介護保険・認知症保険の必要性と選び方は↓の書いています。
まずはざっと概要を書いておきます。東京海上日動あんしん生命「あんしんねんきん介護R」の概要と評価は以下のとおりです。
項目 | 内容 | 評価 |
保障タイプ | 介護保険 | A |
給付タイプ | 年金タイプ | A |
給付条件 | 要介護2以上 or 所定の要介護状態が180日を超えて継続 | B |
国の要介護認定と連動し、幅広く介護に備えられる介護保険です。認知症保険のように特定の症状に特化した介護保険ではありません。認知症は要介護全体の7割程度(推測)なので、介護全般に備えるのなら、認知症保険ではなく介護保険を選んだ方が無難です。
給付タイプは年金です。年金のように毎年定額を受け取ることができます。終わりが見えない介護は介護状態が続く限り毎月定額を受け取れる年金タイプが理想的。この点もメリット。
また、給付条件は要介護2以上、もしくは所定の介護状態が180日以上継続です。詳細は後述しますが、「所定の介護状態」は要介護3~4くらいを指すような状態なので、実質的には要介護2が給付条件になるかと。
他社は要介護3以上を保障することもあるので、東京海上日動あんしん生命「あんしんねんきん介護R」の保障条件は悪くありません。平均的です(要介護は数字が上がるほど症状が進んだ状態)。
特徴的なのは支払った保険料が「健康還付給付金」として全額戻ってくる点です。契約時に決めた年齢を迎えたときに、それまでに支払った保険料が清算されます。
例えば、60歳男性が介護年金30万円・10年有期年金で契約すると保険料は月々12,660円。80歳を健康還付給付金を受け取る年齢として、ケース分けして考えてみます。
①80歳までに介護状態とならなかった場合。
統計上は最も可能性が高いケース。この場合は支払った保険料総額3,038,400円(12,660円×12ヶ月×20年)がまるごと戻ってきます。ということで、損得ゼロ。
ちなみにですが、このケースだと同じ保険料を支払って介護保険を継続するか、あるいは契約を終了するかを選択することになります。継続した場合の保険料は掛け捨てです。戻ってくることはありません。
契約を終了した場合はもちろん介護保障が消滅。以降に要介護状態となっても保障はありません。
②80歳を迎える前に亡くなった場合。
この場合も支払った保険料がそのまま戻ってきます。例えば、75歳で亡くなった場合は支払った保険料総額2,278,800円(12,660円×12ヶ月×15年)が死亡給付金としてまるごと戻ってきます。ということで、損得ゼロ。
③80歳までに介護状態になってしまった場合。
このケースだと、支払った保険料総額から受け取った介護年金が差し引かれた金額が戻ってくるのですが、介護状態になった時点で保険料支払いは免除されるので、介護年金をいつから受け取ったかによって損得が分かれます(どのケースも損をすることはありません)。
細かくケース分けして考えてみます。
③-1) 78歳で介護状態になった場合(80歳まで介護継続)
この場合は支払った保険料総額2,734,560円(12,660円×12ヶ月×18年)に対し、介護年金として受け取った額600,000円(30万円×2年)が差し引かれた2,134,560円が戻ってきます。ということで、損得ゼロ。
③-2) 74歳で介護状態になった場合(80歳まで介護継続)
この場合は支払った保険料総額2,126,880円(12,660円×12ヶ月×14年)に対し、介護年金として受け取った額1,800,000円(30万円×6年)が差し引かれた326,560円が戻ってきます。ということで、損得ゼロ。
③-3) 73歳で介護状態になった場合(80歳まで介護継続)
この場合は支払った保険料総額1,974,960円(12,660円×12ヶ月×13年)に対し、介護年金として受け取った額2,100,000円(30万円×7年)なので、125,040円の利益になります。
利益が出る分岐点が73歳から74歳の間といったところ。この年齢までに介護年金を受け取れば利益が出ます。
③-4) 70歳で介護状態になった場合
この場合は支払った保険料総額1,519,200円(12,660円×12ヶ月×10年)に対し、80歳まで介護が続けば介護年金として受け取った額3,000,000円(30万円×10年)なので、1,480,800円の利益になります。
一方で、75歳で亡くなった場合は、受け取った額1,500,000円(30万円×5年)なので19,200円が戻ってきて損得ゼロ。76歳で亡くなれば受け取った額1,800,000円(30万円×6年)なので、280,800円の利益になります。
ということで、
若いうちに介護状態になって介護が長引けば利益はでるけど、そうでなくても払い損になることはない。介護状態にならなくても払い損にはならない。
というのが東京海上日動あんしん生命「あんしんねんきん介護R」の商品設計です。
介護状態になる可能性は高くありません。2022年2月の厚生労働省調査では65歳以上の第1号被保険者数が約3589万人。そのうち国の要支援・要介護認定を受けている人は約676万人。割合にすると18.8%です。さらに民間の介護保険が保障対象とする要介護2以上に認定される65歳以上の第1号被保険者数は345万人。割合にすると9.6%。だいたい10人に1人といったところ。
