます。保障にムダがないので、保険料にもムダがありません。

例えばFWD生命「FWD収入保障」なら、亡くなった場合に毎月10万円受け取れる保障内容で、保険料は30歳男性なら月々2,136円。子供が生まれてから22歳までの22年間加入すると、総額はおよそ56万円。

三井住友海上あいおい生命「&LIFE こども保険」の支払った保険料総額(264万円)から受け取れる教育資金(180万円)を差し引いた84万円よりかなり安く上がります。ちなみに、保障額は三井住友海上あいおい生命が年間60万円に対し、FWD生命は年間120万円(10万円×12ヶ月)なのでFWD生命の方が手厚くなってます。

子供の医療保障は区市町村の医療費助成を確認してから考える。

三井住友海上あいおい生命「&LIFE こども保険」には子供の医療保障もあります(入院1日5,000円)が、子供は区市町村が手厚く守ってくれています。

子供の医療費助成の一例を挙げます。

区市町村 対象年齢 医療費助成内容
東京都世田谷区 0歳~15歳 健康保険診療の自己負担分
入院時の食事の自己負担分
東京都武蔵野市 0歳~15歳 医療費のうち保険診療の自己負担分
大阪府大阪市 0歳~18歳 1日当たりの自己負担額最大500円(月2日限度)
※3日目以降は自己負担ゼロ。

地域によって子供の医療費助成は変わります。子供の医療保障を検討する前に、一度お住まいの地域の医療費助成を調べてみましょう。

※「(おすまいの区市町村) 子供 医療費」でググればすぐ見つかります。

結論。

親の死亡保障は、学資保険で備えるよりも収入保障保険、もしくは定期保険を選んだ方がお得になることが多いでしょう。子供の医療保障は区市町村が手厚く守ってくれるので、そこまで不安にならなくても良いかと。

学資保険はムダな保障がなく、シンプルに貯蓄を目的としたタイプがおすすめです。

【学資保険の選び方③】保険料払込免除がある学資保険を選ぶ。

最近の学資保険には「保険料払込免除特約」といったオプションが自動で付加されます。保険料払込免除特約が付加されれば、契約者(親)が亡くなった場合や、高度障害となった場合に以降の保険料支払いが免除されます。

学資保険の保険料毎月1万円~2万円となることが当たり前。収入が激減した場合も払い続けるのはちょっと厳しい金額ですよね。

免除されたからと言って、保障が消えてしまうわけではありません。保障は継続します。もともと契約した年齢に子供が達すれば、契約どおりに教育資金を受け取ることができます。

一般的な学資保険にはこの「保険料払込免除特約」が自動でセットされています。自動でセットされていない学資保険が少数派ではありますが、念のためチェックしておきましょう。

海外留学・海外移住を考えているなら、外貨建て終身保険もあり。

例えば、メットライフ生命「USドル建終身保険ドルスマート」は終身保険ですが、満期を柔軟に決めることができます。

子供が18歳のときに教育資金として使いたいのであれば、満期を18歳までとして毎月コツコツ保険料を支払っていけば学資保険としても使えます。満期を迎えた際に解約すれば、解約返戻金をUSドルで受け取れます。

海外留学・海外移住を検討されている場合、学資保険の教育資金を円で受け取ると、ドルに交換する必要が出てきます。ちょっと面倒ですよね。また、留学時に極端な円安だった場合、ドル換算すると価値が減ってしまいます。海外留学・海外移住を考えているなら、ドル建ての保険で教育資金を貯めた方が、効率は良いでしょう。

また、計画変更となって海外留学しないことになっても、満期を迎えた後に放置しておけば老後の生活資金にも使えます。

  • 子供の教育資金
  • 親の老後資金

といった、いろいろな使い方ができる保険です。

国内への進学を考えているなら、ドル建ての保険は危険。

ドル建ての保険で教育資金を貯めていた場合、満期時に極端な円高だと元本割れが発生する危険があります。

例えば、満期時に1万USドル受け取れる契約だった場合だと、

1ドル120円なら…120万円受け取れる。
1ドル100円なら…100万円受け取れる。
1ドル80円なら…80万円受け取れる。

です。為替レートで受け取れる金額に大きな差があります。

ちょっと極端な例ですが、表にします。2002年と2012年を比べてみます。

為替レート 私立大学授業料平均(年間)
2002年 1ドル=125.3880円 804,367円
2012年 1ドル=79.7905円 859,367円

2002年(このとき子供8歳)に学資保険代わりにドル建て終身保険に加入し、2012年(このとき子供18歳)に満期となったら最悪です。極端な例ですが、あり得ない話ではありません。

国内の大学へ進学する予定なら、円建ての学資保険でコツコツ貯めていく方が安全です。外貨建ての保険は利率が良いと宣伝されることがありますが、お金が必要となる時期が決まっている教育資金に外貨建てはリスクが高め。元本割れしない貯め方がおすすめです。

銀行預金と学資保険。教育費を貯めるにはどちらがお得か。

教育資金を銀行預金でコツコツ貯めるのは素晴らしいやり方です。最も安全で、お子さんのことを考えた貯め方ですよね。

「学資保険は知ってるけど、なんか保険って怪しい難しいし…」

そう感じている方も多いと思います。銀行預金は通帳見れば貯まった金額がすぐわかりますよね。シンプルで簡単です。

一方で学資保険は「将来xx万円払います!」っていう契約だけですし、銀行預金と比べると仕組みが複雑でわかりにくい。

しかし、学資保険には銀行預金にない以下のメリットがあります。

  • 支払った保険料は所得控除されるため、税制面で有利。年末調整でお金が戻ってくる。
  • (いまのところは)定期保険よりも有利な利率。

学資保険は生命保険料控除の対象です。所得税は上限40,000円、住民税は上限28,000円が所得から控除されます。

学資保険は月々の保険料が1万円を超えることが多いので、上限まで控除されるケースが圧倒的でしょう。例えば年収400万円くらいの方だと、

  • 所得税率は20%。控除額40,000円の20%である8,000円が年末調整で戻ってくる。
  • 住民税は一律10%。控除額28,000円の10%である2,800円が年末調整で戻ってくる。

ので、合計10,800円が年末調整で戻ることになります。10年間保険料を払えば合計108,000円(10,800円×10年)。10万円を超えます。結構な金額ですよね。

また、いまのところは定期預金で貯めるよりも利率は良いです。18年間で返戻率105%とすると、毎年の利率にすれば0.27%程度。

「1年間で0.27%しか増えないのか…」

とがっかり感もありますが、メガバンクの定期預金利率が0.002%程度と比較すれば、悪くはない利率です

まとめ

とはいっても、自分で学資保険を調べて選ぶなんて面倒ですよね。誰か最高に素晴らしい学資保険を選んで説明して!っていうのが本音だとお察しします。

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