ということで、保険料が掛け捨ての民間の介護保険は、払い損になる確率がめちゃくちゃ高いです。
このサイトでは介護費用は原則自分で貯めることをおすすめしてますが、東京海上日動あんしん生命「あんしんねんきん介護R」は払い損にならず介護費用を貯めることができて、さらに若いうちに介護状態になって地獄の長期介護になった場合には利益が発生します。
良心的な設計になっているなと感じます。
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東京海上日動あんしん生命「あんしんねんきん介護R」の基本情報
まずは基本情報を一覧にしました。他社の介護保険と比較する際の手掛かりにどうぞ。
保険の種類 | 【介護保険】 ・要介護認定と連動した保障のある保険です。 ・保険料が値上がりすることはありません。 |
主契約 | 【介護年金】 要介護2以上に認定、もしくは所定の要介護状態が180日を超えて継続したと診断確定された場合に年金給付。 【健康還付給付金・死亡給付金】 所定の年齢で生存している場合、もしくは亡くなった場合に給付。 |
特約(オプション) |
【認知症一時金特約】 初めて認知症や軽度認知障害(MCI)と診断確定された場合に一時金給付。 【介護一時金特約】 要介護2以上に認定、もしくは所定の要介護状態が180日を超えて継続したと診断確定された場合に一時金給付。 |
契約できる年齢 | 20歳~65歳 |
保険料を支払う方法 | 口座振替 |
保障される期間 | 終身(一生涯) |
東京海上日動あんしん生命「あんしんねんきん介護R」のデメリット
要介護になって利益が出る可能性は高くない。
冒頭、60歳男性が介護年金30万円・10年有期年金で契約したケースを例に損得を考えてみましたが、実際に利益が出るのは74歳くらいまでに介護状態となるケースです。
しかし、70代前半で介護状態になる可能性は高くありません。
東京海上日動あんしん生命「あんしんねんきん介護R」が介護年金を支払う条件は
- 公的介護保険制度の要介護2以上と認定されたとき
- 所定の要介護状態が180日を超えて継続したと診断確定されたとき
のどちらかを満たした場合です。
1点目の要介護2の条件は以下のとおり。
- 身だしなみや居室の掃除などの身のまわりの世話の全般に何らかの介助(見守りや手助け)を必要とする。
- 立ち上がりや片足での立位保持などの複雑な動作に何らかの支えを必要とする。
- 歩行や両足での立位保持などの移動の動作に何らかの支えを必要とする。
- 排泄や食事に何らかの介助(見守りや手助け)を必要とすることがある。
- 混乱や理解低下がみられることがある。
そろそろ一人暮らしも難しくなってくるのが要介護2です。
また、2点目の「所定の要介護状態」ですが、具体的には「常時寝たきり」または「器質性認知症と診断され、見当識障害がある状態」を指します。
常時寝たきりはその名のとおりベッドの周囲を歩行するのも難しいような状態。
器質性認知症とは脳が壊れて発症する認知症で、見当識障害がある状態とは自宅に帰ってこれない、配偶者・子供・孫を認識できないといったハードな状態を指します。そうとう進んだ認知症と考えてよいでしょう。
ということで、2点目の「所定の要介護状態」は国の要介護認定の基準だと要介護3~4くらいの状態かと。実質的に介護年金が給付される条件は、1点目の要介護2と考えられます(要介護は数字が上がるほど重い症状)。
70代前半で要介護2に認定されるケースは多くありません。65歳以上75歳未満の第1号被保険者数が約1722万人。そのうち、要介護2以上に認定されている人は約37万人。およそ2%に過ぎません。冒頭のケースで利益が発生するのは50人に1人といったところ。
ということで、東京海上日動あんしん生命「あんしんねんきん介護R」は介護費用を半ば強制的に貯められるツールと考えておいた方が良いでしょう。利益が出る可能性は高くありません。
ちなみにですが、若いうちに加入すると利益が出る可能性はさらに低くなります。
50歳男性が介護年金30万円・10年有期年金で契約したケースだと、利益が出るのは66歳から67歳で要介護2に認定された場合。ほとんどないかと。
加入できるのが65歳まで。
加入できるのは65歳までに限定されます。強烈な親の介護経験があれば別ですが、自分の介護が気になりだすのは60代後半くらい。その頃には加入できません。
冒頭書いたとおり、東京海上日動あんしん生命「あんしんねんきん介護R」は加入者が払い損にはならないですし、利益が出る可能性も高くありません。東京海上日動あんしん生命がやってることは、多くの人から保険料を集め、集めた保険料をそのまま返しているだけ。
これだと東京海上日動あんしん生命がどうやって利益を出しているのか謎に思えますが、加入者から集めた保険料を返すまでに15年以上の時間があります。これだけの時間があれば、集めた保険料を原資に資産運用して利益を出せる!という思惑があるのでしょう。
介護状態になるまでの時間が長くない65歳超の人が加入してしまうと、資産運用に費やせる時間が短く、利益を出すのが難しくなります。ということで加入者の年齢に上限を設けているのでしょう。
東京海上日動あんしん生命「あんしんねんきん介護R」のメリット
介護費用を半ば強制的に貯められる。
繰り返しますが、東京海上日動あんしん生命「あんしんねんきん介護R」は介護資金を貯めるためのツールです。計画的にお金を貯めるのが苦手な方のためのツールと考えた方がよいでしょう。
ちなみにですが、保険料を支払ってる期間中に解約すると、それまでに支払った保険料はほぼ全額パァになります。大損です。
「支払った保険料が全額戻ってくるのだから、高めの保険料にしておこう」
といった意気込みでハードルを上げず、無理なく支払える保険料に抑えておいたほうが無難です。
東京海上日動あんしん生命「あんしんねんきん介護R」の評価。
評価:B(S、A~Cで判定)
稼いだお金は全額使ってしまう貯金癖のできない家計にとって、介護費用を強制的に貯めるツールとして使えます。
上述のとおり利益が出る可能性は高くありませんが、他社の介護保険が払い損になる確率がめちゃくちゃ高いことを踏まえれば、支払った保険料がそのまま戻ってくる東京海上日動あんしん生命「あんしんねんきん介護R」は
「こういうのでいいんだよ」
と言える介護保険だと感じます。
ただし、やってることはほぼ貯金。計画的に貯められる家計なら、解約リスクがなくて僅かながらも利息のある銀行預金のほうが良いでしょう。老後までに時間があるのなら、資産運用を検討するのもアリです。
よって評価は「B」が妥当かと。
東京海上日動あんしん生命「あんしんねんきん介護R」の相談をするなら。
東京海上日動あんしん生命「あんしんねんきん介護R」は全国の保険ショップで取り扱ってます。
でも、保険ショップに行ってみて、
「あー、すいません、うち東京海上日動あんしん生命やってないんですよー」
なんてことを言われたら心折れますよね…。そんなことがないように、事前に最寄の保険ショップがソニー生命を取り扱っているか確認しておきましょう。
手堅いのは保険クリニックです。保険クリニックなら東京海上日動あんしん生命はもちろんのこと、他社の介護保険も取り扱ってます。比較もかんたんにやってくれますよ。
サイト上の予約フォームに相談したい内容をざっくり入力し、予約してから訪問した方が効率的に最適なプランへたどり着けます。
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わかりやすく実績を確認できるのが第三者機関による顧客満足度調査。オリコン社が実施した保険ショップの顧客満足度調査にて2021年から2023年までの3年連続No.1、2023年10月に実施した株式会社DRCによるインターネット調査にて総合1位を獲得しています。
保険クリニックは契約手続きとアフターフォローにも定評があります。
保険金の不払い率をこちらにまとめていますが、不払いとなる理由の多くは
- 契約時の告知事項に不備があった。
- 契約上、保険会社に支払う責任がない。
の2点。
1点目は保険を契約する際に生命保険会社へ知らせた告知事項(過去の病歴とか現在の健康状況とか職業等)に誤りがあったケースで、保険ショップのスタッフが契約時にしっかり説明すれば回避できます。保険クリニックでしっかり説明を受けて契約すれば、まず該当することはないかと。
また、2点目はそもそも保険会社に保険金を支払う責任がないケースですが、医療保険やがん保険や独自基準のある介護保険・認知症保険には責任分界点が微妙なグレーゾーンが存在します。微妙なグレーゾーンでキーになるのが医師が書く診断書。診断書の表現ひとつで保障されないこともあります。
そんなときに、
「こういうふうに診断書を書いてもらうと保障されやすいですよ」
といったアドバイスをできるのは保険ショップのスタッフだけです。生命保険会社のコールセンターに問い合わせても、わざわざ自分たちの不利になるアドバイスはしてくれません。
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まとめ
公式サイト:東京海上日動あんしん生命「あんしんねんきん介護R」
多くの場合が払い損になる民間の介護保険ですが、基本的に払い損になることがなく、支払った保険料が戻ってくる点が東京海上日動あんしん生命「あんしんねんきん介護R」の特徴です。
利益がでる可能性は高くありませんが、貯められない家計によっては介護費用を貯める良いツールになります。強制的に貯められるのはなかなかのメリットです。
複雑な介護保険。どれにしようか悩むことが多いと思いますが、1人で悩む必要はありません。最寄の保険ショップで専門家のアドバイスを受けながら決めた方が効率的だし、「やばい介護保険」を掴まされることもなくなります。
保険ショップのスタッフは数多くの介護の現場を見ています。介護に必要なお金、介護保険に何ができるかをしっかりアドバイスしてくれます。保険ショップでの相談はもちろん無料。気軽な気持ちで相談して問題ないです。
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※2022年9月更新